アルラウネ


         

         僕は、ふらふらとその森に入っていった。

         今がいつか、ここがどこかも分からない。

         ただ、その香りに誘われるままに――

         

         ……とても甘く芳しい匂い。

         ……そして、どこかいやらしい匂い。

         頭がぼんやりする。

         物事がはっきり考えられない。

         そして気がついた時には、森のかなり奥深くまで来てしまったようだ。

         

         「どこだ、ここ……」

         僕は夢うつつのように呟いた。

         匂いは、森のさらに奥の方からだ。

         「こんな広い森、危ないよな。早く戻らないと……」

         森の奥へ、さらに奥へ……

         「さあ、こんなとこウロついてないでさっさと帰ろう……」

         そう言いながらも、僕はこの匂いの元を探してふらふらと進んでいった。

         

         

         「花の匂いに誘われたのは…… 貴方?」

         いつの間にか、目の前にはハダカの美しい女性がいた。

         「ふふ…… 匂いはここよ」

         彼女は、さらりと美しい髪をかき上げる。

         ふわっ…… と、甘い匂いがさらに濃くなった。

         まるで、周囲がピンク色に見えるほどに。

         匂いの元は、この美女だ。この女性から、凄くいい香りが……

         

         「私の匂い、もっと嗅ぎたい……?」

         「う、うん……」

         僕は、誘われるままにふらふらと彼女へ近付いていった。

         そして、彼女に触れる――

         その瞬間、僕の足元からしゅるしゅると何かが姿を現した。

         真っ赤な薔薇の花びら、とっても大きい。

         それが、何枚も、何枚も――

         僕と女性は、たちまち花びらの中心に閉じ込められてしまう。

         こんな異常な事態ながら、僕はどこか現実感を欠いていた。

         それよりも、もっとこの匂いを嗅いでいたい――

         

         「これは、束の間の甘美な夢。貴方と私は、この妖花アルラウネの雄しべと雌しべなの」

         そう言って、女性――アルラウネはにっこりと笑った。

         彼女の太腿から下は、周囲を包む花びらと一体化している。

         しかし僕は、それを奇異とも思えない。

         それより、もっと匂いを――

         「私の匂い、もっと嗅がせてあげる……」

         「ああ…… いいにおい……」

         アルラウネの匂いに酔い、溺れていく……

         僕のペニスは、下着の中でギンギンになっていた。

         この匂いを嗅いだときから、既にこうなってしまったのだ。

         「ふふっ…… いやらしい匂いでしょ?」

         「うん…… とってもエッチで、甘くて…… あぁ……」

         ピンクの視界が、徐々に白く染まっていく。

         股間で欲望が渦を巻き、弾けようとする。

         体の中に匂いが渦巻き、ペニスを押し上げて――

         

         「う、あぁぁぁぁ……」

         僕は、その匂いに包まれて喘ぎ悶えた。

         ペニスが、温い。

         触れられてもいないのに、こんなの……

         「ああ、はぁぁぁ…… うぁっ!!」

         どく、どく、どく、どく……

         そして、トランクスの中でペニスが弾けた。

         白濁液が噴き出し、ねっとりと下着を汚す。

         さらに、ズボンにまで精液はじわじわと染み始めた。

         

         「……あらあら。匂いだけで出しちゃったの?」

         アルラウネは呆れたような表情を浮かべる。

         「匂いに感じてくれたのは嬉しいけど、ちょっと早過ぎるわ……」

         「ご、ごめんなさい……」

         なぜだか分からないが、僕は素直に謝る。

         「気持ち悪いでしょ、早く脱ぎなさい……」

         アルラウネは、僕に体を摺り寄せてきた。

         周囲を囲う花びらは徐々にせばまっていき、アルラウネから離れられない。

         彼女は僕に体を擦り付けながら、上着を脱がしてくれた。

         さらにシャツまでも脱がされ、僕の上半身は裸にされる。

         

         「ふふ…… ジーンズにも、染みちゃってる」

         アルラウネはゆっくりと顔を落とし、僕の股間部分にぴたっと頬を当てた。

         「ア、アルラウネ……さん……?」

         「温かいね……」

         そう言いながら、彼女は股間に頬を擦り付け始める。

         すりすり、すりすり……

         

         「ああ、アルラウネさん……」

         ジーンズ越しに感じる、彼女の体温。

         そして、焦らすような頬の動き。

         アルラウネの頬は、僕の汚い体液でぬるぬると汚れて――

         

         「ふふっ…… また大きくなってきたね。興奮した?」

         僕は、たちまち勃起してしまった。

         ジーンズに遮られて、頬の感触も分からないのに――

         「貴方の精液、とっても美味しい」

         さらにアルラウネは、ジーンズの股間部分をペロペロと舐め始めた。

         ブルーの布地に彼女の赤い舌が這い回り、染み出た精液を舐め取っていく。

         「ああ、うう……」

         ジーンズの分厚い布地でほとんどの感触が遮られている――

         それにも関わらず、アルラウネが股間を舐めているという感触に僕は酔った。

         ぺろぺろ、ぴちゃ……

         「あ、ああぁぁぁ……」

         「ふふ、これで終わり」

         彼女は、ジーンズに染みた精液を全て舐め取ったようだ。

         ジーンズの股間は、彼女の唾液でぐっしょりと濡れている。

         

         「ふふ…… これもいらない」

         アルラウネは、そのまま僕のジーンズを脱がした。

         そして、同様に精液がべっとりと染みているトランクスに頬擦りを始める。

         すりすり…… すりすり……

         先程のジーンズとは違い、薄い布一枚を隔てたアルラウネの頬の感触。

         さらに、トランクスの上に彼女の舌が這い回り始める。

         たまらず僕は、その感触に喘ぎ始めてしまった。

         「ああ、うう…… 汚いよ、アルラウネさん……」

         僕はよろけ、背後の花びらにもたれてしまう。

         「ちょうどいいわ。そこで寝てなさい……」

         花びらはしゅるしゅると動き、僕の体を柔らかく包んだ。

         まるで花のベッド、甘い揺り篭だ。

         僕はそこにふんわりと寝かされ、股間では彼女の頭が淫らに動いている。

         ペニスを咥えられているわけではない。トランクスの上から舐められているだけなのに――

         もう、これ以上は――

         

         「あ、ああ……!」

         僕が呻いた瞬間に、アルラウネの舌はトランクスからスッと離れた。

         「今、出しそうになったでしょ。そう何度も、パンツの中で出させてはあげないわ」

         そう言いながら、アルラウネは僕のパンツをスルスルと脱がす。

         「ふふ、臭〜い……」

         嘲るように言いながら、彼女は僕のトランクスを裏返した。

         そして、精液で湿った部分をいやらしく舐め始める。

         ぴちゃ、ぴちゃ……という音が妖花の中に響いた。

         

         「……ん、ちゅ…… ふふ、美味しい……」

         僕のペニスが当たっていた部分に、アルラウネの舌が這い回る。

         ねっとりと唾液にまみれた、彼女の赤い舌が……

         僕は、アルラウネにペニスを直に舐めてもらっているような錯覚にとらわれ始めた。

         「ア、アルラウネさん……」

         「ふふ、ちょっと待っててね。次は、貴方のおちんちんを舐めてあげるから……」

         そう言って微笑みながら、アルラウネは僕のトランクスを舐め尽くした。

         彼女はトランクスを無造作に落とし、僕のペニスに顔を寄せてくる。

         舐めてもらえる……

         いよいよ、アルラウネさんに直に舐めてもらえる……

         

         「ふ〜っ……」

         そして彼女は、息をペニスに吐き掛けた。

         甘い匂いがふんわりと立ち込め、僕はその芳香に酔いながらペニスをヒクつかせる。

         僕を射精にまで追いやった匂い…… その香りを吸っているだけでも、たまらなく気持ちいい。

         

         「待たせたわね。じゃあ、舐めてあげる……」

         アルラウネの舌が、僕のペニスに伸びてきた。

         そして、やんわりと尿道口に触れる。

         彼女の舌は唾液でヌメりながら、亀頭をゆっくりと這い回った。

         その刺激に、甘い匂いに僕は弾ける。

         我ながら、恥ずかしくなるほどに早い限界だった。

         「ああ…… アルラウネさん、もう…… うぁぁぁッ!!」

         どくん、どく、どく、どく……

         僕は、たちまちアルラウネの舌に精液を放ってしまったのだ。

         「まだ、ちょっと舐めただけなのに…… 早いのね、貴方」

         精液が断続的に噴き出す尿道口に、アルラウネは舌をぐりぐりとねじ込んでくる。

         「あ、ああぁぁぁぁぁ!!」

         射精中のペニスを嫐られ、僕は快感の悲鳴を上げた。

         そして僕の精液は、アルラウネの舌に残らず吸い上げられてしまう。

         

         ちゅぱっ……と、彼女はペニスから舌を離した。

         「本当に早いのね。私のベロ、そんなに良かった?」

         僕は気恥ずかしくなって、アルラウネから目を逸らす。

         「ふふ、可愛い…… 次は、どこで搾り取ってあげようか?」

         笑いながら、彼女は体を寄せてきた。

         さらに匂いが濃くなり、僕の体は蕩けそうになる。

         そのままアルラウネは、身体を僕にぴったりと密着させた。

         柔らかいおっぱいが押し付けられ、僕の首には彼女の綺麗な手がするりと絡む。

         そして彼女は、僕の目を覗き込むように顔を近づけて――。

         髪がさらりと僕の肩に触れ、甘い匂いがますます濃くなった。

         

         「もっと嗅がしてあげる……」

         「ああ……」

         アルラウネは、喘ぎ声を漏らす僕の口を唇で塞いできた。

         もわっ、と濃くなる甘い香り。

         さらに彼女は、貪るように僕の唇や口内を舌で愛撫する。

         「キスで犯されるってのも、たまらないでしょ……」

         彼女の舌の感触、そして唇の感触……

         ああ、匂いが…… 甘い匂いが……

         

         「ふふ、また大きくなっちゃった」

         僕のペニスが勃起し、体を寄せていたアルラウネの柔らかい太腿に当たった。

         「ふふふ……、ここがいいんだ」

         アルラウネは、僕のペニスを太腿できゅっと挟み込んでくる。

         「あぁぁ……」

         彼女の温もりが、太腿の柔らかい感触が、ペニスから伝わってきた。

         僕は腰を震わせ、その温もりを味わい始める。

         「太腿で犯してあげる…… でも、忘れないで。これは夢なんだから……」

         「……ん! んんっ!」

         温かい肉にじわじわと締め付けられ、僕は喘ぎ声を漏らす――

         が、アルラウネの唇で遮られた。

         「んん! ん! ん――!!」

         彼女に口を吸われている事で、ますます濃くなる甘い匂い。

         脳までがアルラウネの香りに犯される。

         彼女の体温で、匂いで包み溶かされていく――

         

         しゅり、しゅり、しゅり……

         アルラウネはゆっくりと両太腿を動かし、挟み込んでいる僕の肉棒に甘美な刺激を与え始めた。

         きめ細やかな肌の感触が極上の刺激を伝え、早くも先走りが漏れ始める。

         もう、このままだと――

         「ア、アルラウネさん……」

         僕は彼女の濃厚な接吻を受けながら、何とか言葉にした。

         「なぁに? もう限界? ふふ…… 私のおまんこに入れたい?」

         ちゅぱっと口を離し、アルラウネは微かに笑う。

         「……!? い、入れたい……!」

         余りにも露骨な彼女の誘いに、僕は何度も頷いた。

         「入れたい…… 入れさせて……」

         「ふふふ、だ〜め。このまま太腿でイかせてあげる」

         アルラウネは、意地悪く笑った。

         僕のペニスからは先走り液がねとねとと溢れ、彼女の太腿を濡らしている。

         しゅり、しゅり、という摩擦音にも、ねちゃねちゃと水音が混じり始めた。

         「入れさせ……んんッ!!」

         懇願する僕の口を、再びアルラウネの唇が塞いだ。

         「ダ・メ。私の太腿に挟まれて、精液漏らしちゃいなさい……」

         「んん……! ん〜〜ッ!!」

         アルラウネの太腿は、巧みに僕のペニスにこすり付けられる。

         スベスベの肌、ぬくぬくの体温、やんわりとした動き……

         下半身だけでなく、上半身までもが彼女の責めにさらされていた。

         舌が僕の口内を犯し、匂いが脳内を犯す。

         全身に快感がじんわりと広がり、僕の頭は真っ白になった。

         もう、ダメだ――

         

         「……んっ! ん――!! んん――ッ!!」

         どく、どく、どく、どく……

         僕は、アルラウネの太腿に挟まれたまま昇天してしまった。

         体をガクガクと震わせ、彼女の太腿に絶頂の滾りを吐き出す。

         「ふふ、温かぁい……」

         アルラウネは淫靡な笑みを浮かべ、なおも僕のペニスを責め嫐ってきた。

         「んんッ!! ん――!!」

         僕のペニスはアルラウネの太腿でキュッキュッと挟まれ、その肉圧で精液を全て絞り出されてしまった。

         彼女の太腿は、僕の吐き出した白濁液でべっとりと汚れている……

         そのさまは、とてつもなく淫靡だった。

         

         「ふふ、入れたかった……?」

         アルラウネはそう言って、僕のペニスを太腿から解放する――

         ――と思ったら、根元をキュッと綺麗な手で握られた。

         「次は、どこで搾ってあげようかな……?」

         そう言いながら、やわやわとペニスを揉み立ててくる。

         その魔性の指技に、僕のペニスはみるみる勃起していった。

         「どこにしようかな……ふふっ」

         アルラウネは、握った僕のペニスを自分の下腹部にふにゅっと押し付ける。

         女性の柔らかい肉と僕の亀頭が接し、温かい感触が伝わってきた。

         「どこで、搾ってあげようかな……?」

         そう呟きながら、彼女はペニスをゆっくりと下腹部に擦り付けていく。

         すりすり、すりすり、すりすり……

         「あ、あぁぁぁぁぁ……」

         僕はペニスを彼女の意思のままに弄ばれ、下腹部の至るところに亀頭を擦り付けられた。

         「おっぱいにしようかな……?」

         まるで歌うように言いながら、握ったペニスの先端を自らの腹に這い回らせる。

         ナメクジが這ったかのように、尿道口から漏れた先走り液がぬるぬると彼女の腹に跡を残した。

         「それとも、もう一回太腿で搾ろうかな……?」

         アルラウネの気まぐれに委ね、どこへ向かうでもなく彼女の肌にこすりつけられるペニス。

         僕の性感は、否応にも無く高まっていく。

         このまま、アルラウネのお腹に精液を吐き出してしまいそうなくらい――

         

         「……じゃあ、入れさせてあげましょうか」

         彼女の言葉に、僕は唾を飲み込んだ。

         いよいよ、彼女の膣に……

         「ただし、ここにね」

         そう言って、アルラウネはペニスを握る手をぴったりと止めた。

         「ふふ、お・へ・そ」

         そこは、へその部分。

         お腹の真ん中で可愛らしく自己主張しているアルラウネのへそ、そこは人間のものと全く変わらない。

         彼女は、そんなへその部分に亀頭を押し当てたままにっこりと笑った。

         入れるって、まさか――

         

         ずぶずぶ……

         

         アルラウネは、僕のペニスを小さなへそで一気に飲み込んだ。

         僕のペニスは、彼女の狭いへそにみっちりとうずもれる。

         「ああ…… ああぁぁぁッ! こ、こんなの……!?」

         「ふふ、人間だと出来ないでしょ? 私のおへそ、気持ちいい?」

         へそに挿入した僕のペニスを、なにか柔らかいものが何層にも重なって包み込んできた。

         そして真綿で首を締めるように、じんわりと圧迫していく。

         「せ、せまい……! あったかい……! ああッ!!」

         じんわり、じんわりと鈍く締め付けられ、僕のペニスは高まっていった。

         アルラウネ自身の身体は、まるで動いていない――と言うより、摩擦によって快感を与える部位ではないのだろう。

         それでも彼女のへそは、じわじわ、じわじわと鈍い快感を与えてくる。

         

         「私の鼓動も、感じさせてあげる……」

         「え……?」

         とくん、とくん、という脈動。

         それが、締め付けられているペニスを通じて伝わってきた。

         とくん、とくん、とくん、とくん……

         

         「どう? おへその中、とくんとくんしてるでしょ?」

         「な、なにこれ……!? ああッ!!」

         アルラウネのへその中が、とくん、とくんと収縮する。

         その余りにも甘美な脈動が、僕のペニスに絶えず蕩けるような刺激を与えてくるのだ。

         「私の温もり、匂い、鼓動…… 生命の息吹を感じて…… そこに、貴方の生命を注いで……」

         そして、快楽に飲み込まれるのは一瞬だった。

         じわじわと射精感が高まり、股間で渦を巻き始める。

         「あ! アルラウネさん、もう……!! 離して……!」

         僕は、なぜだか彼女のへその中に射精してしまうことに恐怖を覚えた。

         深い、深い奈落に飛び降りてしまうような恐怖。

         この中に出すと、僕は深みに嵌って抜けられなくなってしまう――

         

         「離して……! アルラウネさん、離して……」

         僕は腰を引こうとするが、ペニスはしっかりと彼女のへそに咥え込まれて離れられない。

         「駄目よ、私のおへその中で射精しなさい」

         くちゅ…… と締まってくるアルラウネのへそ。

         内壁が甘く密着してきて、とくん、とくん、という鼓動が僕のペニスに伝わってきて……

         もう…… もうだめだ…… アルラウネのへそに……

         

         「うぁ――ッ!! ア、アルラウネさん……っ!」

         ひときわ大きく、彼女の名を呼ぶ。

         そして、僕の中で快感が弾けた。

         どく、どくどく……

         「あ、ああぁぁぁぁぁ……」

         僕は身体を揺さぶり、アルラウネのへその中に精液を注いでしまう。

         とくん、とくん、とくん……

         彼女のへそに包まれ、その鼓動に翻弄されながら、最後の一滴までを搾り出されてしまった。

         

         「うふふ…… おへそでイっちゃった」

         アルラウネは腹を柔らかく撫で、にっこりと笑った。

         「はぁ、はぁ……」

         ペニスをへそに挿入したまま、快楽の余韻を味わう僕――しかし、そんな穏やかな時間は続かなかった。

         へその内部で、肉壁が絡みついてきたのだ。

         さっきまでの真綿で首を締めるような鈍い締め付けに加えて、ちゅぷちゅぷと小刻みに吸い付いてくるような……

         じわじわ、ちゅぷちゅぷ、とくん、とくん……

         

         「あっ、何これ…… おへそが、吸い付いてきて……! ああッ……」

         アルラウネの体にしがみつきながら、僕は愉悦の声を上げた。

         腰が抜けそうになる…… だが、彼女のへそはペニスを離してくれない。

         「私のおへそに精液注いじゃったら、ますます貪欲に欲しがってくるの…… ふふ、エッチなおへそでしょ?」

         アルラウネは、僕の腰をさすりながら告げる。

         「うふふ、何回出したら離してもらえるかしらね? 貴方のおちんちん、もう二度と私のおへそから出れないかも……」

         「そんな…… ああッ!!」

         きゅっと絞られて、僕は快楽の呻きをこぼす。

         とくん、とくん、ちゅぷちゅぷ……

         へその中の脈動と、断続的な吸い付き…… そして、ペニスを嫐る動きが一つになった。

         とくん、とくん、とへそ内部が脈打つと同時に、ちゅぷっ、ちゅぷっ、と吸われてしまう。

         それが、小刻みに何度も何度も……

         アルラウネのへそは、彼女の言うとおり貪欲に精液を求めていた。

         挿入されたペニスから、精を残らず搾り上げるべく――

         

         「うふふ。おへそにおちんちん食べられちゃってるみたいな感じでしょ」

         「ああ、あぁぁ……」

         アルラウネの問いかけに対して、ただ喘ぎながら身体を揺らすしかできない。

         僕はその快感に、たちまち昇り詰めてしまった。

         「ああッ! 出るッ……!! アルラウネさんの、おへそに……!」

         どくん、どく、どく、どくどく……

         僕は、彼女のへその中に再び精液を注ぎこんでしまった。

         アルラウネのへそは、とくん、とくんと脈動しながら精液をちゅぷちゅぷと啜り上げていく。

         僕のペニスが締め付けられながら吸い上げられ、たまらない快感を生み出す。

         きゅっ、とくん、とくん、ちゅぷ、ちゅぷ…… とくん、とくん……

         アルラウネのへそは、淡々と精液を吸い上げる為の器官と化していた。

         

         「ああ、おへそに…… おへそに……」

         「ふふ…… 吸われてるの、分かる?」

         アルラウネはやんわりと笑った。

         さらに、射精の快感がいつまでも持続する。

         普通ならとうに射精が終わっているはずのペニスが、いつまでもドクドクと精液を吐き出し続ける。

         アルラウネの、魔性のへそに翻弄され続けて――

         「ああ、止まらない……」

         「私のおへそに入れちゃうと、こうなっちゃうの。もう、貴方の精を吸い尽くすまで止まらないわ……」

         精を吸い尽くされたら、その先には――死?

         「いやだ、そんな……!」

         「ふふっ。でも、気持ちいいでしょ?」

         確かに、アルラウネのへそは最高の快感を与えてくれている。

         とくん、とくん、という脈動がペニスを緩やかに責め嫐り、精液を絶えず搾り出し続ける。

         このまま、全ての精液を――いや、生命を彼女のへそに注ぎこんで……

         僕がいるのは、花のベッドなんかじゃない。ましてや甘い揺り篭なんかじゃない。

         ここは、アルラウネによる搾精の牢獄――

         

         「さぁ、恐怖なんて忘れなさい。これは、夢なんだから……」

         ふんわり、と――

         彼女の甘い匂いが、再び周囲をピンク色に染めた。

         脳が麻痺し、快楽に身を委ねてしまいたくなる。

         下腹部がもやもやして、たまらなくなる。

         アルラウネのへそに、そのもやもやを全て注ぎ込みたくなる。

         

         とくん、とくん、ちゅぷちゅぷ……

         「ああ、気持ちいい……」

         どく、どく…… 僕のペニスは、緩やかに精液を吐き出し続ける。

         体に力が入らない。

         もう、何も考えられない。

         

         「おへそ…… おへそ…… 気持ちいい……」

         「そう、良かったわね」

         アルラウネが、まるで幼児に対するように僕の頭を撫でた。

         いや、僕の脳が幼児レベルに逆行してるんだろう。

         「全部、おへそに吸い出されちゃいなさい。全部――」

         「ああ、ああぁぁぁぁぁ……」

         とくん、とくん、ちゅぷちゅぷ……、とくん、とくん……

         

         僕の全てを、この女性にあげてしまいたい。

         彼女の糧になれるのなら、もう死んでしまったって構わない。

         もっともっと、アルラウネを感じていたい――

         

         意識が薄れていく。

         頭が、真っ白な霧に支配される。

         アルラウネの匂いに酔い、へそに精液をちゅぷちゅぷと搾られながら。

         彼女の匂いを、体温を、鼓動を感じながら――

         そして僕は、ゆっくりと意識を失っていった。

         とくん、とくん、とくん……

         

         

         

         「……!?」

         僕は、ゆっくりと顔を上げた。

         頭はたちまちクリアになっていく。

         思考能力が戻り、論理的に物事が考えられる。

         ここは…… あの森?

         僕は、アルラウネに全精気を吸われて死んだんじゃ……?

         

         「なんで生きてるのか、信じられないって顔ね」

         そう話し掛けてくる女性――アルラウネ。

         「最初から、私は獲物が死ぬまで精を搾り取ったりはしないわ」

         「な、なんで……?」

         「一つ覚えておきなさい、花を愛する人に悪人はいないの」

         アルラウネは、にっこり笑って言った。

         

         「で、でも…… 僕は……」

         「――夢は終わり。貴方の家に帰りなさい」

         思わず僕の口を突いて出ようとした言葉、それをアルラウネは鋭く掻き消した。

         「……」

         黙り込んでうつむく僕に対し、アルラウネは優しく頭を撫でてくる。

         まるで、駄々をこねた幼児に対するように――

         「私は、ただ貰うだけの存在なの。貴方に何も与える事はできない。そして、誰も幸せにできない」

         「そんなの――」

         「だから、夢なの。人と妖花の接点なんて、夢だけでいいのよ」

         アルラウネは、そう言って視線を逸らした。

         「夢は必ず終わるもの。醒めない夢なんてない――そうでしょう?」

         「そうだね。さよなら、アルラウネさん……」

         僕は、すっと彼女に背を向けた。

         これ以上言っても、アルラウネを困らせるだけ。

         これは夢、一夜限りの夢だったんだ――

         

         そして僕は、彼女の森を出た。

         夢は終わり、僕は現実に帰る。

         僕の居場所は、夢の中じゃない。

         そんなの分かっている。でも――

         

         「……!?」

         僕が思わず振り返った時、森は消えていた。

         そうだ、そもそもこんな場所に森なんてなかったじゃないか。

         来た時は少しも疑問に思わなかったが、ここは住宅地。

         あんな深い森があるはずがない――

         

         そして僕は、二度とその森を見つける事はできなかった。

         アルラウネの記憶は、甘美な夢――僕はそう思うことにした。

         そして僕は、今も現実を生きている。

         あの森を、あの束の間の夢を恋焦がれながら――

         

 

 



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