千蟲姫エリヴィラ


 

 「生殖の相手に……」

 少年は躊躇しつつも、エリヴィラにそう告げた。

 自分の遺伝子を受け継いだ子を残したいという、生物の本能ゆえか。

 そしてエリヴィラの淫気を吸い込んだ少年は、既に快楽の虜となっていたのだ。

 それでも、どんな蟲をあてがわれるのかは分からないところに不安を感じながら……

 

 「そう、交尾がしたいのね」

 エリヴィラはくすくすと笑うと、ドレスの襟元をゆるめて肩をはだけさせた。

 その細く白い肩から、にゅっと緑色のカマのようなものが突き出る。

 「……!?」

 少女の小さな体から、ずるずると這い出してくる異形の女性。

 それは、まるでカマキリと人間女性が融合したかのような生物だった。

 顔や肩、胸やお腹までは美しい女性のものだが、そこから下は昆虫のように膨らんだ腹部となっている。

 「リル・マンティス――見ての通り、カマキリの搾精蟲。これから、あなたを犯し尽くす相手よ」

 「……!!」

 少年は、目の前に立つ妖艶な女性に視線をやった。

 肩から上までは、いかにも優しそうなお姉さん。しかしその腕はカマ状で、腹から下は昆虫のものである。

 リル・マンティスは少年を――獲物を見定め、不適な笑みを浮かべた。

 その腰元、人間女性なら性器がある位置に存在するへそのような穴が、ぐぐぐと広がっていく。

 「……」

 少年は、その穴が何のためのものかを瞬時に悟った。

 リル・マンティスの下腹に相当する部分に、10円玉ほどの空洞がぽっかりと開いたのだ。

 いかにも硬質な昆虫の下半身だが、その穴だけは非常に柔らかそうだ。

 「卵管の準備が整ったみたい。あなたを何度もイかせてくれる穴だから、よく見ておきなさい」

 「……」

 少年は、恐ろしい想像に思い至っていた。

 伝聞で正確には知らないが、メスのカマキリは交尾の後でオスのカマキリを食べてしまう事があるという。

 すると、このリル・マンティスも……?

 「その心配は杞憂。リル・マンティスは、生殖相手を捕食する類の生物じゃない」

 まるで少年の心を読んでいるかのように、エリヴィラは言った。

 「ただし…… なかなか面白い習性があるのだけれど」

 「……?」

 くすくすと笑うエリヴィラに、不安げな視線を送る少年。

 不意に、その視線がリル・マンティスによって遮られた。

 いつのまにか、彼女は少年の眼前まで迫ってきたのだ。

 

 「う、うわッ!」

 カマ状の両腕を器用に使い、リル・マンティスは少年を押し倒す。

 そのまま仰向けになる少年に対し、すかさずのしかかって組み敷くリル・マンティス。

 昆虫の下半身に跨られ、騎乗位に酷似した体勢である。

 そして彼女の柔らかそうな卵管が口を開け、屹立する少年のペニスに迫った。

 「うぁ…… ああぁ……」

 「あなたは童貞なのでしょう。人外の女性に奪われるのはどんな気分? 恐怖? 戸惑い? 後悔? それとも、期待?」

 「や、やめて……! こ、怖いよぉ……!」

 寸前になって、不安感が頂点に達する少年。

 期待と恐怖の間で揺れ動いていた少年の感情が、再び恐怖の方に傾いたのだ。

 「初めてが逆レイプ、それも相手が人間じゃなんて。

  さらに、愛情も何も無い交尾。ただあなたのペニスを刺激し、精液を吐き出させるための行為。

  何度も何度も、惨めな射精を強制される…… それが、あなたの初体験よ」

 「いやだ、そんなの……」

 懇願する少年を見下ろし、嘲笑するような表情を浮かべるリル・マンティス。

 そのまま彼女は腰を下ろし、卵管の入口とペニスの先端を密着させた。

 「は…… あ、う……」

 その肉穴は非常に柔らかく、ひくひくと蠢いている。

 亀頭が入口に触れているだけでも、その感触で漏らしてしまいそうだ。

 「いいわ、リル・マンティス…… 犯してあげなさい」

 主人からの了解が出た瞬間、リル・マンティスは一気に腰を下ろした。

 同時に、ずぬぬぬぬぬ……とペニスが卵管に包み込まれる。

 

 「う、うぁ……!」

 その内部の感触に、少年は表情を歪めた。

 内壁がまるで彼のペニスを巻き込むようにせばまりながら、じわじわと締め上げてくる。

 それでいて、卵管全体がうにうにと揉み立ててくるのだ。

 「な、中が動いてるよぉ……!」

 リル・マンティスに組み敷かれたまま、少年は快楽の声を上げた。

 彼女の柔らかい乳房が胸に密着し、蟲とは思えない温かさが伝わってくる。

 目の前には、リル・マンティスの上気した顔。

 優しそうなお姉さん風の表情は、嗜虐の愉悦で染まっている。

 優越に満ちた表情で、快楽に喘ぐ少年の顔を見下ろしているのだ。

 「どう、リル・マンティスとの交尾は?」

 「っ、ああ……」

 じわじわとペニスを締め上げられ、少年はエリヴィラの問いに答える事もできない。

 「言葉もないようね。さあ、快楽を受け入れて、リル・マンティスの中に屈服の証を注ぎ込みなさい」

 「う、あ…… ぐ……」

 リル・マンティスの生殖の孔に自らの男性器を包み込まれ、精液を吐き出させるべく甘い刺激を受ける少年。

 そんな彼の中に、もう一つの本能が生まれていた。

 人間として、他の種族との性交は受け入れられないという感情。

 このままリル・マンティスという人外の女性の卵管内に射精して、子供を作ってしまう事への恐怖。

 

 「……我慢しているの?」

 エリヴィラは、楽しげに口元を歪ませた。

 「人間だから、人外の女なんかにイかされたくない? 面白い…… その自尊心、粉々にしてあげる。

  リル・マンティス、腰を使わずに中の動きだけで搾り出してあげなさい」

 「……」

 少年を見下ろしたまま、リル・マンティスは不適な笑みを見せた。

 それと同時に、ペニスが包み込まれている卵管内部の感触が変化する。

 「うぁ……! し、締まる……!」

 柔らかい肉が丹念に絡み付き、巧みにペニスを締め上げてきたのだ。

 そんな圧迫を受けながら、亀頭やカリなどの性感帯にはひくひくと蠢く刺激が与えられる。

 「かは……! あ、く……!」

 身体をよじらせて、快楽から逃れようとする少年。

 しかしリル・マンティスは彼にのしかかって組み敷き、逃げる事すら許さない。

 狭い肉洞は容赦なく締まり、少年に快楽の悲鳴を上げさせていた。

 「あ、あ、あぁぁ――ッ!!」

 「ふふ…… 最高の快感の中で、敗北感にまみれながら精液を搾り出されなさい」

 きゅっ、きゅっと断続的に締め上げてくるリル・マンティスの卵管。

 ただきつく圧迫されるのではなく、じわじわと絡みつくように締められているのだ。

 少年にそんな性感を与えながら、にやにやと嘲笑うリル・マンティス。

 蜜壷の中で、じわじわといたぶられている――少年は、そんな感覚を味わった。

 

 「どう? 天国でしょう。そのままたっぷり中で漏らして、孕んでもらいなさい」

 「い、いやだぁ……」

 くちょ、くちょくちょ……

 「ああうッ!」

 亀頭が断続的に締め上げられ、少年は身を反らして悶えた。

 うずきにも似た感覚が、ゆっくりと股間に広がっていく。

 少しでも気を抜けば、たちまち射精してしまいそうだ――

 「そろそろ限界みたい。リル・マンティス、とどめを。

  強制的に搾り取られる快感と屈辱、存分に味あわせてあげなさい」

 「……」

 リル・マンティスは頷くと、一気に卵管内部を締め付けてきた。

 「うぁ…… ああああぁぁぁぁぁッ!!」

 ぎゅうううぅぅぅぅぅぅぅぅッ!!

 男を悦ばせるためだけに存在する肉洞に締め上げられ、少年の快感は頂点に達する。

 許容できる以上の快感を強制的に塗り込められ、そして弾けた。

 どく、どくどくどく……!

 尿道口から白濁液がドクドクと溢れ、卵管内を満たす。

 少年は表情を緩ませながら、リル・マンティスの中で果てた。

 強制的な刺激に屈服させられ、惨めにも射精にまで導かれたのだ。

 

 「……」

 勝者の愉悦を込め、嗜虐的な笑みを見せるリル・マンティス。

 少年の屈服の証は卵管を通って吸い上げられ、そして彼女の中で受精する。

 「あ、ああぁぁ……」

 屈辱感と敗北感、そして満足感を味わい虚脱する少年。

 一方的な生殖が終わってもなお、少年のペニスは萎えず卵管内に収まったままだ。

 そんな交尾の一部始終を眺めながら、エリヴィラは口元を歪ませた。

 「リル・マンティスの受精から産卵までは、ほとんど間がない……

  あなたは、まだまだ悦ばせてもらえるわ」

 「え……? うあッ! なんだ、これ……!?」

 不意に、卵管内がうにうにと蠕動を始めた。

 そのうねりに巻き込まれ、ペニスを揉み立てられているかのような感触を味わう。

 「いい…… き、気持ちいい……」

 「いくらでも出していいのよ。好きなだけ漏らしなさい」

 「あ、あああぁぁ……!」

 もう受精してしまったのだから、我慢しても仕方が無い――

 そんな諦めと、不規則に揉み立てられる甘い快感。

 少年は抵抗の気力を失い、ただ快楽に押し流されて――

 

 じゅる、じゅるるるるるるる……

 

 「え……!? なに、これぇ……!?」

 卵管に包み込まれている少年のペニス、そこに何か粘つくモノが浴びせられた。

 それはじゅるじゅると絡み付き、独特の感触を生み出す。

 卵管内は、たちまちその粘体で満たされてしまったようだ。

 狂おしく纏わり付く、甘い甘い快感――

 「うぁ…… ああああぁぁぁぁぁ!!」

 どく、どくどくどく……

 ペニス全体が奇妙な粘体にまとわりつかれ、少年はたちまち限界を迎えた。

 あっけなく二度目の射精に追いやられ、その粘体にたっぷりと精液を浴びせかけてしまう。

 「あ、ああぁぁ……」

 奇妙な感触の中、射精の快感に浸る少年――

 そんな彼のペニスとリル・マンティスの卵管の接合部から、泡のような粘体がじゅるじゅると溢れ出してきた。

 「な、なに……!?」

 その異常に、たちまち驚愕の表情を浮かべる少年。

 泡のようなものは大量に溢れ出し、仰向けのまま交尾させられてる少年の股間を包んだ。

 それは陰嚢や太腿にも垂れ、彼の腰はたちまち大量の泡にまみれたようになる。

 この粘体は、リル・マンティスの卵管内を満たし、少年のペニスにまとわりついているものでもあった。

 「それが、リル・マンティスの卵。カマキリの卵というのを見たことはない?

  木の枝に、まるでサナギのように産み付けられているでしょう」

 「……!?」

 カマキリの卵なら、何度も目にした事があるが……

 自分の腰を包み込んでいるこの泡が、リル・マンティスの卵?

 「あなたは、木の枝の代わり。そのまま卵が孵化するまで、栄養を注ぎ込み続けるの」

 「え、栄養……?」

 腰を浮かせようとした瞬間、少年は恐ろしい事に気付いた。

 白い泡に覆われていた彼の腰…… その泡の表面は、すでに固まっていたのだ。

 その内部は、じゅるじゅるの感触を股間全体に与え続けているが。

 「ま、まさか…… ああぅッ!!」

 ちゅぽん、と卵管から少年のペニスが抜かれた。

 しかし彼の生殖器はリル・マンティスの卵に覆われ、じゅるじゅるの感触を与え続けられている。

 まるで、少年の射精を促すように――

 

 「理解したみたいね。リル・マンティスは搾精蟲、その娘達の孵化に必要な栄養というのは人間男性の精液。

  あなたはそのまま彼女達が孵化するまで、卵の中に精液を注ぎ込み続けるの」

 「そ、そんな…… うぁッ!!」

 じゅるるるる……

 内部の卵が少年のペニスに絡み付き、じゅるじゅると刺激する。

 その甘美な感触に、少年は表情を歪ませた。

 「まだ産まれてもいない娘達に弄ばれ、搾精される…… これほどの屈辱はないでしょう」

 エリヴィラはくすくすと笑う。

 「は、はぅ…… やめて、出ちゃうよぉ……」

 股間を覆う卵の外側は完全に固まり、もはや快楽から逃げる術はない。

 その内部ではじゅるじゅるの粘体がペニスにまとわり付き、巻き付いて締め上げている。

 「はぁ…… あ、あぁぁぁぁ……!!」

 どくん、どくどくどく……

 たちまち快感が限界を超え、少年はリル・マンティスの卵に包まれながら果ててしまった。

 内部に溢れた精液は、卵に吸収されて栄養となるのだ。

 「まだまだ快楽を与えてもらえるから、存分に出しなさい。卵が孵化するまで、あと一週間はあるから」

 「な……!? そ、そんなの……!」

 少年の驚きの言葉は、リル・マンティスの唇によって強引に封じられた。

 そして彼女は、口移しに唾液を含ませてくる。

 「んむ…… んんんんっ……」

 思わず、その甘い唾液を嚥下する少年。

 「一週間、あなたの面倒はリル・マンティスが見てくれる。

  彼女の唾液は、人間を問題なく生かすだけの栄養が含まれているから……」

 「あ、あぅぅぅ!!」

 そうしている間にも、リル・マンティスの卵はペニスを刺激し続けている。

 粘体に絡み付かれ、弄ばれる刺激にまたもや少年は絶頂した。

 彼の表情が快楽で緩み、容赦なく精液を啜られる感覚に身をわななかせる。

 「うぁ、あああぁぁぁ……」

 「順調に搾り取られているみたい。たっぷり射精して、存分に栄養をあげなさい」

 エリヴィラはくすりと笑い、そしてふわりと背を向けた。

 「では、ごゆっくり。この部屋に結界を張ったから、永遠に邪魔は入らない」

 「ま、待って…… たすけ……あうッ!」

 どく、どくどくどく……

 ペニスを包み込まれ、じゅるじゅるの責めを強制的に味あわされる少年。

 そんな彼の身体を、リル・マンティスは慈しむように舐め回している。

 ぐじゅぐじゅの粘体に絡みつかれ、容赦なくペニス全体を刺激される快感――

 少年は身体を震わせながら、その快感に屈して何度も何度も射精した。

 

 「一週間後…… リル・マンティスがあなたを気に入れば、また生殖の相手にしてもらえる。

  でもリル・マンティスがあなたを価値のない存在とみなしたら…… あなたは彼女と娘達の肉餌となるわ」

 「そ、そんな……! あああぁぁぁ!!」

 快楽の悲鳴を上げる少年を尻目に、エリヴィラはそのまま姿を消した。

 残されたのは、狂い悶える少年とリル・マンティスのみ。

 哀れな獲物の股間は白い泡のような卵で覆われ、その内部ではペニスが蹂躙されている。

 「あ、ああああぁぁぁぁぁぁ……!!」

 少年は喘ぎながら、何度目か分からない精液をその内部に噴き上げた。

 妖しい快感と、この先に訪れるかもしれない恐怖で狂い悶えながら。

 たまたま、エリヴィラに目を留められた――それは不幸か、それとも幸運だったのか。

 

 

 こうして獲物を存分に弄び、エリヴィラは闇へと消えていった。

 彼女の今宵の遊戯は終わり、また翌晩には新たな慰み者を探す。

 自慰で快感に浸る愚か者を、蟲で陵辱する――

 そんな千蟲姫エリヴィラによる遊戯は、毎晩のように行われているのである。

 今宵の千蟲姫の玩具は、あなたかもしれない――

 

 

 



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