誘拐魔ヒルフェレス


 

 「さて、これはかなりの上玉ね……」

 ヒルフェレスは、束になった依頼書をパラパラとめくった。

 「15歳、身長155cm、精の質はA+…… これに合致する依頼は……」

 ビルの屋上に腰掛け、数々の依頼書に目を通す彼女の横には一人の青年が転がっている。

 青年といっても、まだまだ少年の面影を残す15歳。

 彼は突然にヒルフェレスに襲われ、その尻尾でがんじがらめに縛られて拘束されたのだ。

 「う、うう……」

 今まで意識を失っていた青年は、徐々に覚醒し始めた。

 ここはどこだ? 一体、何が――

 

 「ごめん、もうちょっと寝ててね」

 ヒルフェレスは、床に転がっている青年の顔の部分を軽くまたいだ。

 そのまま、下着越しに秘部を青年の顔に押し付ける。

 

 もわぁぁぁ……

 サキュバス特有の非常に甘美な香りが、青年の鼻腔に吸い寄せられた。

 そのままヒルフェレスは青年の頭に太腿を優しく絡める。

 そして青年のジーンズの上から、怒張しているペニスに手を伸ばした。

 指先と掌で、ペニスをくりくりと軽くマッサージする。

 

 「ふふ…… もう少し眠っててね」

 「んむ……! うぁぁ……」

 魔性の香りに酔い、みるみる意識が遠くなっていく青年。

 同時に、彼のペニスからは精液が迸って下着を濡らした。

 青年はたちまち意識を失い、深い闇に落ちていく。

 

 「ホント、美味しそうな子……」

 どれだけ上質でも――いや、上質だからこそ商品に手を出すわけにはいかない。

 ため息をつきながら、ヒルフェレスは最も高く売れそうな売買先を探す。

 「ダークネス・ドリンクスか。この子はちょうど小柄だし、条件もいいわね……」

 ヒルフェレスは、とある企業の依頼書に目を留めた。

 ――よし、ここにしよう。

 『誘拐魔』は、青年の受け渡し先を決定した。

 

 

 

 「う〜ん……」

 どれくらい経っただろうか、青年はようやく目を覚ました。

 もう自分の運命は完全に定まってしまったことなど、知るよしもない。

 彼は、担架のようなものに寝かされていた。まだ、意識は朦朧としている。

 

 「ここは、公園……?」

 青年は、ゆっくりと周囲を見回して呟いた。

 周囲には木が茂り、暖かな日光が差し込んでいる。

 若い女性が何人か、辺りを散歩していた。

 どの女性にも、コウモリのような羽根や尻尾が――

 「あ、あれ……?」

 青年は、自分の体が担架の上で拘束されていることに気付いた。

 しかも、全裸だ。

 これは一体――!?

 

 「な、なんだ……!?」

 たちまち覚醒し、青年は再度周囲を見回す。

 目の前では、一人の若い女性が自動販売機のような機械を整備していた。

 いや、これは間違いなく自動販売機だろうが――何かおかしい。

 それはお金を入れてボタンを押すと、自動的に出てきた紙コップにジュースが注がれるタイプだ。

 硬貨の投入口や紙コップの取り出し口は見えるが、ボタンはたった一つ。

 しかもジュースやコーヒーの見本がずらりと並んでいるはずのところには、何もない。

 ただ透明な窓があって、自動販売機の中身が見えるようになっている。

 また紙コップ取り出し口の少し上には、拳ほどの大きさの丸い穴がぽっかりと開いていた。

 

 女性は淡々と自販機の中に紙コップを詰め、作業を続けている。

 やはり、彼女にも羽根と尻尾が……

 「あ、あの……!」

 青年は、作業中の女性に声を掛けた。

 「気付かれましたか。ちょうどこちらも、最後の部品以外のセットが終わったところです」

 くるりと振り向いた女性は、青年の予想よりも若く美しかった。

 

 「よっと、失礼しますね……」

 女性は、青年の拘束されている台を彼の体ごと持ち上げた。

 そして自動販売機の前の部分を開き――

 なんと、青年の体をその自販機の内部にセットした。

 「な、何するんです……!?」

 「貴方は、この自販機の部品なんです。私はメンテナンス係のリーナ、契約により1年間メンテナンスを行うのでよろしく」

 そう言いながら、リーナと名乗った女性は青年の首をしっかりと自販機内に固定する。

 その自販機は、まるで最初から中に人間が入るよう設計されているようだ。

 彼の体は自販機にぴったりフィットし、拘束を解かれても身動きができなくなる。

 

 「ちょっと、何これ……!?」

 騒ぎ立てる青年を無視し、リーナは黙々と作業を実行していく。

 彼を自販機に押し込め…… そして、股間に牛乳ビンのような器具を取り付けた。

 ペニスに装着された器具にはパイプが伸び、自動販売機の紙コップ取り出し口の方に繋がっている。

 そして、リーナは自販機の前部扉をがちゃりと閉めた。

 青年は、完全に自動販売機の中に閉じ込められたのだ。

 

 「ちょっと、何するんだ! 出して……!」

 「では、12時間後に……」

 そう言って、リーナはおもむろにその場から去っていった。

 「おい、ちょっと!!」

 青年は怒鳴り続ける。

 ちょうど、彼の顔の高さの部分は透明なガラスになっていた。

 ここから外が見える――と同時に、外からも青年の顔が見えるはず。

 

 「……ど、どうなってるんだ……?」

 青年は、二つの不可解な点に気付いた。

 この公園を歩いている女性達――彼女達は、みな羽根と尻尾を持っているのはさっき気付いた。

 そんな彼女達は、みんな若い女性なのだ。

 女の子ならいる。少女もいる。だが、中年女性や年寄りはいない。そして、男の姿も全くない。

 これが、第一の不可解な点。

 

 第二の不可解な点――それは、誰も青年が閉じ込められている自販機を不思議に思っていないのである。

 この自販機の中から外が見える以上、外からも自販機内の青年が見えるはず。

 実際、この前を通る女性達と何度も目が合っている。

 それなのに、彼を助けようとするどころか驚いた風ですらない。

 これは、一体どうなっているのか――

 

 ふと、自販機の前で一人の若い女性が立ち止まった。

 ちょっとあどけない顔立ちだが、かなりの美人――というか、通行人は美女ばかりなのだが。

 彼女はポケットから小銭を取り出し、自販機に投入する。

 そして、ボタンを押した――

 

 ぷじゅっ…… うぃ〜〜〜〜〜ん……!

 「え……!? ああぁぁぁぁぁぁぁッ!!」

 青年のペニスに装着されていた機器が、いきなり作動し始めた。

 内部に収められた彼のペニスのあちこちをしゅぽしゅぽと揉み回しながら、バイブでの刺激を与えてくる。

 「き、気持ちいい…… なに、これ……」

 ペニスに浴びせられる快感に体を震わせた瞬間、自販機に硬貨を投入した女性と目が合ってしまった。

 彼女は、じっとこっちを見ていたのだ。

 快感に悶える青年の顔を、じっと――

 

 「ああ、見ないで…… 恥ずかし…… うぁぁぁッ!!」

 「ふふ……出して」

 女性は、淫靡な笑みを浮かべながら言った。

 まるで、彼女に犯されているような感覚――

 「うあッ! うぁぁぁぁぁぁぁっ……!!」

 どくん、どくどくどく……

 青年は腰を突き出しながら、ペニスに取り付けられた機器に精液をドクドクと放っていた。

 たっぷりと搾り出された精液はパイプを伝い、紙コップにぼたぼたと垂れる。

 女性はコップの取り出し口から、白濁液の溜まった紙コップを取り出した。

 「ふふ……」

 そして、青年に淫らな視線を送りながら飲み干してしまう。

 「ああ…… 僕の精液を……」

 青年の唇は、異様な興奮でぶるぶると震えていた。

 「ごちそうさま、美味しかったわ」

 精液を飲み干すと、女性は青年に一瞥して去ってしまった。

 

 「ど、どうなってるんだ……!?」

 快感の余韻に浸りながらも、青年は思わず呟いた。

 やはり、これは自動販売機なのか?

 すると商品は、僕の精液――?

 

 「あっ、新製品が来てる!」

 「可愛い〜 飲も、飲も!」

 今度は、女子高生らしき2人が自販機の前で立ち止まった。

 羽根と尻尾さえなければ、人間の女子高生とほとんど変わらない。

 可愛らしい制服に、無邪気そうな態度――

 

 「どうするリリィ。直搾りにする?」

 「今日は疲れてるからやめとく」

 「そうね、私も……」

 そう言いながら女子高生の一人が硬貨を投入し、ボタンを押した。

 その瞬間、再び股間の機器が作動を始める。

 「うぁぁぁッ!! ああぁぁぁぁぁッ!!」

 バイブでペニスに甘美な振動を送られ、青年は身悶えた。

 さらに、しゅぽしゅぽと妖しい蠕動が彼の肉棒を責め嫐る。

 「ふふ、感じてる感じてる……」

 「いっぱい出してね♪」

 女子高生2人にじっくりと見られ、青年にはたちまち限界が訪れた。

 「はぁぁぁッ! ああぁぁぁぁぁ……!!」

 どく、どく、どく……

 青年の放った精液はパイプを伝って紙コップに注がれる。

 女子高生の一人は、紙コップを取り出してごくごくと飲んだ。

 「温かい…… やっぱり搾り立てだね」

 「じゃあ、次は私ね」

 もう一人の女子高生も硬貨を投入し、ボタンを押す。

 ぷじゅっ…… うぃ〜〜〜〜〜ん…… しゅぽしゅぽしゅぽ……

 「ああぁぁぁ……! うわぁぁぁぁぁッ!!」

 たちまち青年のペニスは嫐り上げられ、女子高生達の眼前で射精させられた。

 精液はやはり紙コップに注がれ、女子高生の口に入る。

 「あは、ドロドロしてる…… 入荷したてなんだ……」

 「分かる、ボク? 君の精液、おねぇさん達が飲んじゃったんだよ?」

 二人ははしゃぎながら、青年の精液を飲み干した。

 「じゃあね、ボク。今度は直搾りしてあげるからね♪」

 女子高生の一人は、ぴこぴこと尻尾を振る。

 「バイバイ、またねー♪」

 二人は、そのまま自販機の前を去っていった。

 

 青年は、ようやく自分の陥っている状況を理解した。

 彼女達が自販機に硬貨を投入するたびに、彼は精液を搾り取られてしまうのだ。

 問題は、これがいつまで続くか――

 リーナは確か、12時間後って言ってなかったか……?

 

 「あら、新入荷?」

 自販機の前に、OLらしき女性が立ち止まった。

 彼女は、財布から取り出した硬貨を投入する。

 また、この機械にペニスが搾られる――青年は身構えた。

 

 「ふふ、直搾りしてあげるね……」

 しゅるしゅると、彼女の尻尾が伸び始める。

 その尻尾は紙コップ取り出し口の上に開いた穴に入っていき――

 「え、うわぁぁ……!」

 彼女のしっぽは、なんと自販機内に侵入してきた。

 同時に、彼のペニスに装着されていた牛乳ビンのような機器がかぽっと外れる。

 

 「な、な、何を……!」

 先端が矢印形になっている、典型的な悪魔の尻尾――

 青年は、そんな尻尾の先端に小さな穴が開いているのを発見した。

 その穴がぐにぃぃぃと広がっていく。

 その内部では肉壁が蠢き、粘液が滴って……

 直搾りって、まさか――

 

 「ふふふ、いただきます」

 女性がそう言うと同時に、尻尾の穴がにゅるりと青年のペニスを呑み込んだ。

 「うぁぁぁぁぁッ!! あああああああぁぁぁッ!!」

 狭く温かい、彼女の尻尾の中。

 そこで青年のペニスはぐにゅぐにゅに揉みしだかれ、極上の感触を味あわされた。

 ねっとり密着してくる肉壁がカリを嫐り、たちまち青年を高めていく。

 彼女の細い尻尾に、青年のペニスの形がくっきりと浮き出ていた。

 「あああぁぁぁ……! しっぽ…… 気持ちいいよぉ……」

 「ふふ、ありがと。いつでも出していいよ」

 ちゅぽ…… ちゅぽ……

 彼女の尻尾はうにうにと収縮して、吸い上げるような動きを開始した。

 「ああッ! ダメ、出るぅぅぅぅぅぅ……」

 どくん、どくどくどく……!

 その小刻みな吸引に青年は屈服し、たちまち白濁を噴き上げる。

 「出た出た…… 全部吸い取ってあげるね」

 ちゅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ……!

 女性は、尻尾で一気に精液を吸い上げた。

 青年のペニスはねっとりと吸引され、精液を出し尽くす。

 その尻尾内を断続的に精液がドクドクと伝わり、女性の体内に吸い上げられていった。

 

 「ふふ、美味しかった。また来てあげるね」

 そう言って、女性は去っていった。

 「あ、ああぁぁぁぁ」

 青年は女性の甘い搾精に骨抜きにされ、自販機内で弛緩していた。

 この責めは、一体いつまで続くのか――

 

 「……ん?」

 道の向こうから、小銭を握り締めた小さな女の子が走ってきた。

 まさか、こんな子供まで――

 「あ、新しいお兄ちゃんがいる〜」

 そう無邪気に言いながら、女の子は硬貨を自販機に投入した。

 そして、彼女の尻尾がしゅるしゅると自販機内部への穴に伸びる。

 こんな子供に、尻尾で犯されるなんて――

 

 「あうぅぅッ!!」

 少女の尻尾は、その先端の穴で青年のペニスをにゅるりと呑み込んだ。

 さっきの女性より狭く、中は非常にキツい。

 「出して♪ 出して♪」

 ずちゅっ、ずちゅっ、ずちゅっ……

 少女は歌うように催促しながら、リズミカルに尻尾を蠢かせてくる。

 その肉洞内は狭く、キツく絞るように青年の肉棒を責め嫐った。

 こんな女の子に、ペニスが……!

 「早くしないと、おちんちんいじめちゃうぞー♪」

 「ああぁぁぁぁッ!! うぁぁぁぁぁッ!!」

 尻尾の動きが、ますます執拗になっていった。

 ゆっくりと締め上げ、内壁がペニスを溶かすように絡み付く。

 こんな少女にペニスを弄ばれて、尻尾で犯されている――

 

 「う、うぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!」

 どくん、どく、どく、どく……

 青年は、女の子の凝視している前で大量の精液を漏らしてしまった。

 しかも、その少女の尻尾の中に――

 「あは、美味し……♪」

 「あ、ああぁぁぁぁぁ!!」

 女の子はドクドク溢れる精液をじゅぽじゅぽと尻尾で吸い上げる。

 こんな小っちゃな子に吸精されている――そんな興奮が、青年の体を震わせた。

 そして完全に搾り出してしまうと、女の子は青年に一瞥もせずに走り去ってしまう。

 彼は呆然としながら、その無邪気な後姿を見ていた。

 

 「あ、ああぁぁぁぁぁ……」

 青年は、その後も精液を搾り取られ続けた。

 ペニスに取り付けられた機器に嫐られ、時には尻尾で直接搾り上げられて――

 彼は身を震わせ、延々と不特定多数の女性に搾り続けられる悦楽を味わった。

 

 

 「定期メンテナンスです。排出物を吸い上げますね――」

 リーナは青年に食事を与え、その後に小便や大便をホース状の機械で吸い上げていく。

 その後は自販機の扉が閉められ、また自動販売機のパーツとなるのだ。

 

 ぷじゅっ…… うぃ〜〜〜〜〜ん……! しゅぽしゅぽしゅぽ……

 「ああぁぁぁぁぁッ!! うあぁぁぁぁッ!!」

 どくん、どくどくどく……

 今日も、彼は1枚の硬貨と引き換えに精液を搾り取られる。

 彼はもはや人間ではなく、自販機に取り付けられた精液排出機関なのだ。

 

 「やめてぇ…… ここから出してぇ…… こんなのイヤだぁぁぁぁ……!」

 うぃ〜〜〜〜〜ん……! しゅぽしゅぽしゅぽ……

 どくん、どく、どく、どく……

 

 

 『誘拐魔』のアダ名を持つヒルフェレスにさらわれた男は、精を搾り取られるだけの余生を送る事になる。

 貴族の搾精奴隷、飲食店などでのドリンク製造機、精液を用いた食品工場での機械パーツ……

 あなたがもし上質の精を持つ人間なら、いつヒルフェレスに誘拐されてもおかしくないのである――

 

 

 



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