女給仕エミリア


 

 

 「……犯し……たい」

 青年は、熱に浮かされたように口にしていた。

 エミリアを押し倒し、その肉体を陵辱したい。

 彼女の体内に、欲望の体液を注ぎ込みたい――

 彼の中に、そんな欲求が沸き上がってきたのである。

 

 「ふふ、そうですか。では――」

 エミリアは微かに笑うと、バスルームにその体を横たえる。

 青年が平静を保っていたなら、その笑みは挑戦的な色を含んでいたことに気が付いただろう。

 しかし彼は、もはや獣と化していた。

 横たわるエミリアにのしかかり、スカートを掻き分けて下着を下ろし――

 露わになった秘裂を愛でる余裕さえなかった。

 濡れそぼる蜜壷に、いきり立った肉棒を押し込んだのである。

 興奮のまま、一気に奥まで――

 

 ずぶ、ずぶぶぶぶぶ……

 

 「ふふ……サキュバスをご自身の意志で犯してしまいましたね」

 「あ……! あぐ、うぁぁぁぁぁぁぁ……!!」

 挿れて数秒も経たないうちに、青年の顔色はみるみる変わっていた。

 まるでぬかるみのようなヌルヌル感。

 そして、溶鉱炉の中に突っ込んだような熱さとドロドロ感。

 このままでは、快楽の中で溶かされてしまう――

 「ひ、ひぃぃぃ……!」

 慌てて腰を引こうとする青年だが――なぜか、ペニスを抜くことができなかった。

 膣の入り口――ペニスの根本が膣肉でがっちりと咥え込まれ、引き抜くことができないのだ。

 

 「あ、ぁぁぁぁ……」

 「サキュバスの膣には、本能的な防御機能が備わっています。

  陵辱の意志を持った者が、男性器をねじ込んできた場合――それを抜けなくするのですよ。

  最後の一滴まで、精液を搾り取ってしまうまで……解放されることはありません」

 「そ、そんな……」

 それはつまり、サキュバスを犯したら抜けなくなるということ。

 そのまま枯れ果てるまで、精液を吸われ――死に至ってしまうのだ。

 「あ、あぁぁぁぁぁ……」

 必死で腰を引いて逃げようとする青年だが、その努力は無駄に終わった。

 そうしている間にも、エミリアの肉壷はじっくりじわじわと肉棒に絡み付いてくる。

 幾重ものヒダが亀頭をくるみ込み、嫐り回してくるのだ。

 さらに内壁がねっとりと密着し、じわじわと締め付けが増してくる。

 それは、じっくり射精に追い込もうとする蠢きだった。

 

 ぬちゅ……、にゅぐ、ぬちゅちゅ……

 

 「あぐぅ、うぅぅぅぅ……」

 青年はみるみる追い込まれ、力を失っていく。

 これは、男を射精に追い込むトラップそのもの。

 あえなく青年は快楽に屈し、その中で果ててしまったのである。

 「ふぁ、あぁぁぁぁぁぁ……」

 ドクドクと溢れ、膣奥に注がれる青年の白濁。

 膣内射精の恍惚に浸る青年の体を、エミリアは下から優しく抱き締めた。

 「一つだけ、逃れる方法を教えてあげますね、ご主人様。

  サキュバスの肉体に備わった防衛機構を解除するには、相手を絶頂させればいいのです。

  つまり私をイかせることができれば、吸い尽くされる前にペニスを抜くことができるのですよ」

 「う、うぅぅ……」

 エミリアをイかせれば、抜くことができる――

 しかし青年には知るよしがなかったが、サキュバスを人間の性技で絶頂させることなど不可能なのだ。

 鳥より速く飛べる人間などいなければ、深海魚より深く潜れる人間も存在しないのと同じ。

 それは、種としての限界を超えた要求なのである。

 「イ、イかせれば……」

 「ええ。頑張って下さいね、ご主人様」

 青年のペニスを咥え込んだまま、ほのかに笑うエミリア――

 それは、この上もなく残酷な笑顔だった。

 絶対に不可能なことを、エミリアは知っているのである。

 無駄な努力で足掻く人間を眺め、愉悦に浸る――淫魔特有の、残酷な嗜虐本能だった。

 

 「う、うぅぅぅぅぅ……」

 すでに一回射精しているのだから、たちどころにイってしまうことはないはず――

 青年はじんわり絡み付いてくる肉壁の快感に耐えながら、ゆっくりと腰を動かす。

 何とか膣内を掻き回そうと、ペニスを抜き差しして刺激を送る――

 「あ……え、えぇぇ……? うぁぁぁぁぁぁぁ……!!」

 数度ピストンを送った瞬間、エミリアの膣内の蠢きが変化してきた。

 まるで膣内に擦り付けられた動作に対して仕返しするように、ズリズリと膣肉が擦れてきたのだ。

 その思わぬ快感に、青年は身を竦ませる。

 たちまち、腰を動かすどころではなくなってしまったのだ。

 「あ……なに、これぇ……」

 「サキュバスの膣は、与えられた刺激に対して反撃します。

  受けた刺激や快感を、何倍にもして男性器に送り返すのですよ――」

 「そ、そんな……うぁぁぁぁっ!!」

 エミリアの膣肉はぴっちりと青年の肉棒をとらえ、膣壁に刺激を与えたカリに反撃してきたのだ。

 たった数度、ピストンの刺激を送っただけなのにもかかわらず――その異種返しは、とても激しく甘美なものだった。

 カリ首を肉のリングがくるみ込み、ヌチュヌチュと擦りたててきたのだ。

 それは、上下に扱かれているような刺激そのもの。

 それに加えて、膣内全体の締まりやヌメりは徐々に強くなってくる。

 「あ、あひ……! はう、うぅぅぅ……」

 「さらに――膣内で動かずにいると、どんどん中が絡み付いてきます。

  刺激に耐えられずに動きを止めても、結局はじわじわ追い詰められることになりますよ」

 「あ、あぁぁぁぁ……うぁぁぁぁぁ……!」

 そう言われても、この快感に抗って腰が動かせるわけがない。

 亀頭を擦りたてている肉のリングには、無数のヒダが備わっていた。

 それがカリの部分を上下するごとに、微少なヒダの一枚一枚が表面に擦れていくのだ。

 これが、サキュバスの蜜壷にピストンを送ったことへの代償なのである。

 「あぅ、ぐぅぅ……」

 二人が繋がっている結合部からは、ヌチュヌチュ、グチュグチュ、という淫らな音が実際に響いている。

 自身のペニスが嫐られる音を耳にしながら――青年は、あっという間に絶頂へと追い詰められた。

 「うぁ、あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ……!!」

 エミリアにしがみついたまま、彼は身を震わせる。

 膣内では、ドクドクと二度目の精液が迸っていた。

 射精中もたっぷりと締め付けてもらえる、あまりにも甘美な射精。

 これに溺れてしまえば、そのまま搾死が待っている――余りにも残酷な責めだった。

 

 「う、うぅぅぅぅ……」

 二度目の射精を終え、少し平静を取り戻した青年。

 それでも絶えず与えられる快楽に抗えず、エミリアにしがみついたまま動けない。

 「いいのですか、ご主人様? 動かずにいれば、どんどん絡み付いてきますよ?」

 「あ、あぅぅぅぅぅぅ……」

 彼女の言う通り、青年が動けない間にも膣肉がペニスに絡み続ける。

 じっくりと粘膜が覆い包み、無数のヒダで亀頭が撫で回され――

 その責めは、徐々に激しく、ねちっこくなりつつあった。

 「あぐ、ぐぅ……!」

 青年は気力を振り絞り、なんとかエミリアへの責めを再開しようとする。

 ペニスを奥へとねじ込み、最奥を責めようと――

 腰を深く突き入れ、膣奥を肉棒の先端で突いた。

 「あうぅぅぅ……」

 そこにあったのは、コリコリとした何か。

 グミのように柔らかく、それでいて弾力があった。

 「ふふ……子宮口に触れてしまいましたね、ご主人様。今のは少々ですが、心地よかったです」

 くすり……と笑みをこぼし、青年の下でエミリアは告げる。

 そして――子宮口を刺激した際の反撃が、彼のペニスに浴びせられようとしていた。

 つつかれた亀頭を、子宮口がグニグニとつつき返してきたのである。

 「あ……! あぅ……ぐぅぅ……」

 亀頭から伝わる余りにも甘美な触感にさらされ、青年はあっという間に攻めの気力を失った。

 子宮口はペニス先端をつつき回すばかりか、ぐっぽりと亀頭先端を包み込んできたのだ。

 亀頭はクニュクニュした子宮口にねっとりと吸い付かれ、妖しい収縮を受ける。

 「あひ……! あぅ、うぐぅぅぅ……」

 先端を揉みしだくその動きは、もはや射精の強制そのものだった。

 男がどれだけ我慢しようとしても、それを許そうとしない刺激。

 ちゅうちゅうと吸い付かれるごとに、青年の全身が緩んでいき――

 ひときわ艶めかしく吸い付かれると、そのまま果てるしかなかった。

 

 どくん、どくん、どくん……

 

 「あぅぅぅ……」

 エミリアにしがみつきながら味わう、最高の恍惚感。

 子宮口に吸い付かれながら、漏らす――それは天国の快楽だった。

 その放出感に身を委ね、緩みきりながら精を射出している青年――

 その顔を下から見上げ、エミリアは深いため息を吐いた。

 「……その程度では無理ですね、ご主人様――」

 サキュバスをレイプした場合、イかせないと抜くことが出来ない――

 それは確かな事実だが、エミリアは一つだけ言わなかったことがある。

 実は、サキュバスは己の意志で自在に絶頂へと達することができるのだ。

 しかし、淫魔にとって絶頂する姿を見られるのは何よりの恥辱。

 心から愛する者にしか、そのような姿を見せることはないだろう。

 当然ながら、エミリアの中で快楽に溺れきっている青年などには関係のない話だった。

 

 「さあ、どうしたのです? 抵抗しないと、そのまま吸い殺されてしまいますよ?」

 「あ、あぅぅぅぅ……」

 しかし、青年は動かない。

 その表情は緩みきり、ただエミリアの膣の感覚に酔いしれていた。

 動くことも抗うこともせず、ヒダと締め付けの蠢きを楽しみ――

 「あ……あぁぁぁぁぁぁ……!」

 そして情欲の赴くまま、ドクドクと膣内で射精する状態に陥ってしまったのである。

 エミリアは、青年に抵抗の気力が失われてしまったことを確認した。

 「……もう降参ですか。あっけなかったですね」

 もはや青年は、エミリアの膣の感触を楽しむことしか考えられない存在。

 逃れる気力を失い、ただ股間の快楽に身を委ねるだけの男――

 こうなってしまえば、エミリアにとって廃人と変わらない。

 ならば、処理してしまうだけだ。

 

 「では、吸い尽くしてしまいますね――」

 不意にエミリアの背から、ふわりと翼が広がった。

 それはコウモリのような形だが、その表面はまるで舌や口内粘膜のようにヌメヌメ。

 そんな翼で、エミリアにしがみついている青年を覆い込んできた。

 まるで、青年を抱きすくめるように――

 「ん、んんんん……!!」

 下半身でエミリアと繋がったままヌルヌルの翼でくるみ込まれ、思わぬ快楽に表情を歪める青年。

 それはまるで、エミリアに全身を包まれてしまったようなものだった。

 エミリアの体ごと翼にくるまれてしまう姿は、まるで漆黒の棺。

 その中で、青年の体はじっくりと蝕まれていた。

 「あ、あぐ……! うぅぅぅぅぅぅぅ――!!」

 翼の表面からヌメった粘液が染み出し、ヌルヌルと青年の体に絡んでくる。

 その翼の内粘膜も、じっくりと青年の全身を滑り――まるで、巨大な舌で舐められているような快楽を与えていた。

 そしてペニスを挿入している膣はというと、ひくひく収縮して搾精動作を緩めない。

 ヒダが亀頭を大歓迎してくすぐりたて、膣肉全体が蠢いてペニスをもむもむと咀嚼するように揉みしだく。

 いかなる男でも骨抜きにしてしまう甘い感触に、青年は悶え狂うしかなかった。

 「ひぃぃぃ……あぅ、あぐぅぅぅぅぅ……!」

 ドクドクドクと、なすすべもなく膣内で迸る精液。

 さらなる排出を求めるように、どんどん絡み付いてくる膣肉。

 青年はとろけるような夢心地に浸りながら、エミリアの中に精液を漏らし続けた。

 それは、サキュバスに食餌を与える行為に他ならないのに――

 彼は、エミリアと一つになって愛を交わしているような錯覚に陥っていたのだ。

 「ああぁぁぁ……エミリアさん、エミリアさぁん……」

 青年がエミリアの体に強くしがみつくと、エミリアも優しく抱き返してくれた。

 その体を包み込んでいる翼もぐにぐにと蠢き、彼の全身を妖しく咀嚼してくる。

 「きもちいい……きもちいいよぉ……」

 ドクドク漏れ続ける精液は、ジュルジュルと音を立てて吸い取られていき――

 青年は、エミリアに生命さえ吸われていく感覚を実感していた。

 それはとろけるように甘く、安らぎに満ちていたのである。

 これが、サキュバスの餌になるということ――

 

 「どうです、ご主人様? 淫魔に貪られるご感想は……?」

 「あぁぁ、すごい……きもちいい……」

 夢心地の気分で、青年はそう呟き続けるのみ。

 「そうですか、悦んで頂いて幸いです。最後の一滴が吸い取られる瞬間まで、その快楽をお楽しみ下さい」

 「あぐぅぅ……あ、あぁぁぁぁぁぁぁぁ……」

 じゅる、じゅる、じゅる……と、生命が男性器から女性器へと受け渡される。

 互いの股間を通じて、精が吸い取られていく――

 その代償として与えられる快感は、身も心も溶かしてしまうほどのものだった。

 この温もりに、溶けてしまっても構わない――そう男に思わせるほどの甘い快楽。

 何度も何度も射精しながら、青年はその快楽に酔いしれる。

 

 「うぁぁぁぁぁ……いいよぉ……」

 ペニスを存分に揉みしだいてもらいながら、そのお礼に精液を捧げる――

 人間と淫魔の、太古より定められたギブアンドテイクの関係。

 ドクドクと膣内で精液を吐き尽くすことで、青年はその悦びを満喫していた。

 「あぅぅぅぅ……きもちいい……」

 「そのまま、好きなだけお漏らし下さい。お気の済むまま、存分に……」

 エミリアの誘うまま、青年はその体にしがみついて精液を捧げ続ける。

 何度も、何度も、何度も、何度も――

 

 

 

 

 

 「うぅぅぅぅぅ、あぁぁぁぁ……」

 あれからどれだけの時間が経っただろうか。

 エミリアに抱かれながら、青年はなおも精を漏らし続けていた。

 しかし、その精も枯れ果てようとしている。

 ありったけの精をエミリアに捧げ、とうとう終わりの時が近付いていたのだ。

 「あと一回ですね、ご主人様……さあ、どうぞ」

 「あ、あぅぅ……」

 衰弱しきった体で、言われるがままにその一回を放つ。

 淫らに蠢く膣肉に促され、そのまま腰の力を緩める――それが、人生最後の射精となった。

 ドクドクと溢れる精液とともに、青年はとろけそうな放出感と恍惚感を味わう。

 その真っ白な恍惚感が脳内にじんわりと広がり、全身を麻痺させていった。

 それは、百回分の射精にも相当する絶頂感。

 そのまま、快楽の世界へと青年を導いていく浮遊感――

 

 「おやすみなさい、ご主人様……」

 甘い恍惚感にいざなわれ、青年は天国へと昇天していく。

 最後の一滴がエミリアに吸われてしまうと同時に、彼の意識は快楽に溶けていった。

 

 

 −BAD END−

 

 

 



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