スキュラ


 

 「そうですか、わざわざ日本から……」

  その女性は、テーブルの上に美味しそうな料理をてきぱきと並べた。

 「ええ。日本語お上手ですよね。住んでたことがあるんですか?」

 青年はそう尋ねながら、美味しそうなシチュー、そして目の前の綺麗な女性に視線を移す。

 彼女は、少女と大人のちょうど中間くらいの雰囲気。

 そんな年齢でありながら、女性はこの小さな家で一人暮らしをしているという。

 

 「いえいえ、ちょっと勉強しただけですよ」

 まるで母国語のように日本語を使いこなす女性。

 彼女は青年の向かいの椅子に腰を下ろし、やんわりと微笑んだ。

 テーブルを挟んで向かい合うのが気恥ずかしく、彼は料理の方に視線を落とす。

 そして青年は、この家に招待されたいきさつを思い出していた。

 

 

 ――青年が、この村に来たのは今日の昼のことである。

 17歳の夏休み、彼は一人での海外旅行を思い立った。

 そして、ヨーロッパ旅行の最中にふらふらと立ち寄ったのがこの村なのだ。

 閑散としていたが、それなりに人は住んでいるようだった。

 ただし、なぜか少女や若い女性ばかりだが。

 当惑する彼に対し、この綺麗な女性が話し掛けてきたのだ。

 そして、夕食を頂くことになった――

 

 

 「――この村、男性が不足しているんですよ」

 軽くため息をつき、女性は言った。

 確かに、村には女性ばかり。働き手は足りないように見える。

 女性は視線を上げ、青年の顔をまっすぐに見据えた。

 「さぁ、スープが冷めてしまいますよ。どうぞ召し上がってください」

 「え…… でも」

 青年は当惑した。

 料理が並んでいるのは彼の前だけで、女性のところには一皿も置かれていないのだ。

 「あ、私の事は気にしなくていいですよ。あとでゆっくり頂きますから……ふふっ」

 女性は笑顔で言った。

 一緒には食べないのか……?

 まあ、客をもてなす時にそういう慣習があってもおかしくない。

 なにせ、ここは日本ではないのだから。

 

 「いただきまーす!」

 青年は、礼儀正しく両掌を合わせた。

 「その動作は、何なのですか……?」

 女性は、目をぱちくりさせて尋ねる。

 「ああ、これ……? 日本では、食事の前と後に恵みを感謝して手を合わせるんですよ。

  この仕草は、主に感謝の意味があるんです。それ以外にもいろんな場合に使うんですけどね。神への祈りとか――」

 青年は、丁寧に説明した。

 「――あと、死者への追悼とか」

 「まあ、素敵」

 女性は、にっこりと笑みを浮かべた。

 「私も、今度使ってみていいですか?」

 「ええ、どうぞ」

 別に、青年の許しを得るようなことではない。

 それでも、彼は目の前の女性に好感を持った。

 そして青年は、テーブルに並ぶ美味しそうな料理に手を付け始めた。

 

 むしゃむしゃ、もぐもぐ……

 パンをちぎり、シチューを啜る青年の姿を、女性は微笑みながらじっと見ている。

 気恥ずかしさを感じながらも、彼は食事を終えた。

 再び彼は、礼儀正しく両掌を合わせる。

 「――ごちそうさまでした。美味しかったです」

 「ふふ、光栄です」

 「でも、本当にありがとうございます。食事までごちそうになってしまって――」

 「いえいえ、ごちそうになるのは私の方ですから」

 にっこりと笑って女性は言った。

 なにか、微妙に話が噛み合っていないが……

 いやいや、彼女は日本語が母国語ではないのだ。

 このくらいの言葉のすれ違い、別に珍しくもないだろう。

 

 「あの……」

 ここで青年は、おずおずと切り出した。

 たった一つ、ずっと聞きそびれていた事がある。

 普通なら最初に聞くのだが、彼にはその機会がなかったのだ。

 「……あなたの名前、なんて言うんですか?」

 

 「――スキュラ」

 彼女は、静かに告げた。

 「え……?」

 スキュラって確か、怪物の名前じゃなかったか?

 「スキュラって、ギリシャ神話の……?」

 流石に、その名前を持つ本人の前で『怪物の名ですか?』とは聞けない。

 「……ええ」

 スキュラと名乗った女性は、ゆっくりと頷いた。

 「上半身は女性で、下半身は六つの犬の頭と十二本の犬の足を持つ怪物――

  もっとも、下半身はタコの触手とか蛇の頭とか、異聞はありますけどね」

 「はは…… 伝説って、結構いい加減ですよね」

 青年は、なんとか話を変えようとした。

 あまり、この話題は良くない――そんな気がする。

 「ええ。実際は犬でもタコでも蛇でもなく、先端に口のある無数の触手なんですけどね」

 平然とそう言って、ふふふと笑うスキュラ。

 「実際って…… まるで、本物のスキュラを見た事がみたいな――」

 「あら? 貴方の目の前にいるんですよ?」

 女性は、ふっと笑った。

 その時、彼の足に何かぬるぬるしたものが絡みつく。

 「……?」

 青年は、テーブルの下を覗き込んだ。

 

 「あ、うぁぁぁッ!!」

 そこで彼が目にしたのは、床を這い回る無数のヘビ――

 いや、ヘビじゃない。

 先端に口はあるものの、こんなヘビはいない。

 ぬるぬると粘液がしたたる触手……?

 そんな不気味なものが、青年の足にしゅるしゅると絡み付いて――

 

 「う、うわぁッ!!」

 思わずのけぞろうとして、青年は椅子ごと引っくり返ってしまった。

 床に転がってから、彼は気付く。

 そこにも、触手が這い回って――

 いや、床も壁も触手だらけだ……!

 人間の太腿ほどの太さがある触手から、小指程度の細い触手まで大小さまざま。

 そんな触手が、ぬるぬると粘つきながら家中を這っていた。

 

 「ふふ…… 私はスキュラ。人の肉と精を糧とする妖魔」

 スキュラは、ゆっくりと椅子から立ち上がった。

 スカートがビリビリと破け、その下からが異形の下半身が姿を現す。

 この家中に広がっている触手が彼女の下半身で束ねられており、ぬるぬるとした粘液で濡れ……

 

 「あ…… うわぁぁッ!!」

 青年は尻餅をついたままずるずると床を這い、家の出口に向かった。

 だが、出口の扉にも通せんぼをするように触手が這い回っている。

 「ふふふ…… 逃がしません」

 スキュラは、後ずさる青年に近寄ってきた。

 綺麗な顔に笑みを浮かべ、異形の下半身をうねらせて――

 

 「あ、あ……! うわぁぁぁ!!」

 「ふふっ……」

 床を這っていた触手が、青年の四肢に絡みついた。

 ぬらぬらとぬめって軟らかいにもかかわらず、その力は強い。

 たちまち動きを拘束された青年に向かって、彼女の下半身からも触手が伸びてくる。

 「や、やめろォッ! ああぁぁぁ!!」

 スキュラの触手は、青年の全身にしゅるしゅると絡み付いてきた。

 シュウシュウと音がして、彼の着ている服や下着が溶けていく。

 ――これは、酸の粘液?

 「溶かすのは、衣服だけ。体は傷つけませんので、安心して下さいね」

 軽く微笑み、スキュラは告げる。

 彼女の言葉通り、青年は一切の肉体的ダメージを受けないまま全裸にされた。

 そして彼の素肌に、スキュラの触手がぬるぬると絡みつく。

 「あ、うぁぁぁぁぁぁぁ……!」

 「うふふ……」

 スキュラは目を細め、にやりと笑った。

 その理由は明らか――今の青年の悲鳴には、恐怖によるものではない熱がこもっていたからだ。

 

 「ああッ……! うぁぁぁ……!」

 完全に衣服を溶かし去ってなお、触手は青年の身体に絡み続けていた。

 粘液に濡れた触手が、ぬちょぬちょと全身を這い回る快感――

 それは、まさに愛撫そのものだった。

 「うふふ…… 私の手で、たっぷりと嫐って差し上げます」

 「あぁぁぁぁ……!」

 スキュラの触手は腕ににゅるにゅると絡み付き、胸や腹、背中を這い回る。

 太腿に巻き付いて、締め上げては緩め…… 足の裏をぬるぬるとくすぐられた。

 多彩な責めで、青年の体のあちこちを嫐る触手――

 だが、下腹部から股間までは全く触れてこない。

 

 「ぬるぬる、気持ちいいでしょう。女の子みたいに、思う存分喘いで下さいね」

 「ああぁぁ…… うぁぁぁ……」

 触手の動きは甘く、たっぷりと粘液を分泌しながら執拗に青年の全身を這い回る。

 全身に蛇が這うように、にゅるにゅると無数の触手で快感を塗りつけられる。

 さらに触手が体に巻き付いてきて、ときに強く締め上げられ――

 青年は、スキュラの責めに翻弄された。

 

 「はぁはぁ…… ああッ!」

 全身が、甘い快楽で溶かされようとしている。

 ペニスはとうに怒張し、先端から先走り液を垂らしていた。

 ぴくぴくと脈動し、甘い刺激を求めて――

 この触手が、自分のペニスに絡み付いてくるのを想像しただけで背がぞわぞわする。

 それなのに――

 

 「ふふ、おちんちんも触ってほしいですか?」

 「え……!?」

 まるで彼の思考を先回りしたかのように、スキュラは言った。

 「そ、そんなの……!」

 青年は慌てて否定する。

 こんな怪物に、そんな事をされるなんて――

 「じゃあ、触ってほしくないんですか?」

 「……」

 スキュラの次の質問に、青年は答えられなかった。

 彼が本心では何を望んでいるかなんて、彼女にとっては明白――

 「どうなんです、触ってほしいんですか? 私の触手で、ぬるぬるぐにぐにと……」

 青年は、ゆっくりと頷いた。

 「さわって…… ください……」

 快楽に負けた彼は、目の前の怪物に性的な奉仕を懇願していた。

 スキュラは、にぱっと笑う。

 「はい、おねだり良くできました。おちんちん可愛がってあげますね」

 

 しゅるしゅるしゅる……

 「あ、はぁぁぁぁぁぁッ!!」

 青年の屹立したペニスに、根元の方から細い触手がゆっくりゆっくりと巻き付き始める。

 まるで焦らすように、ゆっくりゆっくりと――

 「ああぁぁぁ……」

 そのゆっくりと這い回る刺激が、青年を蕩けさせる。

 ねっとりと粘液を分泌しながら、しゅるしゅる、しゅるしゅるとペニスに絡み込む触手。

 そして幾本もの細い触手は、ペニスの根元から胴体部分のみに巻き付いて覆い込んだ。

 その先にある最も性感の強い部分には、一切触れないで――

 

 「な、なんで……!」

 明らかに不完全燃焼な快感に、青年は不満の声を上げた。

 肉棒のサオの部分に絡み付いた触手は、にゅぐにゅぐと蠢いている。

 その先で、張り詰めた亀頭がいっさいの刺激を与えられないままひくひくと打ち震えていた。

 亀頭の先端からは、先走り液がたらたらと糸を引いて垂れ続けている。

 「こ、こんなの……!」

 「ふふふ…… どうしてほしいかしっかり言ってもらわないと分かりませんよ」

 スキュラは嗜虐的な笑みを見せた。

 「おねだりの仕方は知ってるはずですよね。ほらほら、どうしてほしいんですか?」

 「触手で、先っぽを――」

 青年は、惨めに懇願していた。

 こんな怪物に、亀頭への愛撫を頼み込む……

 唇が震えているのは、屈辱だろうか。それとも期待だろうか。

 

 スキュラは、ぱちぱちと両手を叩く。

 「はい、おねだり上手。じゃあ先っぽもいじめてあげますね」

 しゅるしゅる……

 亀頭にも、とうとう細い触手が絡み付いてきた。

 ぬるぬるとぬめりながら、亀頭の表面を這い回って――

 

 「あ…… ああッ! はぁぁぁぁぁぁッ!!」

 そして、青年の頭は真っ白になった。

 触手による甘美な刺激が、彼の許容を超えた。

 ペニスが弾け、その先端が膨らむ。

 「えっ……? ちょっと……!」」

 スキュラが眉を寄せるが、そんなの関係ない。

 どく、どく、どく……

 「あ、ああぁぁぁぁぁぁぁ……」

 触手の蠢きをペニス全体で感じながら、白濁液をどくどくと吐き出す。

 脈打つペニスにも触手がぬらぬらと絡み、青年は涎を垂らして最後の一滴まで搾り出された。

 スキュラの食餌となるべき精液は、ぽたぽたと家の床に垂れる。

 彼の顔は快楽で緩み、しばし放心していた。

 

 「あ――」

 表情を硬直させていたのは、スキュラも同じだった。

 「こんな刺激で、簡単にイってしまうなんて……」

 彼女は視線を下げ、床にできた白くささやかな粘液の水溜りを見下ろす。

 そしてスキュラは視線を上げ、青年を睨んできた。

 眉を寄せ、怒ってしまったような表情で。

 「せっかくの精液、吸えなかったじゃないですか。我慢できないにも程がありますよ」

 「そ、そんな……」

 突然に叱責される青年――そのペニスに、スキュラの触手が一斉に襲い掛かってきた。

 「あ、あああ! うぁぁぁぁぁぁぁッ!!」

 ぐちゃぐちゃ、ぬるぬる……!

 まるで先を争うように、触手が次々とペニス全体に巻きついていく。

 亀頭に絡み、サオに巻き付き――

 たちまち青年のペニスは、スキュラの容赦ない愛撫にさらされた。

 「うぁッ! あああぁぁぁぁぁッ!!」

 「我慢できない子には、お仕置きです」

 何十本もの触手が青年のペニスに絡まり、にゅぐにゅぐと蠢き締め上げている。

 もう肌色の部分が見えないほど、彼のペニスは根元から先端に至るまで触手に包み込まれているのだ。

 

 「どう? たまらないでしょう?」

 「ああ……! おぁぁぁぁぁぁぁッ!!」

 「私の手で体中ナデナデされて、気持ちいいでしょ?」

 青年の体に絡む触手も数を増やし、全身をねとねとと這い回る。

 そして、触手はとうとう肛門にまで――

 「うぁッ!」

 アナルから伝わってくる奇妙な感覚に、青年は背筋を震わせた。

 「ここにも、男の急所はあるんですよね……?」

 細い触手は、彼の前立腺をくすぐってくる。

 「う、うぁぁぁぁぁッ!!」

 妖しげな快感に、悶える青年

 しかしスキュラの責めは、ますます執拗になってきた。

 「おちんちんにもお仕置きしてあげます。そのままみっともなく出しちゃいなさい」

 スキュラは、眉を寄せたまま告げる。

 ぐにゅっ…… ねとねと…… うにゅっ。

 締め上げ、緩め、揉み込み……

 人間の女性の手では絶対に再現できない刺激で、スキュラはペニスを嫐り続けた。

 青年の股間に集まった触手は、何重にも絡み合ってサッカーボールほどの大きさを形成している。

 それは外から見ても、ぐにゃぐにゃと妖しく蠢いていた。

 その中では、ペニスがねっとりと嫐り抜かれて――

 

 「あ、うぁぁぁぁッ…… いいよぉ……!」

 グチュグチュというペニスが蹂躙され続ける音が、股間から聞こえてくる。

 触手はぬるぬるとぬめり、肉棒は粘液にまみれながら揉み込まれる。

 にゅぐ、にゅぐ、と妖しい蠢きに翻弄され続ける青年のペニス。

 彼のペニスは、今にも甘美な刺激に屈服しようとしていた。

 

 「これでイッちゃいなさい、早漏さん♪」

 にゅちゅ…… ぐちゅぐちゅ……!

 彼女の触手の中で、青年は止めを刺された。

 「ううぁッ!! あああああぁぁぁぁぁ……!!」

 どくん、どく、どくどく……

 触手の集まりの中でペニスは絶頂に導かれ、その中に精液を放出する。

 「ふふ、出た出た……」

 射精の律動に合わせて触手をうねらせるスキュラ。

 ペニスは四方八方からぐにゅぐにゅと揉み込まれ、脈打ちながら精液を吐き出し続ける。

 触手の表面でそれを吸収し、ごくごくと飲み込んで――

 さらに全てを出し切った後は、ペニスの胴体部分をぐにぐにと搾り出すように触手で揉み込んできた。

 尿道に残った精液も、全て排出されるように――

 

 「ふふ…… 気持ちよかったですか?」

 スキュラはにっこりと微笑んだ。

 これで、『お仕置き』とやらは終わったのだろう。彼女は、柔和な表情に戻っている。

 「さて、手で出してあげた次はお口ですよね。人間もそうなんでしょう?」

 彼女の言葉と同時に、スキュラの触手の一つが頭を持ち上げた。

 青年が凝視している前で、まるで口を開けるように触手の先端が割れる。

 ――いや、これは口そのものだ。

 その触手の中からは、長い舌がべろりと垂れた。

 口の中は幾重ものヒダで覆われ、ねっとりと粘液でネバついている。

 

 「そ、そんな……」

 「ふふ、ペロペロしてあげますね」

 れろ、れろれろ……

 「あ、ああぁぁぁぁぅぅ……」

 触手の舌が、青年のペニスをねろりと舐め上げた。

 唾液のような粘液がぬらぬらと塗りつけられ、ねちゃりと糸を引く。

 「ふふっ…… 私の舌技、どうですか?」

 「あぁ……! うぁぁぁぁ!!」

 青年はその刺激を前に甘い声を漏らすことしかできない。

 触手の舌は、亀頭部をれろれろと執拗に責め嫐ってくる。

 「あ…… さっきの精液の味がする♪」

 スキュラは、そう言って悪戯げに笑った。

 「うぁぁ…… 先っぽ、そんなに……!!」

 尿道口を重点的に責め嫐られ、青年は体をよじって悶える。

 快感とくすぐったさが同居する感覚。

 ふっ……と、触手の舌がペニスから離れた。

 そして触手は、するすると頭をもたげて青年のペニスに口を寄せてくる。

 その口が粘液を引きながら、ぬぱぁ……と大きく開いた。

 

 「あ…… あぁぁぁぁ……」

 「じゃあ、おちんちんしゃぶってあげますね」

 ――にゅちゃ。

 口の開いた触手は、そのまま青年のペニスを一気に深く咥え込んだ。

 「あああ! うぁぁぁぁぁぁぁッ!!」

 ガクガクと体を揺すり、青年はその感触に身悶えた。

 「私のお口、そんなに気持ちいいですか? ……嬉しいな」

 にゅぽっ…… くちゅくちゅ……

 触手の内壁がねっとりと絡みつき、青年のペニスを締め上げ始めた。

 まるで吸い立てられるように、触手の粘ついた内壁が密着してくる。

 さらに、まるでペニスを咀嚼するように口内がもごもごと蠢いてくる。

 「あ……! うぁぁぁぁぁぁ……!!」

 「次は…… お口でピストンしてあげますね」

 にゅぽっ、じゅぽっ、にゅぽっ……

 「あッ! うぁぁぁッ!」

 触手の内部がじゅぽじゅぽと蠕動し、内壁がペニスに粘りついた。

 「そして、咥えたまま……」

 れろれろれろ……!

 触手の内部で蠕動に翻弄されるペニスに、舌がねっとりと絡み付いてきた。

 ぬるぬると粘液でぬめりながら、尿道口やカリを舐め回す。

 「はぁ……! ああ…… うぁぁッ!!」

 その甘美な感触に、青年はとうとう限界を迎えようとしていた。

 「ああ……! も、もう……!!」

 「出していいですよ。そのまま、口の中に……」

 「ああッ!! うぁぁぁぁぁぁぁぁ……!!」

 どくっ、どくどくどく……!!

 触手の口の中で、青年は絶頂させられた。

 断続的に噴き出る精液を吸い上げつつ、触手はぺニス全体を搾り上げる。

 「ああぁぁぁ…… 吸われてるぅぅ……」

 触手はちゅうちゅうと音を立てて精液を吸い上げ、青年は最後の一滴まで搾り取られてしまった。

 とてつもない虚脱感で、青年はそのまま力を失う。

 

 「はぁ…… はぁ……」

 家の床に転がり、触手に全身を絡まれたまま息を荒げる青年。

 触手は、ちゅぽ……と彼のペニスから口を離す。

 粘液がねっとりと糸を引きつつ、萎えたペニスはぬちゃりと内股に落ちた。

 「私のフェラチオ、どうでしたか……?」

 虚脱する青年に、スキュラは微笑んで告げる。

 「手でしてもらって、口でしてもらって…… うふふっ、次はどうなるか分かりますよね……?」

 「え……?」

 床に転がったままの青年は、おずおずとスキュラの顔を見上げた。

 

 「ふふ……――セックス」

 スキュラは、自らの下半身の股間にあたる部分を示した。

 何重にも下半身を埋めている触手の中に、奇妙な穴が見える。

 粘液にまみれ、ヌラヌラと蠢いて――

 それは、明らかに女性器だった。

 「おちんちんここで呑み込んで、ぐちゅぐちゅのぬちゃぬちゃにしてあげます」

 

 「ス、スキュラさん……」

 「うん? なんですか?」

 「は、初めてだから…… その……」

 青年は、おずおずと言った。

 ――初めてだから、どうなんだ?

 ――こんな化け物に、そんな事を伝えてどうするんだ?

 しかし、青年は自身の本心を自覚していた。

 彼にとって、スキュラがただの化け物とは思えなくなってしまったことを――

 

 「童貞だったんですか……ふふっ」

 スキュラの目に、嗜虐的な火が点った。

 「その童貞、今から奪われちゃうんですよ。こんな怪物のおまんこで……」

 「あぁぁ…… スキュラさん……!」

 青年は、やわやわと動くスキュラの膣を見据えていた。

 今から、あの中に――

 

 「抵抗、しないんですか?」

 「……」

 スキュラの問いに、青年は無言で頷いた。

 「あらら。でも、加減はしてあげませんよー!」

 スキュラはそのまま彼の上にのしかかっていく。

 青年の体は、スキュラの異形の下半身に埋まってしまった。

 そして彼の下半身と接している触手がざわざわと蠢き、艶かしく愛撫する。

 「ああッ! スキュラさぁん…… うぁぁぁぁ……」

 太腿や玉袋、ペニスを無数の触手で撫で擦られる感触に青年は身悶えた。

 そして勃起したペニスの真上に、スキュラの膣が迫る。

 「ふふっ。初めてでも、優しくしてあげませんよ。覚悟はいいですか?」

 彼女の膣からは粘液がトロトロと垂れて、ピクピクと脈動しているペニスをねっとりと濡らした。

 

 「スキュラさん…… スキュラさん……」

 怪物に犯されようとしている、自らのペニス――

 しかし、なぜなのだろう。

 青年は、それをおぞましいとも不快だとも思えない。

 むしろ、まるで愛する人と――

 「あはっ。童貞、もらっちゃいますよ♪」

 スキュラの声が、青年の思考を打ち切った。

 

 ――ずにゅる。

 

 スキュラはそのまま青年にのしかかり、彼のペニスは膣深くに挿入された。

 その魔孔に招待されるように、一気に奥深く沈み込んでいく。

 そこは、獲物の精を貪り尽くす魔性の肉壷なのだ。

 この中に捕らわれたものは、その精を残酷なまでに貪り尽くされる――

 

 ぐちゅぐちゅぐちゅ……!

 スキュラの熱い肉壷は、青年のペニスを歓迎するかのように責め嫐ってきた。

 ねっとりと絡み付き、ぐにゅぐにゅと絞り上げ、ぎちぎちと締め上げ、ぐちゅぐちゅと扱き上げ――

 「あぐッ!! スキュラさぁぁん!! うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!」

 どぷっ、どぷどくどくどくどく……

 たちまち、青年はスキュラの体内に精液を漏らしてしまった。

 ちゅぱっ、ちゅぱっ、ちゅぱっ……

 なにか唇のようなものが尿道口に密着してきて、精液を吐き出しながら脈動しているペニスを吸い立てる。

 「あぁぁぁぁぁッ!! な、中に…… これ、なに……!?」

 「ふふふ…… 私、膣内にも触手を伸ばせるんですよ」

 スキュラは、自分の足元で悶えている青年を見下ろして笑った。

 彼は余りの快感で泣き叫び、身をよじってもがき続けている。

 

 「えい…… 触手総攻撃♪」

 「ああ……! うわぁぁぁぁぁぁッ!!」

 スキュラの下半身から伸びた触手は、青年の全身にぎゅるぎゅると巻き付いた。

 まるで、快楽でもがく体を押さえつけるように――

 外だけではない。ペニスを挿入している膣内でも、触手が蠢いてきた。

 「ああ…… ぐぁぁぁぁぁぁぁッ!!」

 触手は亀頭をねとねとと舐め上げ、絡み付いて嫐り抜く。

 そして膣壁でぐにぐにとペニス全体を咀嚼され、精液を吸い上げられる。

 「が、ぐぁぁぁッ!! ス、スキュラさぁぁぁぁん……ッ!!」

 どく、どくどくどくどく……

 短期間で、青年は二度目の精を吐き出した。

 射精中のペニスも容赦なく吸い立てられ、青年は体を震わせる。

 

 「どうですか? 人外の女に犯されて、童貞まで奪われて……」

 青年の精を吸い上げながら、スキュラは尋ねた。

 「スキュラさん…… スキュラさん……」

 彼は、うわ言のようにスキュラの名を呼び続けている。

 憎しみでも怒りでもなく、まるで情事の際に相手の名を呼ぶように――

 

 「あらあら。全然イヤがってないじゃないですか……」

 軽く息をついて呟くスキュラは、青年にのしかかっているだけだった。

 彼女自身は、まるで動いていない。

 しかし彼女の肉壷は、捕らえた獲物から全ての精を搾り上げようと蠢き続けていた。

 「ああ…… ううッ…… ス、スキュ…… ああぁぁぁぁッ!!」

 ねちょっ…… うにゅにゅ、ぐちゅぐちゅ……

 青年は連続で絶頂し、精液をスキュラの中に注ぎこみ続ける。

 温かく甘美な膣の中で嫐られ、軟らかい触手に責め立てられて――

 青年のペニスからは精液がドクドクと絶え間なく吐き出され、スキュラの膣はそれを吸い上げ続けた。

 まるで、ポンプに吸い上げられているように――

 青年は、ガクガクと体を痙攣させながら精を搾り取られる。

 

 じゅる…… にゅるにゅるにゅる、ねとねと…… ぐちゅぐちゅ……

 「あぁッ!! うぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!」

 どくん、どぷどぷどぷどぷ……

 

 

 「だいたい、出し尽くしましたか……?」

 「あ、ああぁぁぁ……」

 スキュラの下半身に抱え込まれている青年は、力無く呻いた。

 彼女の容赦のない搾精を受け、もう二十回以上は絶頂したのだ。

 「ス、スキュラさん……」

 それでも青年は、力なくその名を呼んだ。

 疲労の極限で意識を失いそうな、そんな状況で――

 「もう…… そんなに懐かれたら、食べられなくなっちゃうじゃないですか」

 スキュラは、ぷくっと頬を膨らませる。

 「仕方ないなぁ…… いっそ私のペットになりますか?」

 「……!?」

 青年の目に、ぱっと光が点った。

 「な、なる……」

 弱った体で、青年は呟く。

 この人(?)のそばにいれるのなら、ペットだって奴隷だってなんだって……

 

 「私のペットになっちゃったら、たぶん大変ですよ?」

 スキュラは、目をぱちくりさせながら青年の顔を覗き込んだ。

 「私がちょっとでもお腹減ったら、すぐおちんちん吸っちゃいますよ?

  朝だって、おちんちんちゅーちゅーされて目が覚めるでしょうし……

  昼も夜も、寝てる最中でも、私の気分でオモチャにされて精液搾られちゃうんですよ……?」

 「スキュラさんだったら…… 構わないから……」

 青年は、意識が遠のきながらも頷いた。

 この人にだったら、例え食べられたとしても構わない……

 そして青年は、疲労の限界で気を失った。

 

 

 

 チュン、チュン、チュン……

 小鳥のさえずりが聞こえる。

 とん、とん、とん……

 まな板の上でリズミカルに食材を刻む音が、青年の覚醒を促した。

 

 「もう朝か…… んんッ!?」

 ベッドから身を起こした青年は、股間に奇妙な感触を感じた。

 何かがペニスを柔らかく包み込んでいて、たまらなく気持ちいい。

 「う、うぁぁぁッ…… な、なんだ……?」

 青年はふとんの中を覗き込み、仰天する。

 彼のペニスには、一本の触手がやわやわと蠢きながら吸い付いていたのだ。

 そして触手は、じゅるりと彼のペニスを吸い上げた。

 「ああッ! ああぁぁぁぁぁぁぁ……!!」

 まるで不意打ちのような快感に、青年はたちまち触手の中で果ててしまう。

 

 「こ、これ……」

 青年は、食材を刻む音の響く台所の方を見据える。

 そこには、にんじんをとんとんと刻むスキュラの姿があった。

 もはや下半身を隠さず、触手に包まれた異形をさらしながら――

 そのうちの一本が青年のベッドまで伸びて、彼のペニスを啜っていたのだ。

 

 「あっ、おはようございます」

 青年が起きたのに気付くと、スキュラは振り返ってにっこりと微笑んだ。

 「もうすぐ朝ゴハンできますよ。昨日は疲れたでしょうから、お腹減ってるでしょ?」

 「スキュラさん、この触手は……」

 青年のペニスを嫐っていた触手はちゅぽん、と離れ、しゅるしゅるとスキュラの方に戻っていった。

 「昨夜の約束、忘れたんですか? 私の好きなときに搾ってあげるって言ったじゃないですか……」

 「そ、そうだったね……」

 青年は、ゆっくりとベッドから起き上がった。

 そうだ、自分はこの女性のペットになったのだ。

 でも不思議な事に、嫌な気分は皆無。

 むしろ、プロポーズを受け入れてもらった翌朝のような爽やかさ――

 

 テーブルには、スキュラがいそいそと料理を並べていた。

 美味しそうなビーフシチューにボリュームたっぷりのサラダ、カゴに盛ったパン……

 ……昨日の夕食と全く同じメニューだ。

 「スキュラさん…… ひょっとして、これしか作れないんじゃ……」

 テーブルにつきながら、青年は呟いた。

 「ふふっ、朝からそんなに搾られたいんですか?」

 床を這っていた触手達が頭をもたげ、じっとこっちを睨む。

 彼は慌てて首を左右に振り、口をつぐんだ。

 

 「同じメニューが嫌なら、日本の料理でも教えてください」

 そう言いながら、スキュラも青年の正面に座る。

 今朝は彼女の正面にもちゃんと朝食が並んでいた。

 そして青年とスキュラは、行儀良く両掌を合わせる。

 二人は、声を揃えて言った。

 

 「――いただきます♪」

 

 

 



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