ユダの揺籠


 

 「あ、うぅぅ……」

 青年は、その誘惑に抗うべくもなかった。

 快楽への期待に流され、そのまま肉槽にペニスを浸してしまったのである。

 ねっとりとうねる肉の渦に肉棒を突き入れ――その柔らかい感触に、青年の表情は一瞬で歪んだ。

 

 ……くちゅ、ぐちゅぐちゅ。

 じゅるるるるるるるるる……!

 

 「あぐ、うぅぅぅぅ……!! 気持ちいい……!」

 予想よりも――いや、予想を遙かに上回る快感。

 粘液のような淫肉がペニスに粘り着き、じゅるじゅるとまとわりついてくる。

 まるで、粘液状の生物に肉棒を呑み込まれてしまったかのような感触。

 そいつは温もりに満ちた体内で、ペニスを溶かそうとしているのだ――

 

 「あら……もう堕ちてしまって。とんだ期待外れ……」

 マルガレーテはくすくすと笑った。

 「ふぁ、あひ……」

 しかし、それすら目に入らないほどの快感にさらされる青年。

 ペニスを肉槽に浸したまま、とろけそうな表情を浮かべている――

 不意にその体がびくんと震え、腰がガクガクと震え始めた。

 甘い刺激に耐えられず、『淫魔の肉』に股間を包まれたまま絶頂してしまったのだ。

 

 「あぅぅぅぅぅぅ……」

 腰を揺するように振るわせ、尿道からドクドクと精液を迸らせる――

 まるで生のエキスを吸い出されているかのような、とろけそうな放出感。

 ペニスを『淫魔の肉』に取り付かれたまま、容赦なく与えられる絶頂感。

 彼の溢れさせた白濁は、たちまちペニスを包み込む淫肉に吸収されていった。

 

 「ふぁぁ……」

 肉槽に浸されての射精に、青年は恍惚に浸る――その耳元に、マルガレーテは囁きかけた。

 「どうかしら、搾精される快楽は? それが欲しくて、あなたは生を捨てたのでしょう?」

 「う、ああぁぁぁ……!」

 しかし青年には、安らぐ暇も与えられない。

 ペニスは肉槽に沈み、根本までをぬるぬるの肉に包み込まれている。

 それは肉棒表面にくまなくまとわりつき、じゅるじゅると這うように刺激し続けているのだ。

 あっさりと自分から餌になってしまった青年――『淫魔の肉』は彼の期待に応え、甘い世界へと導いていく。

 彼はこのまま、快感と恍惚に満ちた桃源郷へ昇天していくのである。

 

 「その子、上手でしょう? あなたを搾り尽くすまで、優しく愛してくれるわ――」

 「ひぃ……! と、とけそう……! あ、ああああぁぁぁぁ!!」

 まさに、陰部を溶かされているかのような快楽。

 温もりに満ちた肉が絡み付き、じゅくじゅくとペニスを貪っている。

 青年はその刺激に流されるまま、二度、三度と連続で絶頂を迎えていた。

 

 どく、どくどく……

 どぷっ、どくどくどくん……

 

 「あ、あ……きもちいい……」

 緩んだ顔で呻きながら、ドクドクと射精し続ける青年。

 迸った精液は、容赦なく淫肉に吸われてしまう。

 「あう――あ、ああああぁぁぁぁぁ――!!」

 股間をジェル状の肉に包まれ、背を反り返して悶え続ける青年の姿――

 マルガレーテから見て、それはまさに無様そのもの。

 快楽に溺れ、狂い悶える男の姿はなぜこうも惨めで、なぜこうも自分の心を満たすのだろう。

 淫魔の姫君は、自身の中に愉悦が満ちるのを感じ取っていたのである。

 

 ――そして、そろそろこの遊戯にも飽きてきた。

 

 「……存分に堪能したわ。では、生と引き替えにした快楽、たっぷりとおあがりなさい――」

 マルガレーテは軽く指を鳴らす。

 それは、『淫魔の肉』に対する「貪れ」という意味の合図。

 まるで触手のように肉槽から粘肉が伸び、青年の足や腰、胴に巻き付いた。

 彼は股間ばかりか全身を『淫魔の肉』に絡め取られ、ずるずると肉槽へ引きずり込まれていく。

 「あう、あああぁぁぁ……!」

 その呻きは拒否などではなく、ペニスを嫐られ続ける快楽によるもの。

 もはや青年は、自身の身に何が起ころうとしているのか理解できる状態にはない。

 そして、彼の身体は肉槽内へ引き込まれてしまう――

 

 「が……! あああッ!! ああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!」

 全身を『淫魔の肉』に浸され、彼は壮絶な搾精を受けた。

 搾精肉槽の中で、狂ったようにもがく青年。

 その乳首やアナル、玉袋やぺニスなどの性感帯に、魔性の柔肉が襲い掛かる。

 全身をねっとりと包み込まれ、青年は体の隅々までを嫐られ尽くした。

 もはや彼は、死ぬまで精液を搾り取られる有機体に過ぎない。

 

 ぐにゅぐにゅ…… にゅちゅにゅちゃにゅちゃ……! じゅぽじゅぽ……!!

 「あ、あぁぁぁぁぁぁぁぁッ!! うわぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 どくっ、どくどくどく……!!

 

 にゅぐ…… ぐにゅぐにゅぐにゅ…… ぐちゅぐちゅ…

 「おぁぁぁぁぁッ!! うがぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 どく、どくどくどく……!

 

 うにょうにょ…… ぐちゅぐちゅぐちゅ……

 「うぁッ! あああぁぁぁぁぁぁぁ!」

 どく、どくどく……

 

 にゅる…… ぐにゅぐにゅ……

 「あ、あぁぁぁぁ……」

 どく、どく……

 

 ぐにゅぐにゅ……

 「あぁぁぁ……」

 とくん……

 

 にゅぐ……

 「……」

 

 

 激しく蠢いていた『淫魔の肉』の表面が、春の湖面のように静かになった。

 ノイエンドルフ城の地下室を、氷のような静寂が支配する。

 

 マルガレーテが指を鳴らすと、ドアを開けて女従者が入ってきた。

 彼女は、主人の前にかしづく。

 「いかがいたしましょうか、ご主人様」

 「エミリア、次の者をここへ――」

 

 

 



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