妖魔の城
「そうなのか、それはよかった――」
ふと芽生えた微かな違和感も、安堵感に掻き消されてしまう。
そのまま、無防備に沙亜羅へと近付く僕――
「ふふっ……」
不意に、沙亜羅は妖艶な笑みを浮かべた。
その目が、かっと見開き――そして、その口からピンク色の鞭のようなものが飛び出す。
「えっ……!?」
その正体は――舌だった。
伸びるというより、発射されるといった方がいいほどの勢いで僕に迫り――
そして、僕の体にぐるぐると巻き付いてしまう。
それは、まさに一瞬の早業。
まるでカメレオンのように伸びた舌が、僕をあっという間に絡め取ってしまったのだ。
「あはは……簡単に捕まっちゃうんだね」
「そんな、まさか……」
沙亜羅の口からは長い長い舌が伸び、僕の体に巻き付いている。
多少身をよじっても、その舌はゴムのような弾力性をもっていて逃げることはできなかった。
しかも舌の表面は粘着質で、べっとりと密着して容易には引き剥がせそうにない。
捕らえられて初めて、目の前の人物が沙亜羅ではない――偽者であることに気付いた。
「お前は……いったい……」
「何言ってるの、優? 私は沙亜羅よ……ふふっ」
おどけたように言いながら、沙亜羅の姿をした何者かは笑う。
こいつが、沙亜羅であるはずはないのに――外見はもちろん、その口調も、態度も、何もかもがそっくりなのだ。
おそらくこいつこそ、沙亜羅を捕らえたアステーラとかいう淫魔――
「面倒なことは考えられなくしてあげるね、優……ほらほら、いたぶられちゃうよ……」
「あうぅ……やめろ……」
巻き付いていた舌がさらに伸び、服の上からじゅるじゅると這い回り始めた。
僕の体をじっくりと巻き取り、そして――襟首から、にゅるにゅると服の内部にまで侵入してきたのだ。
「や、やめ……あぁぁぁぁ……」
それはまるで、温かいウナギが服の中にいっぱい潜り込んできたような感触。
胸や脇など素肌の上でにゅるにゅると這い回られ、僕は立ったまま身をよじる。
ヌメヌメしてくすぐったい、背筋がぞわぞわする――不気味なのに、妖しい快感が伴っていた。
「ほらほら……どう? 気持ちいい、優?」
「あ、あぅぅぅぅぅ……」
どんどんと服の中に舌が侵入し、ぬらぬらと上半身を激しく這い回っていく。
生温かい唾液にまみれながら、肩から胸、脇、背中から腹までをじゅるじゅると舐め回される快感。
服の内部で舌が蠢き、上着の表面はうにゅうにゅと激しく波打っていた。
まるで、ヘビやウナギなどの生物を大量に突っ込んだかのように――
「はぅ……あ、あぁぁぁ……」
くすぐったさと快感に身をよじり、切れ切れの喘ぎ声を漏らす僕。
それを眺め、沙亜羅はおかしそうに笑っていた。
あれは偽者のはずなのに、なぜだか僕は沙亜羅に嫐られているような感覚に陥っていく――
「あぅぅ……沙亜羅……」
「ほらほらぁ……下の方も襲われちゃうよ……」
服の下で上半身を包み、腹のあたりまでヌラヌラと渦を巻いていた舌――
それが、徐々に下腹の方まで這っていった。
へそのあたりを下って陰毛のところに分け入り、とうとう股間に達してしまう――
すでにそこには、肉の棒が立派にそびえたっていた。
「あは……優、もう大きくしてるんだ。おちんちんも、ペロペロしてあげるね」
「あぅ……」
れるり……と、長い舌が肉棒の根本へと巻き付いてくる。
ズボンの下で行われているので、直に見ることはできないが――何をされているのか、感覚で分かった。
さらに、ぬめった舌がペニスに絡んでいき――螺旋状に幹を巻き取りながら、頂上へと這い上がっていく。
「あ、あぁぁぁぁぁぁ……」
僕の肉棒は、ぬめった感触にじっくりと包まれていき――そして先端まで、舌に覆われてしまった。
生温かい感触と、唾液がたっぷり滴ったヌルヌル感。そして、ザラザラとした感じを伴った舌粘膜のヌメヌメ感――
そんな甘い感触にペニスが捕らわれてしまい、僕は身を硬直させていた。
「優のおちんちん、捕まーえた♪ あはは……白いの漏らすまで、いたぶっちゃうよ」
「あ、あぁぁぁぁぁぁぁ――!!」
ペニスを絡め取った舌が、うじゅうじゅとうねり、妖しい収縮を始めた。
まるで何本もの舌に、ねちっこく舐め回されているような感触。
ぬめった舌粘膜がカリや亀頭のあちこちにまとわりつき、甘い快感をもたらす。
足がガクガクと震え、立っているのも辛い状態だ――
「あれぇ、もう先っちょからヨダレが出てるよ? もう降参? だらしないなぁ、優……」
「あぅぅぅぅぅぅ……!
じゅるじゅる、ぐちゅぐちゅと伸縮する舌で、肉棒が散々に嫐り抜かれている。
ズボンの表面がうにゅうにゅと波打ち、中で舌が激しく渦巻いているのが分かった。
舌粘膜のザラザラ感が亀頭表面をくすぐり、腰が砕けそうなくすぐったさに襲われる。
唾液たっぷりのヌメヌメ感が裏筋やカリにまとわりつき、身をよじるほどの快感を生み出す。
そして、舌のほんわかした温もり――
ヌメった生温かさに肉棒が根本から先端まで包み込まれ、その温度に溶かされそうになった。
じんわりとしたうずきが腰のあたりをくすぐり、ゆっくりと肉棒を這い上がり始めたのだ。
「あぅぅ……もう、出る……」
「イっちゃうんだね、優……私に見られながらイかされちゃうんだ……恥ずかしいね……」
くすくすと笑う沙亜羅に見据えられながら――僕は、とうとう射精のうずきを抑えられなくなってしまう。
こみ上げてきた生温い射精感に、そのまま身を委ねてしまった――
「あ、あ、あぁぁぁぁ……」
甘い痺れが腰に広がり、どく、どくと脈動が始まる。
ズボンを履いたまま、長い長い舌にペニスを覆い包まれながらの射精。
生温かいぬめりの中に、ドクドクと精を迸らせるその放出感――
僕は立ったまま身を震わせ、歓喜の喘ぎを漏らす。
「あは、いっぱい出た出た……」
「あひっ……!」
肉棒に絡んでいた舌がうじゅうじゅと蠢き、締めては緩めるように収縮してきた。
脈動のリズムに合わせ、じゅる、じゅる……と蠕動してくるのだ。
射精中のペニスをいたぶり、責め上げるように――
まるで、チューブから強引に中身を搾り出すような動作だ。
「ほぉら、こんなのはどう?」
「あ、あぁぁ……やめてぇぇ……!」
にやにや笑う沙亜羅の視線にさらされながら、僕はねちっこく精液を搾り出された。
射精中のペニスを責め上げられるという凄まじい快感に、とうとう立っていられなくなってしまう。
服の下に大量の舌を這わせたまま――僕は膝を付き、その場に尻餅を付いてしまった。
「あはは……優、ダウンしちゃった……♪ そんなに気持ち良いんだ……♪」
「あ、あひぃぃぃ……!」
射精を終えてもなお、舌はペニスをじゅるじゅるといたぶり続ける。
強制的に与えれる快楽に悶えながら、僕は無様に床へと這っていた。
快感で地面に伸びる僕を、沙亜羅の偽者はにやにやと笑いながら見下ろしてくる――
「やめろ……この、偽者……」
なんとか、舌の束縛から逃れようとするが――その甘い快感で、力が入らない。
「偽者……私が?」
沙亜羅の姿をした偽者は、眉をぴくっと吊り上げた。
「そんなこと言うんだ、優……少し、オシオキしてあげようかな」
「あ、あうっ……!」
服の下で這い回っていた舌が、内側から僕の衣服を引き裂いてしまう。
あらわになった僕の素肌の上には、舌がぐるぐると絡みついていた。
まるで、ピンク色の荒縄でがんじ絡めに縛られているかのようだ。
それが――不意にギュッと狭まり、全身をきつく締め付けてきた。
「あ、あぅぅぅぅぅぅ……!」
ぬめったヌルヌル感は快楽をもたらしたが――その締め付けには苦しさも伴った。
僕は床に這ったまま、苦痛の喘ぎを漏らしてしまう。
「ほらほら……もっと、きつく締め付けてあげる」
「あぁ、がぁぁぁぁぁぁぁ……!」
ぎゅっと締まり、僕の全身を締め上げてくる舌。
みしみしと体がきしみ、重圧にも似た圧迫感が全身をさいなむ。
耐え難い苦痛にさらされ、床に転がりながら身をよじる僕。
そんな醜態を見下ろしながら、沙亜羅はサディスティックに微笑んだ。
「どう、これで分かった? じゃあ、もう一回聞くね。優、私は誰?」
「にせ……もの……あぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
全身に絡んだ舌の荒縄に、さらにきつい力が加わった。
ぎちぎちと全身が悲鳴を上げ、苦痛が体中を駆け回る――
「あぐ……が、ぐぅぅぅ……!」
「ほらほら……痛いのはイヤでしょ、優?」
僕の全身をきつく締め上げたまま――その舌先が、再び股間へと伸びていった。
そして、さっきのように肉棒をしゅるしゅると巻き上げてしまう。
しかし今は、ペニスを舌で覆い包まれる快感よりも、全身を締め上げられる苦痛の方が勝っていた。
「苦しく締め上げられるより、気持ちよく締められた方がいいでしょ……?
素直になるんなら、おちんちんを締め付けてあげる……とっても気持ち良くね」
「だまれ、にせもの……あぁぁぁぁぁ!」
「優も、強情だなぁ……」
ぎゅっと収縮し、僕の体をきつく絞り上げてくる舌。
まるで大蛇に巻き付かれ、全身を締め上げられているかのようだ。
あまりの苦痛に、僕は沙亜羅――の姿をした偽者の足下でのたうち回った。
「ほらほら……認めないと、もっとギュウギュウにされちゃうよ……?」
「あっ……! あぐぐぐぅ……!」
ぎしぎしときしむ骨、全身に食い込む舌、朦朧とする意識――
「う、うぅぅぅぅ……」
徐々に、僕を見下ろす少女が本物の沙亜羅に見えてきた。
外見も性格も同じ――なら、本物と何が違うのか。
認めてしまえば、この苦痛からも解放されるのだ。
そして、再び快楽の世界に連れて行ってくれる――
「ほら、優。私は誰……?」
そんな僕を見下ろしながら、沙亜羅はなおも尋ねてきた。
与えられた苦痛に僕の肉体は音を上げ、そして精神も屈服しようとしている――
「あぅぅ……さあら……」
とうとう僕は、それを認めてしまった。
目の前の偽者を、沙亜羅だと――
いや……本物と偽物、何が違うのか。
この少女は、限りなく沙亜羅に近い存在……なら、それでいいじゃないか。
「はい、良くできました……じゃあ、ご褒美をあげるね」
「あ、あぁぁぁぁぁぁぁぁ……!」
僕の口からこぼれ出たのは、苦痛ではなく快楽の悲鳴。
肉棒に絡んでいた舌がうじゅうじゅと蠢き、締め付け、甘い快感を与えてきたのだ。
カリの溝に舌が食い込み、ぬるぬると締め付けながら擦り上げる。
亀頭全体が舌で締め付けられ、裏筋や尿道口も心地よく圧迫される――
その甘い快感の前では、こみ上げる射精感を抑えることなどできなかった。
「あぅぅぅぅぅぅ……さあら、さあらぁぁぁ……」
ペニスにまとわりつくぬめった快感に腰を揺らしながら、あっけなく果ててしまう。
まるで、本物の沙亜羅に嫐ってもらっているような気分のままに――
「ふふっ……ようやく認めたね、優。それじゃあ、もっともっとナメナメしてあげる」
「あ、あぁぁぁぁぁぁ……!」
伸縮する舌が僕の全身を這い回り、股間を貪り、精液をれろれろと舐め取っていく。
僕はその快感に悶え狂い、沙亜羅の足下でのたうち回るのだった。
何度も何度も射精に導かれ、ドクドクと白濁を捧げながら――
「あ、あぅぅぅぅぅ……さあら……」
こうして僕は、愛する少女に延々といたぶられ続ける。
いや、愛する少女の姿をした偽者に――
「ほらほら……優、気持ちいい……?」
「ああぁぁ……いいよぉ、さあらぁぁぁ……」
しかしもはや――本物か偽者かなど、どうでもいいことだ。
目の前にいる少女の舌で、ねっとりと責められる快感――
それに溺れてしまい、僕は完全に調教されてしまったのだ。
「ふふっ……出してもいいよ。私の舌で、ドクドク漏らしちゃえ……」
「あひ……! あ、あぁぁぁぁぁぁぁ……」
舌のとぐろの中で、とくんとくんと精液が漏れ出る。
その心地よい放出感にさらされ、うねった舌の感触を下半身で感じ――夢のような恍惚に浸るのみ。
これからずっと、甘い舌で嫐られ続ける――それは、僕にとって最高のご褒美だ。
本物の沙亜羅がどうなったかなど、もうどうでもいい事だった。
−BAD END−
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