二口女


       

       大学で知り合った美亜とマンションで同棲して、もう1年が経っていた。

       美亜はなんとも可愛らしく奥ゆかしい美人で、青年の自慢の彼女である。

       よく気が利き、家事が得意で、清楚で――彼女は非の打ち所がない女性であった。

       しかしそんな美亜に対し、青年はとある疑問を持っていたのである――

       

       「……ごちそうさま」

       とある朝。青年は朝食を終え、手を合わせた。

       向かいに座っている美亜は、相変わらず雀の涙ほどのご飯をちびちびと食べている。

       美亜は非常に小食であり、彼女がもそもそと少量の食事を取る様子も可愛らしい。

       「今日は2限から講義があるから、そろそろ行ってくるよ」

       そう言って、青年は美亜が食べ終わるのを待たずに腰を上げた。

       ちなみに美亜の方は、今日は講義を取っていない。つまり、ずっと家にいる事になる。

       「ええ、行ってらっしゃいませ……」

       美亜は、丁寧な口調で楚々と頭を下げた。

       彼女とどれだけ親しくなっても、この馬鹿丁寧な口調は改まらない。

       だが、それも美亜らしくて良いと青年は思っていた。

       「行ってきまーす!」

       そう元気良く告げ、彼は部屋から出た。

       

       

       「さてと……」

       青年は部屋から出ると、1階ではなくそそくさと屋上へ向かった。

       このマンションには、現在流行の構造欠陥がある。

       なんと屋上から、最上階の8階の天井裏へ行けるのだ。

       ちなみに、青年と美亜の部屋も8階にある。

       屋上から自分の部屋の天井裏に移動し、こっそりと下の様子を伺う――それが青年の魂胆であった。

       イタズラでも冗談でもなく、青年はとある疑問を解消したかったのだ。

       

       「……ここだな」

       青年は懐中電灯を点け、自分の部屋の真上に当たる場所を探し出した。

       微かに天井板をずらしておいたので、その場所はすぐに分かる。

       ここから、美亜が一人でいるときの様子を――

       

       青年には、ひとつ気になる事があった。

       彼が大学へ行っている際、冷蔵庫の食料がごっそりとなくなっているのだ。

       美亜が食べているのか? それにしては、余りに量が多過ぎる。

       別に彼女を信用していないわけではないが、どうにも気に掛かる――

       こうして青年は、天井裏から様子を盗み見ることにしたのだ。

       

       「よっと……」

       青年は天井板の1枚を微妙にずらし、下への視界を確保した。

       簡単に天井板が動くなどとんでもない欠陥マンションだが、この場合は都合が良い。

       真下では、美亜が朝食の後片付けをしている。

       当然ながら、こちらに気付いている様子はない。

       

       果たして、あれだけの食材をどうしているのだろうか?

       心優しい美亜の事だから、近所の野良猫などにあげているとか。

       もしくは、青年にバレないようにペットを飼っている可能性も――

       それにしては、無くなる食材の量が多過ぎる気もするが。

       

       美亜は洗い物を終えると、おもむろに冷蔵庫の前へ立った。

       いよいよか……

       青年は、階下で行われる美亜の行動を注視する。

       彼女は冷蔵庫を開け、肉や野菜、チーズやバター、アイスなどを取り出した。

       それを無造作にテーブルの上に並べ――

       

       その瞬間、美亜の髪がしゅるしゅると動き出した。

       なんと彼女の髪は生肉を掴み、それを頭の後ろ側に運んでいく。

       すると、髪を掻き分けて大きな口が姿を現したのだ。

       

       「……!」

       思わず声を上げそうになり、すかさず口を押さえる青年。

       美亜の髪は生肉を掴み、そのまま後ろの口に運んでいった。

       そして生肉は、後ろの口の中に放り込まれてしまう。

       その後ろの口はむぐむぐと動いて、生肉を瞬く間に呑み込んでしまった。

       

       「た、食べた……!?」

       青年は衝撃を受けた。

       あれは作り物でもなんでもなく、本物の口。

       当然ながら、普通の人間はあんなところに口を持っていない。

       つまり美亜は、人間じゃない――

       自分は、人間ではない異形の女と1年も同棲してきたのか?

       彼の胸に、今まで騙されていたという怒りと人外の者に対する本能的な恐怖がよぎった。

       

       一方、美亜は生肉を次々と平らげていく。

       次にチーズを開け、髪で掴んで作業のように後ろの口へと放り込む。

       さらにバターの容器を開けた美亜は、髪で頭の後ろに運んでいった。

       後ろの口からはヌルヌルの長い舌が伸び、バターの表面を丹念に舐め回していく。

       みるみるバターは舐め取られ、容器の中を長い舌がドジョウのようにぬるぬると這い回った。

       バターの容器は唾液でべとべとになり、無造作にゴミ袋へと捨てられる。

       美亜は楚々とした表情を崩さず、ほとんどの食料を平らげてしまったのだ。

       

       さらに彼女は、棒アイスを髪で後頭部に持っていく。

       後ろの口からは複数の舌が伸び、アイスににゅるにゅると絡み付いた。

       棒アイスの表面に隙間なく舌が巻き付き、ゆっくりと包み舐めていく。

       唾液の滴る艶やかな舌が、にゅるにゅる、にゅるにゅる、とアイス表面で蠢いていた。

       

       「……」

       青年は、息を呑んでその光景を見つめる。

       無数の舌に絡み付かれているアイス、あれが自分のペニスだったら――

       

       ちゅぱっ……

       美亜はアイスから舌を離した。

       そして、後ろの口を大きく開ける。

       青年の位置から、その艶かしい口の内部がしっかりと見えた。

       厚くて柔らかそうな唇、その内部ではたくさんの舌がドジョウのようににゅるにゅると蠢いている。

       そこへ、棒アイスが髪で運ばれていき――

       

       青年は、その棒アイスが自分のペニスに見えた。

       アイスは、そのまま厚い唇にぱっくりと咥え込まれてしまう。

       ずるずる、じゅるじゅる……

       いやらしい粘音が響き、柔らかそうな唇が蠢く。

       アイスは、美亜の後ろの口内でしゃぶり尽くされているのだ。

       ゆっくりとデザートを味わいながら、美亜は恍惚とした表情を浮かべる。

       

       「……!」

       青年は、いつしか自らのペニスに右手を伸ばしていた。

       そして、アイスをしゃぶる美亜の後ろの口を凝視しながら肉棒を扱き上げる。

       美亜がアイスを貪る動きとシンクロさせながら、激しくペニスを上下させる。

       あのアイスが、自分のペニスだったら――

       あの口で、咥え込まれてしゃぶり尽くされたら――

       

       ぬぽっ……と、美亜は後ろの頭からアイスの棒を引き抜いた。 

       アイスは完全にしゃぶり尽くされ、もはや棒のみである。

       再び、彼女の後ろの口内が見えた。

       柔らかそうな唇、中で蠢くにゅるにゅるの舌。

       青年のペニスを扱く動きがだんだんと早くなる。

       あの口の中に入れたい、あの口の中に射精したい――

       自分のペニスが美亜の後ろの口に啜り尽くされるさまを想像しながら、青年は絶頂を迎えようとしていた。

       「ああ、美亜……! 美亜……!」

       

       ――ガタッ!

       余りにも盛り上がり過ぎたのか、青年は思わず足元の天井板を踏み抜いてしまった。

       食事後で鈍感になっていた美亜も、流石にその大きな音に気付く。

       「――誰です?」

       彼女は、天井にいきなり開いた大穴を見上げた。

       そこからは、美亜の同棲相手である青年がぶら下がっていたのだ。

       

       「み、美亜……!」

       「あら、見られてしまうなんて…… もう人間ごっこも終わりのようですね」

       両手で天井の梁を掴み、ぶら下がる青年を見上げて美亜はため息をついた。

       「そんなところでぶら下がってないで、降りて下さいませ」

       「い、いやだ……! 助けてくれ、命だけは……!」

       青年は懇願する。

       彼女の『人間ごっこも終わり』という言葉には、明確に青年の生命を絶つような意思が込められていたのだ。

       「それはできません。私の種族は、食事を覗き見されるのが最大の恥辱なんですよ。

        この口で美味しく食べて差し上げますので、降りて下さいませ」

       美亜の後ろの口が、ぐぱぁと開いた。

       その中は、まるでドジョウのいっぱい詰まった魚籠のようだった。

       唾液で濡れた無数の舌が、口内でぬらぬらと蠢いている。

       

       「――あら?」

       そこでようやく、美亜は青年のズボンが膝にまでずり落ちていることに気付いた。

       彼の露出したペニスは完全に勃起し、先端からは先走り液がしたたっていたのだ。

       天井裏で、彼が何をしていたのか――

       

       「あ、あぁ……」

       梁から両腕でブラ下がりながら、なんとか天井に這い上がろうとする青年。

       美亜は、怯えに満ちた彼の表情から情欲の感情を拾い取った。

       「ふふ…… そういう事でしたか」

       唇をペロリと舐める美亜。彼女は淫靡な笑みを青年に向けた。

       「私には、この一年間ずっと食べたくて仕方なかったものがあるのです。それが何か分かるでしょうか――?」

       「え……? うわっ!!」

       しゅるしゅるしゅる……

       美亜の髪が伸び、空中を泳ぐ青年の両足に絡み付く。

       それは青年の体を強く引っ張ったりせず、ただうねうねと絡み付いているだけだった。

       足先から徐々に膝まで上り、太腿まで――

       

       「――それは、貴方のおちんちん。この後ろの口で、たっぷりと吸い尽くして差し上げたかったのです」

       「な……!」

       その言葉に、青年は足に絡む髪の事も忘れるほどの衝撃を受けた。

       さっきの妄想のように、あの口で自分のペニスを……?

       「貴方の四肢を拘束して、この後ろの口でペニスを味わいたい。この唇で挟み込んで、緩くきつく締め上げたい。

        唾液でねとねとにしながら、舌を巻き付けて吸い嫐りたい――」

       「あ、あぁぁ……」

       清楚だと思い込んでいた美亜の口から出る淫らな言葉に、青年は体を震わせた。

       あの後ろの口で、そんな責めを…… そう考えただけで、彼の肉棒が期待でわななく。

       

       「快感で暴れる貴方の体を押さえ込んで、そのまま強引に射精させてあげるのですよ。

        口の中に溢れた精液を全部飲み込んだ後も、貴方のおちんちんを延々としゃぶり尽くして差し上げます。

        もう何も出なくなった後も、おちんちんをじゅるじゅる舐めしゃぶり続けて味わいます。ふやけてしまうまで……

        泣き叫ぶ貴方を後ろのお口で犯し続ける――これが私の夢でした」

       そこで美亜は、表情を曇らせた。

       「ですが、それは叶わぬ願い。この口を貴方に見せるという事は、お別れを意味していますから……」

       「そんな…… いやだ……」

       美亜の言った『お別れ』というのは、民話のようにそのままどこかへ去ってしまうという意味ではない。

       共に生活する対象から、捕食の対象へと変化する――そういう事だ。

       彼女の丁寧な口調とは裏腹に、その目は冷酷な色を帯びていた。

       

       「――ですが、もう貴方に見つかってしまいました」

       美亜は、きっぱりと言った。

       「さあ、私の元においで下さい。貴方のペニスをしゃぶり尽くして差し上げますから」

       「い、いやだ……!」

       彼女の後ろの口が、やわやわと誘うように蠢く。

       唾液がねっとりと糸を引き、舌がじゅるじゅると這い――

       

       あそこに入れてみたい……!

       でも、ここから降りたら食べられてしまう……!

       快感への期待と死の恐怖で葛藤する青年。

       そして、そんな彼の足に髪が誘うように絡みついてきている。

       それはするすると太腿を這いながら、とうとうペニスにまで伸びてきた。

       

       「ああ…… やめろ……」

       ペニスに髪がしゅるしゅると絡み付き、優しく揉み解す。

       「さあ、降りて下さいませ。たっぷりしゃぶり尽くしてあげますから……」

       美亜は後ろの口を誇示するように、ぱくぱくと動かした。

       口内にみっしりと詰まった舌。

       あそこにペニスを突き入れれば、どうなってしまうのか……

       

       「お口の感触、味わいたくないんですか? このお口は貪欲ですから、ちょっとやそっとじゃ離してあげませんよ。

        思う存分におちんちんを吸い尽くされる感覚、ぜひ体験して頂きたいのに……」

       「いやだ…… いやだ……」

       髪を振り払うように両足をバタつかせながら、青年は抗った。

       その快感を味あわされた後で、自分は捕食されてしまうのだから。

       「いやだ…… ああ、うぁぁぁ……!」

       ペニスに絡み付いた美亜の髪が、まるでペニスを搾るようにクニュクニュと蠢く。

       オナニーで絶頂寸前にまでいっていた青年は、その動きに翻弄された。

       「ああ、美亜…… もう……」

       梁を掴んでいる青年の両手が快感で震える。

       だがここから手を離せば、もう終わりだ――

       

       「イきそうなのでしょうか?」

       美亜の髪は、ペニスの根元をきゅっと締め上げた。

       「何を…… うわぁぁぁぁ……」

       射精は強引に止められた。

       根元を髪で圧迫され、射精したくてもできない。

       「そんなところで出さないで、私の後ろの口に下さいませ。

        ドクドク出てるところをベロベロに舐め扱いて、最高の絶頂を体験させてあげますから」

       「いやだぁ、いやだぁ……」

       「では、貴方が降りたくなるまでいじめて差し上げます」

       美亜の髪は肉棒の根元をせき止めたまま、亀頭の部分を這い回った。

       甘美な快感にさらされながら、射精は許されない。

       だがこの手を離すだけで、美亜の言う最高の絶頂が味わえるのだ。

       でも、その後は――

       

       「いやだ…… 死にたくない……」

       青年は涙を流しながら、快感から抗った。

       腕を離せば、美亜に捕食されてしまう。

       腕を離せば、最高の快感を与えてくれる。

       腕を離せば――

       

       「食べるときも、貴方が相手ならば痛みなど与えはしません。

        クチュクチュと全身を舐めしゃぶりながら、優しく消化して差し上げますから」

       美亜は、清楚な表情のままで告げた。まるで今日の夕食を告げる時のように――

       「ああぁぁぁ……」

       青年のペニスの先端から、先走り液がたらりと垂れる。

       物欲しげに、尿道口をヒクつかせて……

       「さあ、いらっしゃいませ。私の口技、舌技が味わいたいのでしょう?

        貴方のおちんちんになら、全て披露して差し上げますわ」

       「い、いやだ……」

       「貴方は舐め尽くされるのが好きでしょうか? それとも、口内でねぶられるのが好きでしょうか?

        色々な技を試してあげますので、後ろの口におちんちんを食べさせて下さいませ……」

       「た、食べ……」

       ――食べられてしまいたい。

       青年は、いよいよ誘惑に負けそうになっていた。

       美亜の後ろの口で啜り尽くされたい。

       あの口内にペニスを突き入れて、精液を全て搾り尽くされてしまいたい。

       

       「み、美亜……」

       「私は毎晩、貴方を拘束して思うがままに精を搾り上げる事を夢見ておりました。

        あなたは、どんな声を上げられるのか。どんな顔をして絶頂なさるのか……」

       入れたい、入れたい、入れたい。

       あの舌に舐め回されたい。

       あの口にしゃぶられたい。

       もう、これ以上は我慢が――

       

       「泣き叫ぶ貴方を押さえつけ、その精を強引に搾り尽くす……その夢が叶おうとしている今、なぜ躊躇なされるのです。

        さあ、これ以上意地を張らず、最高の快感を味わって下さいませ」

       「美亜……」

       青年は一瞬だけ、美亜の誘惑に屈してしまった。

       彼の両手が、思わず梁から離れてしまう。

       「ああっ! しま――」

       「ふふふ、頂きますね」

       美亜の髪がしゅるしゅると伸びて、青年の落下中の体を拾い上げる。

       「ふふ、分かっています。本当は、私の後ろの口でおちんちん食べて貰いたかったのでしょう?」

       そのまま彼の体を髪で持ち上げ、その屹立したペニスを後ろの口へ運んでいった。

       まるで、さっき食料を平らげた時のように――

       

       ――ぱくっ。

       

       青年のペニスは、遠慮なく美亜の後ろの口に咥え込まれた。

       その口内は、まさに異質な空間であった。

       にゅるにゅるのドジョウで溢れた穴にペニスを突っ込んだような感触を、数百倍に倍加させたような――

       中ではヌルヌルの唾液がぬめり、ひしめいた舌が、柔らかい唇が、ペニスにねっちょりと絡み付いてくる。

       「あぁぁぁ……! あぁぁぁぁぁぁッ!!」

       その天国のような感触に、青年は恥ずかしげも無く喘いだ。

       美亜は青年に背を向け、その後頭部でペニスを呑み込んでいるという世にも奇妙な体勢。

       青年は髪でぶら下げられながら、彼女の後ろの口に強引にペニスを押し入れられているのだ。

       「ふふっ。貴方の恥ずかしい喘ぎ声、聞かせて頂きました」

       目だけを後方で喘ぐ彼の方にやり、美亜はにっこりと笑った。

       「あぁぁ……! 美亜、凄すぎるぅぅぅ……!」

       青年は腰を揺さぶりながら、美亜の頭を掴もうとする。

       その腕にも髪が絡み、青年は四肢の動きを完全に封じられた。

       「ふふ…… ここから先、貴方に一切の動きを許しません。ただ私の口技に翻弄され、精液を吐き出して下さい」

       清楚な口調のまま、命令調で告げる美亜。

       口内のペニスには数本の舌がにゅるにゅると巻き付けられ、棒の周囲を這い回りながら締め付けてきた。

       にゅる、にゅるにゅるぬちゅぬちゅ……

       

       「美亜ぁ…… 美亜ぁ……」

       その感触に、青年はただ悶えるのみ。

       美亜の舌は執拗にペニスに絡み、まるで味わうように嫐り続ける。

       そして彼女は、うっとりとした表情を浮かべた。

       「貴方のおちんちん、とても美味しい…… 精液も味あわせて下さい……」

       「あうッ! ああ、そんなぁ……」

       美亜の舌の動きが、非常にねちっこくなった。

       亀頭にぐるぐると絡み付き、重点的にカリをねぶり回す。

       にゅぽ…・…っ、くちゅくちゅ……、ぐぷぐぷねろねろ……じゅるっ。

       

       「美亜の舌、お気に召しましたでしょうか?」

       「あぁぁ…… うぁぁぁぁぁぁ……」

       青年は美亜の問いに答えるどころではなく、ただ身をくねらせて喘ぎ続ける。

       「ふふ、喋れないのですか? それでは、おちんちんからお返事を頂きます」

       美亜はにっこりと笑うと、口淫にラストスパートを掛けた。

       複数の舌をねっとりとペニスに絡ませ、口全体で淫らに吸い嫐る。

       その卓越した口技に、青年はひとたまりもなかった。

       ぐちゅ、ぐちゅ、ぐちゅ…… れろれろ…… にゅるにゅる…… くぷっ……

       

       「ああぁぁ……! 美亜! 美亜ぁぁぁぁぁぁ……!!」

       どく、どくどくどく……

       青年は腰を突き上げるように絶頂し、そのまま美亜の後ろの口に精液を注ぎ込んだ。

       「最高の絶頂を体験させてあげる、と約束しましたよね。どうぞ味わって下さいませ」

       「え……? うわぁッ!! そんなの……!! ああああッ!!」

       脈動しながらドクドクと精液を吐き出すペニスに襲い掛かるように、舌が何重にも包み込んでくる。

       そして、彼のペニスは美亜の言葉通りベロベロに舐め扱かれた。

       れろ……、れろれろべろべろれろれろれろべろべろ……

       

       「うあッ……! ああぁぁぁぁぁぁぁ――ッ!!」

       腰をガクガクと震わせ、青年はその容赦ない責めを味わう。

       射精中のペニスを嫐り尽くされ、強制的な快感が彼を襲った。

       これが、美亜の言う最高の絶頂――

       青年は体を痙攣させながら、精液を一滴残らず搾り出された。

       

       「ふふ…… イク瞬間の顔も、イった後の緩んだ表情も拝見しました」

       美亜はにっこりと笑う。

       口内がきゅっとすぼまり、青年のペニスを舌で嫐りながら吸い上げてきた。

       「ああ……! そんな、まだ……!」

       「言ったでしょう、私の後ろの口は大食いなんです。一回や二回じゃ満足致しません」

       「美亜ぁぁぁ……! あうッ!!」

       舌先が尿道口をレロレロとほじくり、甘く刺激する。

       「貴方の精液、とても美味しいです。遠慮しないで、もっと出して下さいませ――」

       そう言って、美亜はくすっと笑った。

       「――まあ、イヤと言われても存分に吸い出させて頂きますが」

       「あ、うぁぁぁぁ……」

       後ろの口は、きゅっと口内をすぼめながらペニスを引き抜いていく。

       彼女の口内から、唾液でべとべとにされたペニスが徐々に姿を現した。

       「今度は、唇でチュパチュパして差し上げますね」

       ペニスが口から抜けそうになる直前――亀頭の部分を、厚く柔らかい唇がキュッと締め付けた。

       そのまま、カリの部分を唇で引っ掛けるように何度も往復する。

       「ああっ! うあぁぁッ! ああぁぁ……!!」

       カリを締められながら上下に扱くように刺激され、青年は呻いた。

       ちゅぱっ、ちゅぱっ、ちゅぱっ……

       

       「これもお気に召されたようですね。では、このまま射精に導いて差し上げます」

       美亜はそう言うと、徐々に口の動きを早め始めた。

       唇が素早くペニスの周りを上下し、たまらない快感を送り込む。

       ちゅぱ、ちゅぱ、ちゅぱ、ちゅぱ、ちゅぱ、ちゅぱ……

       「美亜……! うぁぁ、気持ちいい……!」

       青年は、唇での往復刺激にさらされながら性感の呻きを漏らす。

       さっき出たばかりなのに、もう――

       「ふふ…… どんどん早くなっていきますよ。どこまで耐えられますかねぇ?」

       ちゅぱちゅぱちゅぱちゅぱちゅぱちゅぱちゅぱ……

       美亜の言葉通り、唇の上下運動は徐々に速度を増していった。

       その動きが、青年を確実に追い詰めていく。

       

       「もうだめ……! 美亜……! ああぁぁぁぁぁぁ!!」

       どくん、どくどくどく……

       青年は体を揺さぶり、美亜の口内で果てた。

       しかし青年が射精してもなお、彼女の唇の動きは止まらない。

       「美亜、ちょっと! あうぅぅぅぅぅッ!!」

       「ふふ…… 誰が、イったら止めて差し上げると言いましたか?」

       ちゅぱちゅぱちゅぱちゅぱちゅぱちゅぱちゅぱちゅぱ……!

       美亜は、射精中であろうが容赦せずに唇の刺激を続ける。

       「うぁ……! うぅぅー!! ああぁぁッ!!」

       青年はその刺激から逃れるように、腰を引こうとした。

       ……が、美亜の髪はそれを許さなかった。

       彼女の髪は、食事を後ろの口に運ぶためのもの。食事が逃げようとするなら、それを防ぐのが役目なのだ。

       

       「思う存分に啜り尽くすと言ったでしょう? イきっぱなし、体験させて差し上げますね」

       ちゅぱちゅぱちゅぱちゅぱちゅぱちゅぱちゅぱちゅぱちゅぱちゅぱ……!

       「ああッ!! おあああぁぁぁぁぁぁ!!」

       青年は、二度目の射精が終わらないうちから三度目の精液を噴き上げた。

       まるで嘘のように、連続で絶頂に導かれているのだ。

       「うーッ!! ああ、あぁぁ! ああぁぁぁぁッ!!」

       暴れもがこうとするが、四肢が拘束されていて動く事さえできない。

       それでも青年は快楽で体をよじり、叫び続けた。

       ペニスからは精液が連続で溢れ、もう何度目の射精なのかも分からない。

       青年は、美亜の唇で何度も何度も絶頂に導かれたのである。

       

       連続射精が、5回を越えた頃だろうか。

       ようやく美亜は、残酷なまでに射精を強制していた唇愛撫を中断した。

       「唇での口淫も飽きましたか? それでは、新たな刺激を与えて差し上げますね」

       そう言うと、美亜はペニスを一気に奥深くまで飲み込んでいく。

       厚い唇が、彼のペニスの根元に当たった。

       「このまま、もぐもぐしてあげます――」

       ぐむぐむ、もぐ、ぐぷっ、ぐぷっ……

       「う、うあぁぁッ! 美亜、それいい……! うあぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!」

       美亜の口内で、ペニスがまるで食べられているかのように咀嚼される。

       むろん動きだけで、実際に食べられている訳ではない。

       その刺激は凄まじく甘美で、青年は背をのけぞらせて喚いた。

       「美亜ぁ……! 食べられてるぅ……! 食べられてるよぉ……!」

       余りの快感に、青年は涙を流しながら口走る。

       「ふふ、そんなによがって頂けるなんて…… もっと可愛がって差し上げますね」

       彼のペニスは美亜の口内で咀嚼され、舐め回され、しゃぶり尽くされる。

       青年は涙と涎をみっともなく垂れ流しながら、みるみる昇り詰めていった。

       「美亜ぁぁ…… 気持ちいいよぉ…… 美亜ぁぁ……!」

       「あらあら、良かったですわね。じゃあイって下さいませ」

       「美亜ぁぁ! 美亜ぁぁぁぁぁぁぁッ!!」

       どくっ、どくどくどくっ……

       青年はガクガクと体を震わせ、彼女の後頭部に精液を注ぎ込む。

       「まだまだ…… 全部吸い出して差し上げます」

       「ああぁぁ……! ああぁぁぁぁぁぁッ!!」

       ちゅうぅぅぅぅぅぅぅぅぅ……

       美亜の後ろの口は、猛烈な吸引力でペニスを吸い上げてきた。

       精液がぎゅんぎゅんと吸い出され、そのまま口内に吐き出される。

       「ああ、美味しい精液…… 全部下さいませ。貴方の精液、全部……」

       「おぁぁぁぁぁぁ……! うぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

       ペニスからストローのように精液を吸い出され、青年はガクガクと悶える。

       魂ごと吸われているようなその感覚。

       さらにペニスはもぐもぐと咀嚼され、舌が亀頭やカリ、サオ全体に巻き付いて締め嫐ってくる。

       美亜の持てる限りの技巧を受け、青年は狂い悶えた。

       

       「ほらほら…… 言ったでしょう? 私の後ろの口は貪欲なんです」

       「あぁぁぁぁぁぁぁ!! うわぁぁぁぁ!! もう……! ああ、ああぁぁぁぁぁぁッ!!」

       どくん、どく、どく、どく……

       ちゅぅぅぅぅぅぅぅぅ…… ねろねろ、ぐちゅぐちゅぐちゅ……

       青年は何度も何度も絶頂へ導かれ、美亜の口内で果て続けたのだった――

       

       

       「たっぷり堪能されましたか? 天国を垣間見たでしょう」

       「はぁ…… はぁ……」

       青年はぐったりと力を失い、息を荒げた。

       もう、射精回数は20回を越えていただろう。

       「美亜ぁぁぁ…… 気持ちいいよぉぉ……」

       「ふふ。では、貴方を丸ごと食べて差し上げますね」

       「ああ…… 食べてぇ……」

       余りの強烈な快感に、青年はもはや理性を失っていた。

       ただ、快楽のみに貪欲になる本能的な姿。

       「じゃあ、ぱっくんと食べてしまってもよろしいですね。優しくして差し上げますわ」

       あ――ん…… と、彼女の後ろの口が異様なまでに大きく開いた。

       人間一人くらい、楽に飲み込めるほどに。

       

       「あ、ああぁぁぁ……」

       青年は、潤んだ目で美亜の大きく広がった口内を見据えた。

       その中では唾液が糸を引き、やはりたくさんの大きな舌が蠢いている。

       美亜の後ろの口は、甘美な動きで青年を誘った。

       「ふふ…… 頂きますね」

       彼女の口内からするすると大きな舌が伸び、ぎゅるぎゅると青年の胴を巻き上げる。

       さらに数本の舌が彼の手や足に絡み、そのまま彼の体は美亜の口内へと導かれていった。

       当然ながらペニスにも舌が絡み、優しく淫らな快感を与え続けながら――

       

       「美亜、美亜ぁぁぁ……」

       青年の眼前に、愛する彼女の魅力的な口が迫る。

       そのまま彼は温かい口内に導き入れられ、舌の歓迎を受けた。

       沢山の舌が四方八方から伸び、唾液を絡ませながら青年の体に巻き付き這い回る。

       「うぁ、うぁぁ……! うぁぁぁぁッ!!」

       舌で全身を散々に舐め嫐られ、青年は精をドクドクと漏らしながら喘いだ。

       

       同時に、彼女の唇が徐々に閉じていく。

       青年は、完全に美亜の口内に閉じ込められてしまったのだ。

       そこは舌が這い回り、唾液で満たされた洞窟のようだった。

       

       「ああぁぁ…… 美亜の口の中ぁぁ……」

       舌は青年の手足を引っ張り、大の字に広げたまま全身を責め立ててきた。

       大小とりどりの舌が全身を這い回り、ペニスは何本もの舌で巻き包まれてぐにゅぐにゅと甘い蠕動を受けている。

       「美亜の舌…… いいよぉ……」

       そのまま青年は、ペニスを包む舌に精液をドクドク吐き出した。

       全身は、美亜の唾液でべとべと。

       無数の舌は彼の体を締め上げたり、あちこちを舐め回したりして青年を悦ばせた。

       唾液まみれになりながら、彼はもう何回射精したか分からない。

       

       そして、その唾液には消化液が含まれ始めていた。

       甘い舌でレロレロと舐められるたび、青年の体は少しずつどろどろと溶かされているのだ。

       

       「美亜ぁぁ…… 美亜ぁぁ……」

       しかし既に快楽で溶かされている青年にとって、それはもはや恐怖ではない。

       青年はこのまま甘く舐め溶かされ、美亜の養分となってしまうのである。

       最後の瞬間まで、彼女の名を呼びながら――

 

 

 



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