イソギンチャク娘


 

 「しょ、触手で……直に……」

 それでも青年は、さっきの感触が忘れられなかった。

 ペニスに直に触手を絡められ、あのうねりを味わいながら精を搾り出されたい――

 そんな欲求の虜となっていたのだ。

 

 「じゃあ、おねだりしてみなさい。水着も、自分で脱がないとね……」

 しゅるり……と、触手による腕の拘束が解かれる。

 青年はそのまま水着に両腕をやり、一気に脱いでしまった。

 張り詰めたペニスが、ぽろんとイソギンチャク娘の前で露出する。

 快感を求め、自分で性器をさらす――それは、これ以上ないほど恭順を示した態度だった。

 「早く、さっきの……」

 「そんな頼み方じゃダメよ。どこに? 何をしてほしいの?」

 触手を青年の周囲でぐにぐにと蠢かせ、イソギンチャク娘は意地悪げな笑みを浮かべていた。

 「チ、チンチンに――」

 「おちんちんに、何をして欲しいの?」

 「触手を――」

 「触手? 触手でどうされたいの?」

 つん、つん……と、触手の先端が四方からペニスの先端をつつく。

 「ひあ――!」

 一瞬だけ触れてくるその柔らかい感触に、青年は身を震わせていた。

 この柔らかくぬめる触手に、ペニスをがっちりとホールドされたい。

 そのまま激しく触手をうねらされ、ペニス全体で逃げ場のない快感を味わいたい――

 青年のそんな欲求が、言葉を紡がせる。

 「触手を、巻き付けて――」

 「ふふ……こう?」

 しゅるしゅるしゅる……

 イソギンチャク娘の触手が、青年のペニスにしゅるしゅると巻き付いていく。

 そのぬめりと柔らかさを味あわせながら、螺旋状に根元から先端まで。

 「う、うああ……」

 絶妙な感触を与えてくる触手に、じんわりと締め付けられるペニス。

 その四方からの甘い圧迫に、先端からは先走り液が溢れ出る。

 「ふふ……人間の男って変よねぇ。大事なおちんちんに、触手を巻き付けられて喜んでいるんだから」

 イソギンチャク娘は快楽にこらえる青年を眺め、楽しむような蔑むような表情を見せた。

 「で? 触手でどうされたいの? してほしいことがあるんでしょう?」

 ――そうだ。

 触手を絡められ、優しく締められているだけでもこれだけ気持ちいいのに――

 このまま、さっきみたいに触手をうねってもらえたらどれほどの快感なのだろうか。

 「……う、うね――」

 ぎゅぅぅぅぅぅぅぅ……!

 「あ、ああああぁぁぁぁぁぁ……!!」

 青年の言葉は、続く快楽の悲鳴によって掻き消されていた。

 螺旋状に巻き付いていた触手が、じんわりと肉棒全体を締め付けてきたのだ。

 扱く風でもなく、うねるわけでもなく、ただ締め付けるだけの刺激。

 それだけでも、青年は声も出ないほどの快感に襲われていた。

 「あら? 何て言ったのかしら?」

 「うね……う、うぁぁぁ……!」

 ぎち、ぎちぎち……!

 何とか懇願しようとするも、ペニスを締め上げられる感触に襲われて口が回らない。

 四方からぎゅうっと圧迫され、じわじわと真綿で首を絞めるように圧力を強めていく触手。

 それは、じっくりと射精に押し上げられる責めでもあった。

 しかしさっき水着の上から味わった感触とは異なり、脱力感と恍惚感を同時に味わったあの責めとは違う。

 「ふふ……何をしてほしいのか言わないと、このまま締め付けてイかせてしまうわよ?

  圧迫されて、漏れ出るように搾り出される――それは、どこかもどかしい射精じゃないかしら?」

 「あ、う……!」

 まさに、その通りだ。

 ただ単調に触手でじっくりと締め付けられる――

 触手の柔らかい感触も相まって快感には違いないが、さっきの水着の上からの責めには及ばない。

 それでころかイソギンチャク娘の言ったように、どこかもどかしい感じがしてならない。

 「う、うぅぅぅぅ……」

 それでも、ペニスを締め上げられる責めは甘美だった。

 そのまま青年は満足な言葉を放てず、絶頂へと押し上げられていく。

 「ほらほら……どうしてほしいか言わないと……」

 そう言いながらも、イソギンチャク娘は触手での圧迫を強めていった。

 少しでも上下に扱かれたり、ペニスに這われたりするならば快感の質は全く違ってくる。

 しかし、触手でただ締め上げられるという刺激――触手自体は非常に柔らかいので、圧迫の苦痛はない。

 それでも、快感に混じって焦らされているようなもどかしい感触が――

 「あ、出る……! あ、あ、ああああぁぁぁ……!」

 青年は体をひくひくとわななかせ、同時に触手に絡み込まれていたペニスが脈動した。

 その脈動に合わせ、先端から精液がどくどくと溢れ出す。

 「あぐ、あ、ああぁぁぁぁぁ……」

 ペニス全体を四方から圧迫されたままの、漏れ出るような射精。

 それは、溜まりに溜まった精液を発射する時の快感とはまったく異なる。

 まるで残尿感のような、奇妙な感触――それを味わいながら、青年は果ててしまったのだった。

 

 「あらあら。さっきのお気に入り、してもらえないままに漏らしちゃったわねぇ」

 くすくすと、イソギンチャク娘は笑う。

 「う、うう……」

 股間に渦巻く不快感、そして屈辱感で青年は呻いていた。

 「さあ、どうしてほしいの? 今度は意地悪しないから、言ってみなさい」

 「触手を……うねらせて……下さい……」

 息も絶え絶えのままに、青年はそう懇願する。

 「ふふ……おねだりできたわね。じゃあ、してあげる」

 「あ、ああ……」

 やっと――やっと、あれをしてもらえる!

 その快感への期待に、青年の顔は緩んでいた。

 そして彼のペニスに螺旋状に絡み付いたまま制止していた触手が、ゆっくりと動き出す。

 「ふあ、あああぁぁぁ――」

 ぐに、ぐにゅぐにゅぐにゅ……

 さっきと同じように、イソギンチャク娘の触手がうねうねとうねり始めた。

 柔らかい触手の体が膨張し、収縮し、うにょうにょと波打つようにその太さを変える。

 ペニスに巻き付かれたままその刺激にさらされ、青年はたちまち恍惚にひたっていた。

 「あああぁぁ……! きもちいい……ぁぁぁ……」

 さっき、水着の上から受けた感触を遙かに上回る快感。

 ナマのペニスで、触手のうにうにとした蠢きを直に感じることができる。

 肉棒を完全に拘束されての責めは、決して逃げ場がない。

 触手の柔らかさ、ぬめり、うねり、蠢き――そんな感触から、逃げようがないのだ。

 「あが……! あ、あ、ああああぁぁぁぁぁぁ……!!」

 ペニスの根本から先端までを襲う、扱かれるているような快感。

 ぐにぐにと収縮する触手のうねりは、人間の手では決して再現不可能な蠢きをもってペニスを刺激する。

 その待ち焦がれていた狂おしい快感によって、青年は一気に絶頂へと押し流されてしまった。

 「はう、ひぃ……! あ、ああ、あああぁぁぁ……」

 そう呻きながら全身を振るわせ、表情を緩ませて射精する青年。

 触手に巻き付かれたペニスの先端から、精液がドクドクと溢れ出る。

 それは、股間が溶けてしまいそうな快感。

 恍惚感、脱力感が入り交じった、天国のような射精――

 イソギンチャク娘の触手で果てる悦びを、青年は刷り込まれてしまった。

 「ふふふ……病み付きになったみたいね。

  じゃあ、しばらく触手で遊んであげる……飽きてしまうまでね」

 そう言って、妖艶な笑みを見せるイソギンチャク娘。

 飽きてしまうのは、青年か、彼女か――それは明らかである。

 こうして青年は、いつ果てるともなく触手で弄ばれ続けたのだった。

 

 

 

 

 

 「あ、あああぁぁ……! ふぁぁぁぁぁぁ!!」

 快感の声を上げながら、青年は絶頂していた。

 ペニスは触手にぐるぐる巻きにされ、ぐにぐにと弄ばれたあげくに果てたのだ。

 あれから、すでに数週間が経過していた。

 それでもまだ、イソギンチャク娘は青年を捕食しようとしない。

 まだ飽きていないのか、それとも遊んでいるうちに情が移ってしまったのか――

 

 「ほらほら……みじめねぇ。貴方はもう、おちんちんを触手で弄ばれるだけのオモチャ。

  どう? 気持ちいい? 幸せ?」

 ぐに、ぐに、ぐにぐにぐに……

 ペニスに螺旋状に絡んだ触手は、青年がとりこになったうねりの感触を与え続ける。

 「ひぃ……あぁぁぁぁぁぁぁぁ……!!」

 その快感に耐えきれず、たちまち射精してしまう青年。

 もはや彼は触手で遊ばれ続けるという自らの運命を受け入れ、それどころか悦びとしていた。

 それは青年にとって苦痛ではなく、むしろ永遠に与え続けられるご褒美である。

 「ふふ……もっと出しなさい。搾り出して、搾り出して、空っぽになっても搾り続けてあげるから」

 「あぐ、ああぁぁぁ……! ああああぁぁぁぁぁ……!」

 イソギンチャク娘の触手に、心まで絡め取られてしまった青年。

 彼の全身は触手に巻き付かれ、永遠に果てることなくその触手地獄を味わい続けるのである。

 

 

 



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