ラフレシア娘


 

 東南アジア、タイ――

 僕は、密林の中にいた。

 まだ学生でありながらも、通っている大学研究室の調査に同行させてもらったのだが……

 軽い観光気分だったのが災いしたのか、なんと密林で仲間達とはぐれてしまったのだ。

 もう四時間近くウロウロとさまよっているが、このままじゃ――

 

 「ったく、どうなってるんだ…… くそっ」

 最悪の予感を振り払うように、僕は悪態を吐いた。

 いい加減、腹も減ってきて――

 

 むにゅっ。

 「……ん?」

 何か、軟らかいものを踏ん付けてしまったようだ。

 「これは――!?」

 足元に視線を落とし、僕は仰天した。

 世界最大の花と言われる(もっとも、最大記録は他の花らしいが)ラフレシア。

 その花弁を踏ん付けていたのだ。

 地面に花開いた毒々しい色のラフレシアは、五枚の花びらをだらりと広げている。

 

 「でもこれ、やけに大きくないか……?」

 普通のラフレシアで、大きくても直径は1m程度。

 しかしこのラフレシアは、花弁一枚の大きさだけでも1mに達していたのだ。

 「まあ、いいか……」

 僕がその場から立ち去ろうとした瞬間、奇妙な出来事が起こった。

 ラフレシアの五枚の花弁がゆっくりと動き出し、起き上がってきたのだ。

 まるで、花を閉じるかのように中央に向かって収束し始める。

 そして、ラフレシアを踏ん付けていた僕は――

 

 「う、うわぁぁッ!!」

 僕はその場から飛び退くこともできず、五枚の花弁にがっちりと両足を拘束された。

 下半身を隙間なく覆い込んだ花弁は非常に柔らかいにもかかわらず、その力はかなり強い。

 これじゃ、ここから動けないじゃないか――

 「なんだ、これ……!」

 当惑する僕は、さらに異常な出来事に襲われた。

 花弁の内部からじわじわと分泌された粘液――それに触れ、ジーンズがシュワシュワと溶け出したようなのだ。

 花弁に覆い込まれて中の様子が見えないが、徐々に足がスースーとし始める。

 下半身が、このまま溶かされようとしている――!?

 「な、なんだこれッ! くそッ! 離せッ!!」

 僕は必死でもがき、花弁から抜け出ようとする。

 ジーンズは溶け、その温かい粘液は僕の足を直接濡らしていた。

 まずい、このままじゃ足が――

 「う、うわぁぁぁぁぁッ!」

 

 「大丈夫…… 溶かすのは繊維質だけです……」

 唐突に女性の声がした。

 見ると、木の陰から可愛らしい女性がおずおずとこちらを覗いていたのだ。

 「溶けるのは服だけです…… 足は溶けません……」

 女性はじっとこちらを見ながら、潤んだ目で話しかけてくる。

 僕はなぜか、子リスを連想してしまった。

 

 「これ、君がやってるのか……!? 離してくれよ! 何をする気なんだ……!」

 「す、すみません! すぐ済みますので……!」

 声を荒げる僕に対して、女性の顔はすいと木陰に引っ込んだ。

 強く言い過ぎたと反省した僕は、焦る心を抑えながら優しく話し掛ける。

 「な、なぁ…… 離してくれないか? どんなイタズラか分からないけど、これはちょっと冗談にならないよ……」

 

 ――イタズラ?

 これがイタズラな訳がないだろう?

 僕は、自分の言葉の滑稽さを自覚していた。

 こんな巨大ラフレシアを自在に操り、服を溶かしてしまう存在――

 

 「な、なぁ…… 頼むよ…… い、命だけは……」

 僕の言葉は、いつしか命乞いに摩り替わっていた。

 五枚の花弁に覆われた僕の下半身――ジーンズも下着も全て溶かされてしまったようだ。

 花弁で遮られて見えないものの、僕の下半身は内部で完全に露出していた。

 「い、命は取りません…… その子も私の体の一部ですから、乱暴な事はしません……」

 女性の顔が、木陰からゆっくりと覗く。

 「ごめんなさい、怖がらせて…… すぐ、すぐ終わりますから……」

 今にも泣きそうな顔で、女性は言った。

 

 ぬる…… にゅるにゅるにゅる……

 「え……? あ、ああぁぁぁ……」

 僕の下半身を覆っていた花弁の内壁が、やわやわと動き始めた。

 その内壁が粘液を分泌しながら、ぬるぬると蠢いてくる。

 「ちょ……! な、何を…… あぁぁぁ……」

 くすぐったい、そして気持ちいい刺激に、僕はみっともない喘ぎ声を漏らした。

 花弁の内壁は僕の足や太腿などにねっとりと絡み付き、柔らかく揉み解してくる。

 たちまち僕のペニスは刺激に反応し、むくむくと頭をもたげていった。

 何を…… 何をされてるんだ?

 

 「これなら、すぐ終わると思います…… どうか目をつぶって、体を委ねて下さい……」

 女性は、申し訳なさそうに言った。

 「ちょっと待てよ……! 一体、何を…… ああぁぁぁぁぁぁ……」

 完全に勃起したペニスが、べちゃりと花弁の内壁に当たる。

 内壁は蠢きながらペニスを包み、甘美な脈動を味あわせてきた。

 ぬるぬる、にゅるにゅるにゅる……

 

 「お、おい……! やめッ……! ああッ!」

 その愛撫に身悶える僕。

 これも、目の前の女性が……

 「もう出そうですか…… じゃあ、用意しますね……」

 「え……?」

 しゅるしゅる…… つん。

 尿道口に、何か柔らかいものが軽く触れた。

 まるで、ペニスの先端にキスをするように。

 つん…… つん……

 「あ……! な、なんだこれ……!」

 断続的に敏感な尿道口を突付かれ、僕は身悶えた。

 射精の欲求が、下半身からみるみると沸き上がっていく。

 

 「私の雌しべです、それ…… 精液、そこに出して下さい……」

 「あぁぁ…… め、雌しべ……!?」

 僕は喘ぎながらも、衝撃を受けた。

 雌しべに向かって射精……!?

 それは――

 

 「出して下さい…… 精液、いっぱい……」

 女性はそう言いながら、僕のペニスを追い詰めていく。

 粘液にまみれた内壁で肉棒全体を揉み解し、亀頭部を雌しべでくすぐり……

 そんな甘美な刺激に、僕は今にも屈服してしまいそうだ。

 このままじゃ、もう――

 

 さわさわ…… ぐにゅ…… ぐにゅぐにゅ、さわさわ……

 「精液、下さい…… 私の雌しべに……」

 「ああ…… うわぁぁぁぁぁぁぁッ!!」

 その優しい刺激に、僕の脳は占領された。

 腰がガクガクと震え、出口を求めて快感が弾ける――

 

 どぷっ、どくどくどくどく……

 

 僕は、体を震わせて射精していた。

 腰を突き出し、ペニスを脈動させて……

 花弁で見えないが、尿道部をくすぐっていた雌しべに精液がたっぷりと降りかかってしまっただろう。

 これはすなわち、彼女に――

 そんな事を考えながらも僕は快楽を甘受し、精液を思う存分に吐き出してしまった。

 こんな奇妙な花にイかされた―― なんとも言えない敗北感と屈辱感、そして満足感を抱きながら。

 

 「……ん ……来ました」

 女性は腹をやんわりと撫で、にっこりと笑った。

 「ありがとうございます…… 受精しました……」

 「じ、受精……!」

 女性は柔らかく微笑みながら、恐ろしい事を告げる。

 見知らぬ女性を…… しかも明らかに人間じゃない女性を、妊娠させてしまった……?

 

 「大丈夫です…… 貴方に御迷惑は掛けませんから。夢の中の出来事だと思って頂ければ……」

 表情から僕の心理を察したのか、女性は言った。

 いくら本人から夢だと言われても、そんな――

 「ありがとうございます…… 御褒美、あげますね……」

 少女は、微かに笑みを見せた。

 

 ――ちゅるん。

 

 「あ……? え……!?」

 僕のペニスは、何かの内部に吸い込まれた。

 「これ、何……!? うわッ! ああぁぁぁぁぁ!!」

 花弁に覆われているので、股間で何が起きているのかまるで見えない。

 ただ僕のペニスは何かに包み込まれ、うにゅうにゅと奥深くに吸い込まれようとしていた。

 うにゅ…… にゅるにゅる……

 

 「それ、私の雌しべです……」

 女性は、微かに頬を赤らめながら言った。

 「御褒美にたっぷり吸い込んであげますから、気持ちよくなって下さい…… そのまま射精されても結構です……」

 「御褒美って…… そんな、うわぁぁぁぁぁ……」

 その優しい刺激に、腰が砕けそうになる。

 にゅるにゅる、にゅるにゅると深く吸い上げ、彼女の雌しべは甘美な刺激を送ってくるのだ。

 僕のペニスは完全に雌しべに包み込まれ、そして雌しべの先端がペニスの付け根に当たった。

 にゅるにゅる、にゅるにゅる――

 

 「これが御褒美です…… ふふ……」

 女性は、控えめに笑う。

 「受精した後だから…… 雌しべでこんな事までしてあげられるんですよ……」

 にゅるにゅるとペニスを吸い込まれ、僕は天国を味わった。

 こんな…… こんな感覚は……

 

 「あうっ!! もう、出る……」

 「いいですよ…… そのまま、中に……」

 「ああっ! ああぁぁぁぁぁぁぁぁ……!!」

 その余りにも甘く優しい刺激に、僕はたちまち昇天してしまった。

 どくん、どくどくどく……

 彼女の雌しべの中に、そのまま精を放ってしまう。

 「ふふ…… 出てる……」

 射精中のペニスまでが、ずるずると吸い込まれていく。

 僕のペニスは精液を吐き出しながら、奥へ、奥へ……

 「ああぁぁぁ……!」

 身を震わせながら、僕は雌しべの中にたっぷりと精液を注ぎこんでしまった。

 いとも容易く、彼女の『御褒美』に屈してしまったのだ。

 

 にゅるにゅる…… にゅるにゅる……

 それでも、僕のペニスはまだまだ奥へ引き込まれていく。

 既に雌しべの先端はペニスの付け根にまで接しているのに、これは――

 「男性の方は、挿入する瞬間の感覚が気持ちいいのでしょう……? だから、それを存分に味わってください……」

 「え……? ああッ! あぁぁぁぁぁ……」

 にゅるにゅる…… にゅるにゅる……

 僕は、どこまでも奥深くにペニスを突き入れていく感覚に襲われた。

 肉の穴にペニスを突き入れる瞬間の、ずにゅるとした感覚。

 亀頭部が、肉に挟まれて押し潰されそうになる感覚。

 その狭い肉の道を、ペニスが無理やり分け入っていくような感覚。

 そんな感覚を、強制的に与えられ続けているのだ。

 

 「ああッ! こ、こんなの……!」

 「御褒美、もっとあげます……」

 にゅるにゅる…… にゅるにゅる……

 底のない膣に、深く深く深くはまり込んでいくような――

 まさに、挿入し続ける感覚。

 僕のペニスは、雌しべにどこまでも吸引され続ける。

 溶かすように甘く、蕩かすように優しく――

 

 「あ、あうッ! うぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 限界はあっさりと訪れた。

 僕のペニスから精液が迸り、彼女の雌しべのなかにドクドクと注がれていく。

 「いい…… 気持ちいい……!」

 僕は腰を震わせ、その快感を味わった。

 射精しながらも、やはり僕のペニスは奥深くへと吸い上げられていく。

 どこまでも、どこまでも深く――

 天にも昇るような快感を、僕は強制的に与え続けられているのだ。

 

 「もっと果てて下さい…… もっともっと、私の中で……」

 「うぁぁ……! ああああッ!!」

 にゅるにゅる…… にゅるにゅる……

 容赦なく、僕のペニスは吸い上げられ続ける。

 その甘美な刺激に耐え切れず、僕は雌しべの中で何度も果てた。

 しかし途中で絶頂しても関係なく、ひたすらに奥へと誘われる――

 

 「ああッ! ああぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 彼女の雌しべの中に、延々と精液を注ぎ続ける僕。

 体を震わせて表情を弛緩させ、僕は何度も何度も絶頂し続ける。

 「ふふ…… 存分に天国を味わって下さいね……」

 そんな僕の様子を木陰からじっと見ながら、彼女はにっこりと微笑んだ。

 

 これが、彼女の御褒美……!?

 こんなの、気持ちよすぎて――

 とても過酷で――

 

 「ああ…… うあッ! あああぁぁぁぁぁッ!!」

 にゅるにゅる…… にゅるにゅる……

 どくん、どく、どく、どく……

 

 

 

 「……うう」

 僕は、ヨロけながら立ち上がった。

 どうやら、腹が減って倒れてしまったようだ。

 体には、凄まじい疲労感が――

 

 「う、うわっ!!」

 僕は、自分の状況を見て仰天した。

 下半身がなんと素っ裸。

 履いていたはずのジーンズや下着はどこかに消え去っている。

 さらに、下半身は不気味な粘液でヌラヌラなのだ。

 

 「な、何でこんな事に……」

 そして僕は、目の前に道がある事に気付いた。

 ここは、森の出口。

 この道を進めば、おそらく町へ着くはず――

 

 「……ど、どうなってるんだ?」

 余りの空腹で意識が朦朧としつつも、無意識のままにここまで辿り着いた?

 その途中で何故かジーンズ等が脱げ、粘液浸しになった……?

 良く分からないが、そういう事なんだろう。

 

 「まあ、とにかく助かったんだよな……」

 僕は安堵のため息をついて、森の方に振り返った。

 その瞬間、木の陰に女性のような影がスッと引っ込んだような気がする。

 「何だ、今の……? まあ、いいか」

 僕はナップサックから取り出したタオルを下半身に巻き付け、町へと歩いていった。

 

 

 



この娘さんに搾られてしまった方は、以下のボタンをどうぞ。




一覧に戻る