水責め器


 

 この牢に全裸で監禁されて一週間――

 青年は、食事を運んでくるメイドから大体の事情を聞いていた。

 

 ここは魔界で、この城の女城主は人間ではない――

 そんな事は、鉄格子が施されている窓の外の景色を見れば分かる。

 紫色によどんだ空に、空を舞う怪鳥。

 ここが、人間の住む世界であるはずがない。

 

 そして、美貌の女城主は拷問を楽しんでいるのだという。

 この城に捕らわれた者は遊興のままに弄ばれ、死を迎えることになるのだとか――

 さらに、メイドがうっかりそういう情報を漏らしているとは考えられない。

 おそらく、その女城主の指示によって情報を与えられているのだ。

 その理由は明らか。怯える人間を拷問に掛けて楽しむため――

 

 

 「今日はあなたの番です。どうぞこちらへ……」

 ――いよいよ、その時がやってきた。

 正直、自殺しようと考えた事もあった。

 しかし、もしかしたら自分だけは助かるかもしれないという都合のいい願望にすがり、実行は出来なかったのだ。

 青年は牢から出され――そして、底に車輪のついた猛獣用の檻に入れられる。

 メイドはその檻をガラガラと押し、地下牢を出た。

 その向かう先は、女城主の待つ地下の遊興部屋。

 ふと、メイドは口を開いた。

 「マルガレーテ様は、これより行われる拷問に耐え切れれば貴方を逃がしても良い、とおっしゃっています」

 「えっ……!?」

 彼女の言葉に驚愕する青年。それは本当なのか? 信じていいのか?

 拷問に耐え抜けば、生きてこの城を出られる……!?

 「そ、それは本当に……!?」

 「ええ。過去には、拷問に耐え切ってここを出た方もおられます」

 メイド――エミリアは思い返す。

 かつて、拷問の最中に自らの陰茎を切り落とした男がいた。

 彼はその覚悟をマルガレーテに評価され、救急処置が行われた上で釈放されている。

 そんな壮絶な事情を、青年はつゆ知らない。

 「そ、そうなのか……!」

 彼は、拷問を耐え切る決心をした。

 何としても、生きて帰ってみせる――

 

 巨大な扉を開け、檻に入れられた青年は地下室に連れて来られた。

 その部屋の真ん中には、一人の華奢な少女が立っている。

 豪華なドレスに身を包んだ、凄絶なまでに綺麗な少女が――

 そして同じ部屋には、いくつか奇妙なものが見えた。

 台に置かれた30cm四方の水槽? その壁面には、一箇所だけ直径5cmほどの穴が開いている。

 水槽の中には何も入っていないが、そのフタの真ん中には注水口のようなものがついていた。

 その注水口に直結する形でパイプが伸び、部屋の隅にあるタンクへと繋がっている。

 あのタンクの中のものが、水槽に注がれる仕組みなのか?

 

 そして、部屋にもう1人。10歳ほどの幼い少年がいる。

 「ぐす…… ぐす……」

 少年は全裸で、床に三角座りでしゃがみ込んで泣きじゃくっていた。

 どうも、彼も今ここに連れて来られたばかりらしい。

 一体、ここで何をしようとしているんだ――?

 

 「ふふ…… 今夜の拷問の主役は貴方。この子は、貴方の受ける責めを少しばかり味わうだけ……」

 マルガレーテは青年を見据え、妖艶な笑みを見せた。

 「ご、拷問……!」

 青年は唾を飲み込む。

 彼をこの部屋に導き入れたメイドは、目立たないよう壁の傍に移動していた。

 マルガレーテは、つかつかと進んで少年の背後に立つ。

 「ぐす、ぐすっ…… お、お姉ちゃん……?」

 ぐいっ、とマルガレーテは背後から抱きすくめるように少年の太腿を掴んだ。

 三角座りの体勢のまま少年はマルガレーテに抱き上げられ、そのまま強引に足を開かされる。

 俗に言う、M字開脚の状態だ。

 ウィンナーのような小さなペニスが、ぴこぴこと作り物のように揺れた。

 「な、何するの……? お姉ちゃん……」

 少年は、不安げな瞳を背後のマルガレーテに向ける。

 まるで、幼児が母親に抱っこされているかのよう――

 「ふふ、とっても気持ちいいことよ……」

 マルガレーテは少年を抱え上げたまま水槽に向かう。

 そして、少年のペニスを水槽の脇に開いていた穴に入れた。

 少年の体は、M字開脚のままマルガレーテによって水槽にぴったりと押し付けられている。

 その小さなペニスだけが、壁面の穴を通じて水槽内に露出していた。

 「では、エミリア」

 「……はい」

 水槽のフタに取り付けられた注水口から伸びるパイプ――それに繋がっているタンクに歩み寄るメイド。

 そして彼女は、タンクについているスイッチを押した。

 ブ――――ン……という作動音が響き、パイプの中を何かがごぽごぽと通過していく。

 まさか、あの注水口から酸の類が……! それで、水槽内が満たされるのか?

 これが、拷問……!?

 

 「お姉ちゃん、怖いよぉ……」

 鳴動するタンクに、奇妙な液体がごぽごぽと通過していくパイプ。

 少年は、すがるような目で背後のマルガレーテを見上げる。

 「大丈夫よ。おちんちん、たっぷり可愛がってもらいなさい」

 

 とろ〜〜り……

 注水口から、グリーンの粘液が滴り落ちてきた。

 その奇妙な粘液は、ねっとりと糸を引きながら少年のペニスの上に垂れる。

 「ふぁ……!」

 たちまち少年の表情が歪んだ。

 あれは苦痛ではなく、むしろ陶酔――?

 「お、お姉ちゃん……! お、おちんちんがぁ……!」

 「あらあら、おちんちんどうしたの?」

 くすくすと笑うマルガレーテ。

 少年は、怯えと未知の感覚が混ざった目で、グリーンの粘液に浸される自らのペニスを見ている。

 そのウィンナーのような幼い肉棒には、あちこちに粘液がねっとりと付着していた。

 その粘液は小刻みに蠢き、ペニスの表面を這っている。

 

 「な、なんなんだ、あれ……」

 目の前で繰り広げられる痴態に圧倒されながら、青年は呟いた。

 「あれは、ジェリー。スライム族の搾精液体生物の一種。形態は自在で、あんな風にペニスを責め嫐って男性の射精を誘います」

  静かに壁の傍に立っていたメイドは、青年に向かって解説する。

 「基本的に大人しいスライム族でありながら、ジェリーは獰猛で貪欲。さらに彼女達は、肉食なのです」

 「に、肉食……?」

 青年は、快感に喘ぎながら手足をじたばたさせる少年を見据えた。

 当然ながら、マルガレーテはしっかりと少年の体を抱え上げ、水槽に押し付けたまま。

 少年の弱々しい力で振りほどく事など不可能である。

 「お姉ちゃぁぁぁぁん! お、おちんちんが…… ねとねと…… あああぁぁぁぁぁ……ン」

 性感を表現する語彙を持たず、少年は涙目で快感を訴え続ける。

 注入口からはだらだらとジェリーが垂れ、水槽の底に溜まり始めていた。

 少年のペニスも下半分がジェリーに浸かっており、その水面はぐにゅぐにゅと波打っている。

 これだけの快感を受けて射精に至らないのは、単に少年の性機能が未熟だからであった。

 そして少年は、人生で初めての射精を経験しようとしている――

 

 「おちんちん、ぬるぬるしないでぇ…… おしっこぉ…… おしっこ、もれちゃうよぉぉぉ……」

 「ふふ、漏らしちゃいなさい。白いおしっこ……」

 マルガレーテは水槽に少年の腰を押し付け、逃げる事を許さない。

 そして妖しげな粘液にまとわり付かれる少年のペニスを凝視する彼女の目は、とてつもなく艶っぽかった。

 あんな目で見られたら、それだけでも射精してしまいそうな――

 いつしか、その痴態を見守る青年のペニスは完全に隆起していた。

 

 「ふぁぁぁぁぁ……! だめぇぇ……  お姉ちゃん、お姉ちゃん……!」

 少年はじたばたともがき、未知の感覚に悶え喘ぐ。

 ジェリーに浸され、にゅるにゅると扱かれる肉棒。

 「おもらししてもいいのよ。さあ、お出しなさい……」

 「恥ずかしいよぉぉ…… ん、んんんんんッ! お姉ちゃぁぁぁぁぁん!!」

 少年のペニスがひくひくと震え、そして白濁した粘液がぴゅっぴゅっと噴き出した。

 その精液の粘度は極めて高く、断続的に尿道口から溢れ出る。

 「あ、あ、あ……!!」

 少年は全身を痙攣させながら、初めての絶頂に表情を歪ませた。

 ジェリーは精液の排出を促進するかのようにペニスに絡み付き、ねっとりと包み込む。

 「ぁ、はぁぁ……!!」

 とうとう快感の余り声も出せず、少年はただ精液を吐き出しながらビクビクとうち震えた。

 半開きになった口から、一筋のヨダレがたらりと垂れる。

 まるで絞り尽くされるように、少年の一回目の射精が終わった。

 彼が始めて放った精液は、全てジェリーに吸い上げられてしまったのだ。

 

 「ふふ……精通ね。どう? 気持ちよかったでしょう?」

 「お、おねぇ…… ちゃぁぁぁん……」

 少年は息を荒げながら顎をがくがくと震わせる。

 ジェリーは徐々に水槽に溜まり、少年のペニスをほとんど水没させていた。

 その緑色の粘液は、にゅるにゅると幼い肉棒を刺激し続けているのだ。

 「ふぁ、ぁぁぁぁぁ……! おちんちん溶けちゃうよぉぉぉ……」

 少年は涙を流しながら、ヨダレを垂らし続けている。

 そんな様子を、青年は呆然と凝視していた。

 「あの責めを、次は貴方が受ける事になります」

 そんな青年に、メイドは告げる。

 「あ、あれを……!?」

 青年は初めて自分の身に降りかかる事柄に思い至り、身震いした。

 「あ……! あ――!! ふぁぁぁ――!!」

 鼻に掛かる声で絶叫する少年。

 その手足がじたばたと蠢くが、マルガレーテは容赦なく腰を水槽に押し付けたまま。

 妖艶な表情で、残酷なまでに精液を搾られる少年を眺めている。

 水槽の半分ほどにジェリーが溜まり、少年のペニスは完全にグリーンの粘液に浸されていた。

 あの中で、身も世もない快感を味あわされているのだ。

 

 「ひ、ひどい……」

 青年は呟いた。

 「エミリア、解説を」

 マルガレーテは快感に悶える少年を堪能しつつ、従者であるメイドに指示を出した。

 「はい……」

 メイドは主人に向かって軽く頭を下げると、壁のスイッチを押した。

 床から、少年を責め嫐っているものよりも一回り大きい水槽がせり上がってくる。

 その四方は60cmほどで、10cmほどのペニス挿入用の穴が空いていた。

 やはりフタの真ん中には注水口があり、部屋の隅のタンクに繋がっている。

 ただ異なる点は、水槽の外周にベルトが設置されていること。おそらく、腰の固定用。

 そして最も異なるのは、水槽の右横に用途不明の回転式レバーがある事だった。

 「……これが、貴方を拷問する水責め器となります」

 メイドは、淡々と告げる。

 「う、うぁ……」

 青年は、自分用に用意された異様な責め具を見て戦慄した。

 あれで、地獄のような快感を味あわされる――

 恐怖と絶望に反し、彼のペニスは勃起したまま。

 それは、これより与えられるであろう壮絶な快感を期待しているという事を意味していた。

 

 「ぁ……! ッ……!」

 唾液も涙も垂れ流しの少年は、マルガレーテに抱き上げられたまま数十回目の絶頂を迎える。

 少年はもはや、びくびくと痙攣するのみ。

 「……最高の精通だったでしょう。ふふ……」

 マルガレーテは笑うと、快感の余り意識を失ってしまった少年を水槽から離した。

 水槽内を満たしていたジェリーはごぽごぽと注水口に戻っていく。

 そしてマルガレーテは、その腕で抱きかかえていた少年をエミリアに渡した。

 「では、後は私が」

 マルガレーテが短く告げると、エミリアは少年を抱えたまま一礼して部屋から出て行く。

 「ふふ…… 責めの内容は分かったでしょう。腰をしっかり固定されて、おちんちんは水槽の中――そこに、ジェリーを注がれる……

  ジェリーは貪欲だから、おちんちんをたっぷり可愛がってもらえるわ」

 「い、いやだ…… そんなの……」

 自分は、本当に嫌がっているのか?

 青年は、隆起する自らのペニスが目に入って自問自答した。

 「でも、言ったわね。貴方には助かる道があると――」

 マルガレーテは、そんな青年の葛藤をも理解しながら告げる。

 「それが、あの水槽の脇のレバー。あれを手動で回転させると、徐々に水槽内の液体が排出される仕組みになっているの」

 「えッ……!?」

 青年は驚愕の表情を浮かべた。

 「つまりあのレバーを回し続ければ、水槽内のジェリーを外に出せる……?」

 「その通り。でも、貴方のおちんちんの上にはジェリーが垂らされ続けるわ。

  その快感に負け、レバーを回すのを止めてしまったら……ふふっ」

 マルガレーテはくすくすと笑う。

 「拷問はきっかり30分。それまで頑張り抜いたら、貴方を自由にしてあげる。

  でもジェリーが蓋の部分まで溜まってしまった場合――貴方の命は絶たれる事になるわ」

 「……」

 理屈は理解した。その快感に耐え切れば――

 幼いペニスにジェリーを垂らされ、悶え狂っていた少年を思い出す。

 あんな快感を浴びせられて、耐えることなど出来るのか……?

 

 「これが遊戯のルール。今からそういう趣向で楽しんでもらおうと思ったのだけれど――」

 マルガレーテは檻を開ける。

 まるで憑かれたように、青年はふらふらと檻から出た。

 「――貴方が、余りにもあの子を羨ましそうに見るのものだから、気が変わってしまったわ」

 「……え?」

 青年は何故か息を呑んだ。

 地下室で、か弱い女性と2人きり。自分は裸であるものの、何の拘束もない。

 それでも、逃げようとか女性を倒そうとかは一切思わなかった。

 絶対に、この女性には逆らえない――そんな感情が青年を支配している。

 「ふふふ…… あの子のようにしてあげましょうか?」

 「あの子のように?」

 青年は、マルガレーテの言葉をオウム返しに口走る。

 「あの子みたいに恥ずかしい格好で私に抱きかかえられて、おちんちんをジェリーに浸されるの」

 「……!?」

 青年は、あの屈辱的な体勢を思い返していた。

 背後から抱きすくめられ、足をみっともなくM字に広げられて……

 あの少年と、全く同じ事をしてもらえる――!?

 

 「い、イヤだ…… 自由になりたい……」

 それでも青年は、誘惑を振り切ってマルガレーテの提案を拒絶した。

 快楽の拷問に耐え、この城から脱出してみせる……!

 

 「分かりました。頑張りなさい……ふふふ」

 マルガレーテはうっすらと笑みを見せ、青年を水槽の前にまで引き寄せた。

 彼のペニスは、ずっと勃起したまま。

 「では、この穴におちんちんを……」

 「は、はい……」

 マルガレーテの言葉に従い、青年は水槽の穴にペニスを挿し入れる。

 その腰はベルトで水槽にしっかりと固定され、腰を引いて逃げる事もできない。

 マルガレーテはつかつかとタンクの横まで歩み寄り、そのスイッチに指を掛けた。

 「覚悟はよろしくて? では、これより拷問を始めますわ」

 「う、うぁ……!」

 胸が高鳴り、息が荒くなる青年。

 マルガレーテは、タンクのスイッチを押した。

 

 ブゥゥゥゥゥゥゥ――ン……

 

 思い作動音が響き、パイプの中をゆっくりとジェリーが流れていく。

 そのグリーンの粘液は水槽のフタの部分まで達し――そして、たらりと青年の亀頭の上に垂れた。

 にゅるっ……と粘液が亀頭に滑る。

 「うぁ…… あぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!」

 その異様なまでの快感に、青年はあられもない声を上げた。

 亀頭にへばり付く粘着的な快感、それが皮膚を伝わって下へと流れて行く。

 「あぁ…… こ、こんなの……ッ!」

 グリーンの粘液が亀頭を這うところを凝視しながら、青年は口をぱくぱくさせた。

 腰を引こうにも、しっかり固定されていてぴくりとも動かない。

 こんなものにペニスが丸ごと浸かったら、狂い死にしてしまう――

 

 「あらあら、いいのかしら? レバーを回さないと、すぐにジェリーが満たされてしまうわ」

 「は…… うぁ……」

 青年はレバーに震える手を伸ばすと、快感と戦いながらゆっくりと回し始めた。

 その間にも、ジェリーはぽたぽたと亀頭に垂れ続けている。

 ぽたり…… ぽたり…… ぽたり……

 「は……ッ! あがぁ!! あああッ!!!」

 ペニスに粘液がぬるりと滴るたび、青年は背筋を反り返らせて悶えた。

 そうなるごとに彼の手はレバーから離れ、じわじわと水槽内にジェリーが溜まっていく。

 「あ……! だ、ダメだぁ……!」

 青年は慌ててレバーを掴み、グルグルと回した。

 底に溜まりそうになっていたジェリーは、ごぽごぽと排出される。

 

 「ふふ、頑張るのね…… でも、まだ1分しか経っていないわ」

 「う、うぁ……」

 気が遠くなる青年。あと29分も、この拷問を――!?

 ペニスにはどぷどぷとジェリーが垂れ、甘く溶かすような快感を与えてくる。

 「ああ、ああぁぁ……!」

 レバーを回す手が、ぴたりと止まってしまった。

 頭の中が真っ白になる。

 脳が悦楽に染まり、腰で快感が渦を巻く。

 出口を求めて精液が溢れ、ペニスの内部を伝わる――

 

 「うぁ、ああああああぁぁぁぁぁぁッ!!」

 どく、どく、どくどく……

 亀頭にまとわりつくグリーンの粘液、その刺激に青年は屈服した。

 白濁液が尿道口から断続的に溢れ出し、ペニスを濡らす粘液に吸収されていく。

 青年は腰を震わせ、射精の快感を満喫した。

 ドクドク精液を迸らせている間にも、ジェリーはとろとろと亀頭に垂れ続けている――

 

 「あ……! そ、そんな……!!」

 快感で陶酔していた青年だが、自身のペニスに垂れるグリーンの粘液を見て我に返った。

 悦んでいる場合じゃない、レバーを回さないと……!!

 青年は勢いに任せてレバーをぐるぐると回す。

 射精すること自体にペナルティーはない。しかし、射精の快感を味わうことで致命的なタイムロスが――

 必死に回しているにもかかわらず、水槽に注がれたジェリーを全て排出する事はできない。

 そして、またしても快感で腕の動きが鈍り始めているのだ。

 

 ぬる、ぬるるる……

 水槽の底に溜まり始めたジェリーが、ペニスの裏側を刺激してくる。

 「あ……は、あ……!」

 裏筋の部分にぐにょぐにょとまとわりつく粘液。

 青年は快感に襲われ、またしてもレバーから腕を離してしまった。

 「ああぁ…… 気持ちいいよぉ……」

 上からたらたらと垂れるジェリーと底に溜まったジェリーが連結し、亀頭がグリーンの粘液に覆われた。

 優しくいたぶるように締め付けられ、青年の顔が陶酔に染まる――

 「で、出る…… うぁ…… あぁぁぁ……!」

 どく、どくどくどくどく……

 ジェリーに包まれながら、青年は再び果てた。

 精液はジェリーに吸われ、彼は亀頭を啜られる快感を味わう。

 レバーから完全に手を離し、腰をガクガクと揺さぶりながら――

 

 「ふふ、良いのかしら? 生きてここから出るのではなくて?」

 射精の快感が抜ける頃を見計らって、マルガレーテは声を掛けた。

 「そ、そうだ……! あ、ああぁぁ……!」

 ぐじゅるるるるるる……

 青年は慌ててレバーに手を伸ばそうとする――そんな彼のペニスが、とうとう根元までジェリーに包まれてしまった。

 二度の射精の間に、ペニスがすっかり浸かってしまうほど水位が上がっていたのだ。

 ペニスを覆い込んだジェリーは、まるで弄ぶようにぐにゅ、ぐにゅ、ぐにゅと締め付けてきた。

 「は……! ああぁぁ……!」

 レバーを掴もうとしていた青年の腕が空を切り、そのままだらり垂れ下がる。

 青年の体からはみるみる力が抜けていった。

 ペニスを貪るジェリーを緩んだ表情で眺めながら、力無く喘ぎ体を震わせる。

 もはや青年は、快感を味わうこと以外を放棄してしまった――

 

 「ふふ、堕ちてしまったのね――」

 マルガレーテは懐中時計を見た。

 4分の時が経過している。それなりにもった方だ。

 「――これより後は、めくるめく快楽を愉しみなさい」

 

 「ああ…… うぁぁぁぁぁぁぁッ!!」

 にゅちゅ…… にゅちゅちゅちゅちゅ……

 すでに水槽の2/3の水位まで至ったジェリーにペニスを包まれ、青年は快感の悲鳴を上げる。

 密度の濃い粘液の中で激しくシェイクされ、締め上げられ、扱き上げられ――

 青年はヨダレを垂らし、快楽の階段を昇り詰めていった。

 「いい……! イくよぉぉ……!」

 ペニスがひくひくと震え、グリーンの粘液の中にどぷどぷと白い液が射出される。

 その間にも水位は上がり続け――そして、とうとうフタの部分にまで達した。

 

 ぴき、ぴきぴき……!

 水槽にヒビが入り、そして一気に砕け散る。

 大量のジェリーがぬらぬらと溢れ出し、青年の方に流れ出した。

 「うぁ……! あぁ……!」

 青年はそのまま床に崩れ、その体の上に流体状のジェリーがのしかかっていく。

 特に、青年の腰の部分を中心にジェリーが集まり――

 「え……? な、なに……!?」

 みるみる、グリーンの女性の体が形成されていった。

 まるで、青年の腰の上に騎乗位でまたがっているような――

 「あ、あああぁぁぁぁぁぁッ!!」

 青年のペニスは、女性の形となったジェリーの股間に包まれた。

 くちゅくちゅと断続的に締め上げられ、カリや尿道口にまとわりつかれて彼は限界を迎える。

 「うぁ、あああ……!」

 青年は、たちまちジェリーの中に精液を漏らした。

 自らの体内に放たれた白濁液を見下ろし、淫靡な笑みを浮かべるジェリー。

 彼女は、激しく腰を前後左右に振ってきた。

 粘液の飛沫が飛び散り、青年のペニスはじゅぷじゅぷとジェリーの体内でシェイクされる。

 じゅ…… ぐじゅ…… ぐじゅっ、ぐじゅっ、ぐじゅっ、ぐじゅっ……

 「それ…… き、気持ちいい……! あああぁぁぁぁッ!!」

 今までは水槽内で青年を軽く弄んでいたジェリーが、彼を本格的に犯している――

 青年はたちまち絶頂し、ジェリーの中に精液を吐き出した。

 その様子を、マルガレーテは愉悦に満ちた表情で眺めている。

 

 ぬる、ぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬ……

 ジェリーの下半身がぬらぬらと広がり始め、青年の全身をすっぽりと覆い込んだ。

 ペニスだけではなく、全身を搾り――彼は体の隅々まで温かい粘液に包み込まれ、全身を愛撫された。

 「うぁッ! あ――ッ!!」

 グリーンの粘液の中を泳がされているペニスからはどぷどぷと精液が溢れ、嫐り抜かれている。

 青年は、ジェリーの体内でひたすらに悶え狂った。

 余りの快感に、ペニスが溶けてしまいそうだ――

 

 快感に溺れている青年は、まだ気付いていない。

 彼を包み込んでいるジェリーの体内では、すでに消化が始まっているのだ。

 青年は搾精されながら消化され、絶頂を味わいながら溶かされていくのである。

 

 「いい、いい…… いいよぉぉ……!」

 どくん、どくどくどく……

 どろどろ、とろとろとろ……

 

 「ふふ…… 天国でしょう。ジェリーに全身を溶かされ啜られる快楽、たっぷりおあがりなさい」

 マルガレーテは、快楽の中で消化されていく青年に笑いかけた。

 その表情は快楽で歪み、もはや理性はとうに失われている。

 そんな青年の最期をじっくりと眺めながら、マルガレーテは存分に愉悦を味わった――

 

 

 一時間ほどの時間をかけ、じっくりと青年は消化された。

 ジェリーは彼を平らげてしまうと、タンクの中に戻っていく。

 彼女も、マルガレーテに飼い慣らされた僕なのだ。

 

 「さて……」

 マルガレーテはドレスの裾を翻し、部屋の隅で待機する女従者に呼び掛けた。

 「エミリア。次の者をここへ――」

 

 

 



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