「いらっしゃいませ〜」
あなたは、何の変哲もない喫茶店に足を踏み入れていた。
変わった点があるとすれば、ウェイトレスがみな半女半蛇――ラミアであることぐらいだ。
「では、こちらのテーブルへどうぞ」
あなたの前に立ったのは、20歳ほどの綺麗なラミア。
上半身はウェイトレスの制服を纏った美しい女性だが、下半身はやはり大蛇そのもの。
そんな案内役のラミアに先導され、あなたは奥のテーブルに導かれる。
店奥のテーブルは磨りガラスで仕切られ、それぞれブースのようになっているようだ。
隣のテーブルの様子も伺うことができず、ほとんど個室に近い。
あなたが席に着くと、案内役のラミアはメニュー表を手渡してくる。
しかしその書面には、たった一つのメニューしか記されていなかった。
「実は……ほとんどの娘がまだ研修中でして、お客様の相手をできるのが私だけなんです」
案内役のラミアは、申し訳なさそうに口を開く。
「それに、まだオプション無しのスタンダード巻き付きコースしかないのですが……
それでもよろしいですか?」