あなたは、「注文の多い料理店」とやらに足を踏み入れた。

風俗街にありながら、そこは高級レストランのようだ。

 

「ふふ、いらっしゃいませ……お客様」

学生にも見える若さ、それでいて大人びた正装の美女があなたを出迎える。

その支配人らしき女性は、洗練された動作で頭を下げた。

「お食事……なされますね?

ですが当店は開店して間もなく、メニューも僅か一つのみ。

それで良ければ、ぜひ料理致しますが……」

そう言いながら、支配人の女性はあなたにメニュー表を差し出した。

彼女の言葉通り、そこにはたった一つのメニューしか記されていない。

 

ウツボカズラのじっくり溶かしたドロドロスープ

店を出る