妖魔の城


 

 イチかバチか、僕はランプへと駆け寄っていた。

 そして、一気に蹴り倒そうとする――

 

 「ふっ、かかったな!」

 「え……?」

 唐突に、目の前に黒いものが伸びてきた。

 それは、ランプの影――それが五条すばるの影の形になっていたのだ。

 いつの間にか、自身の影をここに潜ませていた――

 

 「しまった……!」

 女の影は、僕の右足首をむんずと掴んでしまう。

 そればかりか――そのまま、強力な力で影そのものの中へと引きずり込んできたのだ。

 「淫技『影舞』――こうも簡単にかかるとはな」

 「うあっ……! くそっ……!」

 あまりに強烈な力に、全く抵抗ができない。

 抗うこともできないままに、僕の体は影の中へと引きずり込まれていく。

 そして――ずるり、と影の中に右足がめり込んでしまったのである。

 まるで底なし沼のように、ずぶずぶと……

 

 「な、なんだこれ……?」

 五条すばるの影の中は、奇妙な感触に満ちていた。

 まず、まるで人肌のように生温かい。

 そして、ヌメヌメと何かが無数に絡んでくる――まるで、藻や水草でいっぱいの沼に足を沈めたかのように。

 それはうねうねとうごめき、くすぐったいような感触を味わわせてきたのだ。

 「あ、あぅぅ……」

 不気味でありながらも、なんとも心地よい触感。

 それに戸惑っているうちに――とうとう、下半身全体が影の中に沈んでしまった

 僕は下半身を影に沈ませ、床から上半身を覗かせるという奇妙な体勢になってしまったのである。

 五条すばるは、そんな僕の前に立ち――完全に、仕事が済んだ表情をしていた。

 

 「ふ……勝負あったな。捕まるなら私、影の方は酷だと――忠告しておいたのに」

 「う、そんな……ああっ……」

 ズボンの上から、不気味な触手のようなものがうねうねとまとわりついてくる。

 そのざわめきの中で、下半身を覆う衣類が引き剥がされ始めた。

 たちまちズボンが剥ぎ取られ、影の中で両足が剥き出しになってしまう――

 「あ、あぁぁぁ……! あぅぅぅ……!」

 ざわざわざわと、太ももからつま先までがくすぐられるような感触。

 沼に中に充満した藻のような物体が、温もりを伴いながらヌメヌメと絡みついてくるような――

 その異様さと、それに伴う生温い快感で全身が震えてしまう。

 そして、とうとう――下着までが引き剥がされようとしていた。

 「うぁぁ……や、やめてくれ……」

 「ふ……淫影の中は、搾精空間が広がるのみ。もはや、出ることは適うまい。

  そのまま精を出し尽くし、影の中で果てるがいい……」

 上半身だけを影から出し、ひたすら悶える僕――その前に立ち、五条すばるは冷たく言い放った。

 「や、やめ――」

 そして懇願もむなしく、影の中で下着が剥ぎ取られてしまう。

 「あ、あぁぁぁぁぁぁぁぁぁ――!!」

 次の瞬間、股間にざわざわと集まってくる触手のような何か。

 それはペニスにぬるぬると絡み、ざわざわとくすぐり――異様な感触を伝えてくる。

 無数のぬめった指先で、肉棒全体をぞわぞわとくすぐり回されているような――

 たちまち大きくなったペニスの、カリ、亀頭、先端部から根本に至るまで丹念に刺激され尽くす。

 あまりにも不気味で心地よい、体験したことのない感触だ。

 「あ、あ、あぁぁぁ……」

 その不思議な快感に、みるみる体の力が抜けていき――

 じっくり絡まれる感触に包まれ、頭が快楽に染まっていく――

 「あ、あぁぁぁぁぁぁ……!」

 そして、気付いたときには甘美な脈動が始まっていた。

 ぬめった刺激に耐えられず、ドクドクと脈打ちながら精液を迸らせてしまったのだ。

 ざわざわとくすぐられながら味わう射精感は、非常に心地よいものだった。

 何をされているか分からないまま、僕は射精の快感に浸ってしまう――

 

 「ふ……もう漏らしたか。もう少し抗うかと思えば――ずいぶん、あっさり屈したものだ」

 堕ちた敗者に用はない――とばかりに、五条すばるは吐き捨てる。

 「とめどなく果てるがいい。我が影の中で、搾り尽くしてくれよう……」

 「うぁ……あ、あ、あぁぁぁ――!!」

 次の瞬間には、下半身を包むざわざわとした蠢きがいっそう激しくなった。

 水草のような触感の生温い物体が、下半身全体を覆い、群がり、妖しくくすぐりたてる。

 異様な感触は、足や太股、肉棒のみならず陰嚢やアナルまでも――

 容赦なく、ぬるやかにまとわりついてくるのだ。

 ペニスには何重にもなって絡みつき、カリやその下のくびれをぞわぞわと責め上げている。

 ぬるぬる、ざわざわと――じっくり、いたぶるように。

 生温かい沼の中で、ぬめった水草や藻が渦となってまとわりついてくるかのようだ。

 「あ、あぅぅぅぅ……! あぁぁぁっ!!」

 ほとんど耐えることもできず、僕は二度目の精を漏らしていた。

 ぬるやかな渦の中でどくどくと精を漏らす、たまらない放出感。

 僕は恍惚の表情を浮かべながら、脱力してしまった――

 

 「股間の快楽に堕ちたか……惨めよな。

  これで遊興も終わり。私の影で包み込み、搾り抜いてくれようぞ――」

 「あ、あぁぁぁぁ……っ!?」

 足下から、ぐいと引かれていく感覚。

 もはや僕には抵抗する気力もなく――影の中に、体がどぷんと沈み込んでしまう。

 その中は、形容しがたい不気味な空間。僕の視界は、まるで沼の底のような深緑に染まる。

 この沼のような空間に、上半身まで浸かって閉じこめられてしまったのだ。

 そこで――僕は、自分の下半身がどんな状態か目にした。

 「あぁぁぁ……」

 空間の四方から伸びているのは、いわば影の触手。

 それはまるで女の細腕が伸びたようで、五本の指までしっかりと備わっている。

 そんなのが五十本以上――数え切れないほど集まり、下半身を覆い込んでいるのである。

 特に、ペニスは集中的に影の腕が群がっていた。

 十以上の影の掌が覆い包み、先端から根本までをざわざわといじくっているのだ。

 「あぁぁ……す、すごい……こんな……」

 こんなことをされている自分のモノを見て、僕はなぜだか嬉しくなってしまった。

 こんな風に、可愛がられていた――これでは、あえなくイっても仕方ないはずだ。

 五条すばるに、こんなことをされている――そんな興奮が一挙に沸き上がる。

 

 「き、きもちいい……」

 じっくり責め上げられている自分の肉棒を見ていると、またもや射精感がこみ上げてきた。

 五条すばるの影の腕で愛撫され、弄ばれ、漏らしてしまう――

 あの美しいくのいちの技で、あえなく果ててしまう屈辱感と背徳感。

 「あ、あぅぅぅぅぅぅぅ……」

 悦びの声と共に、僕はまたしても大量の精液を迸らせていた。

 射精しているペニスを無数の影が包み、容赦なく弄んでくる。

 「あぁぁ……あひぃ……」

 僕は全身を震わせながら、その快感に溺れるしかなかった。

 そして、四方から迫ってくるのは――あの腕の形をした影。

 それはすでに僕の下半身を絡め取っていたが、今度は上半身にまで襲いかかってきたのだ。

 

 「あ、あぁぁぁぁぁぁぁ……」

 抗う気など微塵もなく、僕は喘ぎながらそれを受け入れていた。

 影がしゅるりと巻き付いてきたところに、ヌルヌル感とくすぐられる感触が同時に襲いかかる。

 僕の全身に容赦なく巻き付き、絡み、まとわりつき、責め上げられ――

 頭から足先まで、全身がすっかり影の腕に覆い包まれてしまったのだ。

 「ひぁ……! あ、あぁぁぁぁ……!」

 そのまま、続けられる淫らな責め。

 くすぐられているような、ヌルヌルと撫で回されているような感触――

 強烈な快感に促されるまま、ペニスからドクドクと精液が溢れてしまう。

 それでもなお、ざわざわ、ぐじゅぐじゅと全身が嫐られ続けるのだ。

 まるで全ての精液を搾り尽くすかのように、じゅるじゅると――

 

 「あ、あひぃぃぃぃぃ……! あぐ、あぁぁぁぁ……!」

 これが、淫技『影舞』――影の中に引き込んで、精液を搾り尽くす恐ろしい技。

 この技を受けたが最後、無数の影腕に股間や全身を弄ばれ、精液を搾られ続けるしかない。

 このまま搾り殺されるのか、いつまでも嫐られ続けるのか――それすらも分からない。

 「い、いいよぉ……あぁぁぁぁぁ……!」

 もはや、他のことはどうでもよくなってしまう。

 すっかり抵抗を止め、与えてくれる快感に酔いながら――僕は、ひたすら精を漏らすのみだった。

 

 

 −BAD END−

 

 

 



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