悪堕ち科学者
***西暦2048年6月28日
6月28日午前9時20分、異星生物研究所にてバイオハザード発生という急報が東部方面軍にもたらされた。
研究所からの通信は途絶、収容されていた多くのデボラが非コントロール状態にあるという。
その報告はただちに統合本部から首相官邸に上がる。
事態を重く見た首相は、研究施設の封鎖命令を発令。
半径10km圏内の民間人に避難命令が出され、地域は完全に隔離される。
時を同じくして統合本部は、精鋭を集めた対デボラ特殊作戦部隊を編成。
ただちに、デボラの巣窟となった研究所へと投入されたのである――
「なんてこった! 中はデボラだらけだぞ!」
想像以上の惨事に、正面突入班の隊長は思わず声を荒げた。
研究所内をうろついているのは、異形の怪物達。
外骨格で身を固めた昆虫型……おそらくハチ型だろうか。
それになぜか、所内のスピーカーからはクラシックと思われる曲が流れている。
「これは……ヘンデルの『メサイア』か?」
放送設備に、何か異常でもあったのか――
だが今は、目の前の敵に対処しなければならない。
隊長はセオリー通り、デボラ制御剤入りのガスグレネードを床に発射する。
その場に、もうもうと立ちこめる白いガス。
日本が誇るデボラ学者、須山博士の開発した最新式制御剤だ。
これを浴びれば、ほとんどのデボラはその場に立ち尽くすカカシと化す――
「おい、動いてるぞ!」
「馬鹿な、効いていないのか……!?」
一瞬、兵士達は動揺する。
しかし数秒で平常心に戻り、歩み寄ってくるデボラ集団に銃口を向けた。
そして、一斉に銃撃を見舞う――
「なんだこいつら、止まらないぞ!」
「確かに当たってる……外骨格が弾を弾いているんだ!」
しかし、接近するデボラを止められない。
頑強な外骨格に銃弾が阻まれ、効果がないのだ。
「くっ……それなら!」
隊長は、オプションのグレネード弾を発射した。
デボラの肩に命中し、左腕が吹き飛ぶ――
その次の瞬間、兵達は目を疑った。
「そんな……まさか……」
兵の1人は、思わず射撃の手を止めて呟く。
デボラの左肩断裂から、みるみる腕が生えていくのだ。
そしてたちまちのうちに、傷が塞がってしまった。
ここまで再生能力の高いデボラは、彼らの誰も見たことがない――
「く、来るな……!」
兵達はさらに掃射を見舞ったが、デボラ達の接近を止めることはできなかった。
ハチ型デボラ達は弾丸をものともせず、兵達になだれ込んでいく。
「あ……うわぁぁぁ……!!」
兵の1人はデボラに突き倒され、強引に馬乗りにされた。
その外骨格の腕が彼の股間に伸び、ズボンの上から男性器を撫でさする。
「や、やめろ――」
銃を向けようとするも、その銃身は木の枝のように折り曲げられた。
そしてデボラは、容赦なく兵への手淫を続ける――
「く、あぁぁっ……!」
あえなく兵士は、その手の中で射精していた。
そんな痴態を見せていたのは、彼だけではなかった。
ハチ型デボラの集団は前列の兵達を襲い、その股間を愛撫してくる。
中には数体がかりで押さえ込まれ、複数の腕で男性器を嫐られている者もいた。
「ぐっ、なんなんだ……こいつら……!」
しかも、射精した者はずるずると引きずられ――廊下の奥へと連れ去られていく。
こんな奇妙な生態は、過去の戦闘記録にも見られない――
「撤退だ、退け! 隊形を崩さずに退くんだ!」
隊長は、事態が尋常でないことを見て取った。
これは収容されていたデボラ達が脱走し、暴れているだけではない。
敵集団は、なんらかの統一意志のもと組織的に行動している。
これは自分達だけでは無理だ、体勢を立て直さなくては――
「や、やめろ……ひぃぃっ!!」
「うわぁぁぁっ!!」
撤退に転じた兵達の隊列に、デボラ達は容赦なくなだれ込んだ。
ヘンデルの『メサイア』がエンドレスで流れる中、兵達を惨禍が襲う。
地面に押し倒され、投げ出され、そしてペニスを責めたてられる。
デボラ達は男性器を手で掴んで扱き上げ、強引に射精させる。
口で肉棒を咥え込み、責めたてるデボラもいた。
そして射精した者は、次々と生かしたまま建物の奥に連れて行かれる――
この時、隊長は気付いた。
犯されている者は、誰もいないのだ。
そして彼は思い至った、一般的に働き蜂は生殖能力を持たないと――
「まさか……女王がいるのか!?」
正面から迫ってきたデボラに、隊長はグレネードを叩き込んだ。
胸に直撃を受け、その四肢が四散する――
しかし残った胴体から、腕や足が見る間に再生していった。
「くそっ……なんなんだ、こいつら!」
隊長の左右からデボラが迫り、両腕が掴まれる。
「離せ……くそっ!」
もがいたところで、デボラの怪力を振りほどけるはずがない。
そしてデボラは、隊長のズボンを爪で切り裂いた。
拘束された彼の正面に、先ほど再生したばかりのデボラが迫ってくる。
その口器が観音開きに開き、異形の口腔が露わになった。
ピンク色の粘膜に、複雑な凹凸を為す口腔内壁。
その間に、唾液がべっとりと糸を引いている。
本来なら、寒気がする光景のはずなのに――
フェロモンの作用で、彼のモノは限界まで勃起していた。
「あぁぁ……やめろ……」
その異形の口器が、隊長のペニスを包むように咥え込んだ。
ぐぶぐぶ、じゅるるっ……と啜りたて、激しくしゃぶりたてる。
「うぅぅっ……!」
その強烈な快感に、隊長は呻き声を上げていた。
複雑な形状の粘膜がペニスに密着し、波打つように収縮しているのだ。
さらにデボラは口器をぐちゅぐちゅと動かし、強烈な快感を与えてきた。
耐えようとしても、まるで話にならない――
「あ、あぁぁっ……!」
あっという間に彼は絶頂に追い込まれ、ハチ型デボラの口内で射精していた。
デボラは口器を収縮させ、放出された精液をじゅるじゅると飲み干していく。
「う、うぅぅ……」
こうして隊長は、男性機能が正常に働いていることを証明してしまった。
彼の精液を摂取したデボラは、優れた遺伝子を持つ人間であることを本能的に察する。
「や、やめろ……どこに連れていくつもりだ……」
そして隊長は、研究所の最奥へと引きずられていったのである。
そこに君臨する、女王蜂の元へと――
「はぁっ、はぁっ……!」
息を切らせながら、影原は必死で廊下を駆ける。
体力に自信はないが、先を走る後輩研究員の背中をひたすらに追っていた。
彼はまだ若手の後輩ながら、新婚ホヤホヤの幸せ者。
一方で自分は、人生の幸せも知らないうちに、こんな――
「き、君……先に行かないでくれ……もう少し、ゆっくり……」
「そんなこと言われても……! なんとか着いてきて下さい……!」
呆れながらも、後輩は一目散に走り続ける。
運動不足の体に鞭を打ちながら、影原はひたすらに駆けた。
周囲では、見知った職員達がデボラに襲われ、その餌食となっている。
他職員を貪っているデボラは、他には目もくれないのが救いだった。
そんな地獄絵図の状況下を、2人は救いを求めて走り抜ける。
「はぁ、はぁ……頼む、待ってくれ……置いていかないでくれぇ……」
影原は情けない声で、後輩の背に呼びかけていた。
下腹が痛い、呼吸の乱れが止まらない、苦しい、楽になりたい――
「た、助けは来ないのか……外の連中は何してるんだ……!」
コンバットスーツを着た軍人の姿も、何人か目にしていた。
しかし彼らはいずれも、デボラに襲われ無惨に陵辱されている。
どうやら、状況は絶望的らしい――
そして2人は、扉の開いた実験室に行き当たった。
扉の上で点っている緑のランプは、中に誰もいないことを示している。
この中に、デボラが潜んでいる心配はない。
中で隠れて助けを待つか、それとも――
「ど、どうする……君、どうしたらいい?」
影原は狼狽し、息を切らせながら後輩に判断を委ねる。
「状況から見て、ロビー正面ほどデボラが多そうです。
ここは息をひそめて、助けを待った方がいいのでは……」
正直、あまり救援に望みがあるとは思えない。
だがそろそろ、足も心臓も限界だ。
ずっと隠れていられないまでも、少し休みたい――
「よし、実験室に入ろう……」
影原の言葉に、後輩は頷く。
こうして2人は、実験室に身を隠したのだった――
「ああ……どうして、こんなことに……」
暗い実験室で、2人は長机の下へと身を隠す。
いつまでそうしていればいいか、まるで展望は開けない――
「ああ、死にたくない……僕は、こんな所で死にたくないんだ……」
「私だってそうです! ああ、妻に会いたい……」
「君なんて、まだいいじゃないか! 僕は、この歳でまだ童貞だよ!」
「そ、そんなこと言われても……」
影原の剣幕に、後輩は尻込みする。
「せめて最期に、優しそうなデボラを選ぶとか……」
冗談とも本気ともつかないことを、後輩は口にした。
「まったく。君はねぇ……」
よく映画で目にする、兵士が軽口を叩きたがる気持ちが分かった。
ふざけているわけではない、恐怖や絶望を心から切り離したいのだ。
「セキュリティは、万全のはずだったんだ。それなのに、なんで……」
しかも、さっきから所内に延々と流れているクラシック曲は何なのだ。
影原はクラシックにまったく造詣がないが、どこかで聞き覚えがあった。
確か、須山博士が自分の研究ラボでよく流していたような――
その時、不意に後輩が口を開いた。
「いくらなんでも、デボラの脱走が同時すぎますよね。
まさか、誰かが手引きしたとか……」
「誰かって、誰だね……?」
須山博士の顔が、影原の脳裏に浮かぶ。
しかし後輩は、特に答えを持っていないようだ。
「そんなの、分かりませんよ。ビジター……とか?」
「なあ、君。僕は今、恐ろしい想像をしているのだが――」
しかし影原の言葉は、そこで宙に浮いてしまった。
ひたひたと、足音が近付いてきたのだ。
その足音は、実験室の前で止まる――
「…………!!」
慌てて二人は、口をつぐむ。
軽口で緩和していた恐怖心と絶望感が膨れ上がり、涙さえ出て来た。
漏れ出る嗚咽を飲み込み、影原は必死で自分の口を押さえる。
いったい、なぜ自分がこんな目に――
研究室に、何者かが入ってきた気配。
二人の緊張が、頂点に達した瞬間だった――
『もう大丈夫だ、助けに来たぞ!』
くぐもった声が、研究室に響く。
「やった! ここにいます、助けて!!」
後輩は喜びの声を上げ、机の下から飛び出した。
だが、そこにいた声の主は――
きらびやかな羽根を備えた、オウムのデボラだった。
「あ、あぁぁぁ……」
異形の怪物を前に、後輩は尻餅をついてしまう。
『モウダイジョウブダ! タスケニキタゾ!』
オウムデボラはにやにやと笑いながら、その言葉をもう一度繰り返した。
そして、後輩研究員へと飛び掛かる。
「ひっ……あぁぁぁっ!!」
あっという間に彼は押し倒され、そしてデボラに犯されてしまった。
熱く柔らかな膣肉が、ぎゅぅっとペニスを包み込む。
その上質な名器の前に、たちまち彼は音を上げ――
「はぅぅっ……」
どくどくと、精液を膣内へと注ぎ込んでいく。
オウム型デボラは、ケラケラと甲高い笑い声のようなものを放った。
そのまま腰を上下させ、捕らえた獲物を容赦なく犯し尽くす――
影原は、後輩が陵辱される様子を呆然と見ていた。
しかし徐々に、これはチャンスだと思い至る。
「い、今だ……」
震える足に鞭打ち、影原は机の下から出た。
物音は聞こえているはずだが、オウムデボラは後輩を犯すのに夢中。
好機とばかりに、影原はそそくさと逃げ出していた。
「すまない、僕にはどうにもできないんだ……」
可哀相だが、彼はこのまま死ぬまで犯されるしかない。
自分みたいな人間が、なんとか助けられるはずもないのだ。
後輩を見捨てた影原は、そのまま実験室を出る――
そして廊下に出た直後、運悪く1体のデボラに出くわした。
「ひっ……あぁぁっ!!」
影原は、思わず甲高い悲鳴を上げる。
あのデボラは――「ヴァギナ・デンタータ」。
その膣で男性器を味わい、最後に牙で噛み千切ってしまう凶悪なデボラだ。
絶対に会いたくない相手が、よりにもよって――
なんで自分はいつもいつも、こんなに不運なんだ――
「ヴァギナ・デンタータ」は影原の姿を認め、ゆっくりとにじり寄ってくる。
その端正な顔に、嗜虐的な笑みが浮かんだ。
「こ、来ないで……どうか……」
逃げようとしたが、足が前に動かない。
よろよろと後ずさり、背が壁に当たってしまう。
そんな影原の目前まで、「ヴァギナ・デンタータ」は迫り――
ズボンと下着に手を伸ばすと、彼の男性器を露わにした。
後輩がオウム型デボラに襲われた時から、肉棒はすでに勃起している。
それを見下ろし、「ヴァギナ・デンタータ」はにやりと笑った。
影原の脳内に、大いなる絶望とほんの少しの期待が去来する――
「あ、あぁぁ……」
こんな形で、童貞を喪失してしまうなんて――
いや、死ぬ前に童貞を失うこと自体は歓迎できる。
だが、精を搾り尽くされた後――このデボラは、男性器を――
「や、やめて下さい……どうか、お願いします……」
懇願に意味はなく、そもそも相手は言葉を理解しない。
「ヴァギナ・デンタータ」は、彼のペニスに下腹を近付けていく――
すると膣全体がじゅるりと這い出し、一気にペニスを咥え込んだ。
「あ、あぁぁぁぁ〜〜!!」
肉棒を咥え込む、熱く艶めかしい柔肉。
内壁がじゅるじゅるとうねり、妖しく収縮する――
彼のモノは初めて、女性の生殖器を体験したのだ。
それも、いかなる男の精も貪ってしまう極上の名器に――
「こんなぁ! こんなぁぁぁ……!」
次の瞬間、彼はあっさりと射精していた。
初めての性交に感動し、その快感に涙さえ流し――
ドクドクと、人外の膣に精液を注ぎ込んだのである。
30分後、己の肉棒を噛み千切り、命を奪うことになるその魔性の膣へと――
「須山博士……! 助けて下さい、須山博士……!」
デボラの跳梁する研究所内で、仲原は息を切らせながら逃げ惑っていた。
彼がすがる須山博士こそ、この事態の元凶だとは微塵も考えていない。
仲原はこれまで、ただ彼に従い、ひたすらに尽くしてきた。
彼の与えてくれる手間賃(という名目の賄賂)も魅力的だったが――
何より素晴らしかったのは、彼が提供してくれた様々なデボラとの交わりだった。
結局は彼に荷担し、この事態を導いたのだが――
それは、仲原の与り知らぬところだった。
同僚の警備員達も、次々と「メコンの食人植物」に貪られた。
突然、自分達のいる休憩室に踏み込んできたあの恐ろしいデボラ。
同僚達はハエトリグサに挟まれ、ウツボカズラに落とされ――
次々と食虫植物の餌食になる中、なんとか自分だけが逃げ延びたのだ。
しかし、すぐに仲原は絶望的状況にいると思い知ることになる――
「ぐ、軍隊も来てるのに……どうして、こんな……」
生者と死者、そしてデボラが視界に入っては消えていく。
生きている誰かにすがろうにも、次々とデボラにやられていった。
犯される者もいれば、ただ殺される者もいる。
無惨に頭を引きちぎられたり、消化液を浴びて溶かされたり――
どうせ死ぬなら、悲惨で苦しいのは嫌だった。
せめて、良い思いをしながらあの世に逝きたい――
「はぁ……はぁっ……誰か、誰か助けて……」
あてもなく、仲原はひた走る。
所内に延々と流れているクラシック曲が、ひどく耳障りに思えた。
正面ロビーの方は、もうダメだ。
最初はそっちに向かっていたが、デボラの数が多すぎる。
助かるとしたら、デボラの搬入口しかない。
しかしずいぶん距離はあるし、彼の武器は支給された拳銃一挺。
こんなもので、どうにかなるはずもないのは分かっているのだ。
息を切らせながら、廊下の角を曲がると――
「な、なんだ……アレは……!?」
数人の兵士が、発砲している相手――
それは、廊下全体を埋め尽くすような粘体生物だった。
茶色のナメクジのような粘肉が、じゅるじゅると廊下の向こうから押し寄せてくる。
その中には、無数の白骨が混じっているのが見えた。
そして、飲み込まれたばかりで消化中の人間の姿も――
「あ、あぁぁぁ……」
パニックに陥りながら、迫り来る粘肉に発砲する兵士だが――
後ずさりの際に足を絡ませ、その場に転んでしまった。
そこに、粘体生物――アメーバ型デボラがじゅるじゅると迫りくる。
「ひぃぃぃっ……!!」
がむしゃらに発砲するも、巨大アメーバが相手では通用するはずもない。
そのまま兵士の体は、じゅぶぶぶ……と粘肉に呑み込まれてしまった。
「ひぁぁぁぁ〜〜!!」
最初に発せられたのは、悲痛な悲鳴。
しかしそれは、みるみる甘い呻き声に変わっていく。
粘肉に取り込まれ、溶かされながら犯されているのだ。
「あ、あぁぁ……」
そんな光景を前にして、仲原は戦慄する。
いくら気持ち良くても、あれは嫌だ。
彼は背中を向け、その場から一目散に逃げ去った――
「はぁ、はぁ……須山博士、どこにいるんですか……?」
仲原は、もはや自分でもどこに向かっているのか分からなかった。
ただ追い立てられ、悲鳴や銃声の少ない方に向かい、中庭へと踏み込む。
しかし、そこには――
「な、なんだ……これは……?」
中庭は、色とりどりの花や植物――
そして、無数の人体で飾り付けられていた。
規則的に並べられた人間の体に、美しい花やツタが絡んでいる。
それはまるで、前衛的なオブジェクトのようだ。
そして、その悪夢の庭園にたたずむ貴婦人――
花のデボラ、「ヴェネツィアの庭師」だった。
「ひ……! あ、あぁぁぁ……!!」
恐怖に駆られ、仲原は「ヴェネツィアの庭師」に発砲する。
しかし、素早く伸びたツタが彼の腕から拳銃を叩き落とす。
「あ……う、あ……」
戸惑う彼に向かい、精を啜るための妖花がしゅるしゅると伸びる――
しかし、仲原の逃げ腰の方が僅かに早かった。
彼はデボラに背を向け、脱兎の如く逃げ出したのである――
「もう、イヤだぁ……なんで、なんでこんな……」
仲原は嘆きながら、薄暗い廊下をふらつく足取りで進んだ。
ここは、地獄だ。
もはや自分は、ここで死ぬしかない。
どのデボラに殺されるか、それだけの問題なのだ。
「あぁぁ……どうして、どうして……」
涙さえ流しながら逃げ惑い、独房のような場所へと逃げ込む。
そこには――なんと、地獄に似つかわしくないシスターの姿があった。
シスターは仲原の姿を認めると、柔らかな笑みを浮かべ――
そして、誘うように両手を広げた。
甘い芳香が、ふんわりと彼の鼻孔から脳をとろけさせる――
「あ、あぁぁぁ……」
誘われるがまま、ふらふらと仲原はシスターに歩み寄った。
あの慈愛の抱擁を受けることしか、頭にない。
ローブの前面が開き、触手がびっしりと詰まった内部が露わになる。
しかし彼は、もはや恐怖を感じなかった。
そして――
「はぅぅぅ……」
仲原は、そのままシスターの体に身を寄せた。
そして、甘い抱擁を受け入れる。
彼の体はローブにくるまれ、無数の触手がじゅるじゅると絡みつく。
全身を甘く這い回り、消化液を滴らせ、ペニスを撫で回す――
「あぁぁぁ……」
仲原は恍惚と安堵に包まれながら、何度も何度も射精した。
その体が、「ウェストミンスターの聖女」に溶かし尽くされるまで――
「それでは……以上の条件で、デボラの将来的な繁殖数を試算して下さい」
電話越しに、鈴岡は落ち着き払った口調で語りかけた。
通話の相手は、かねてより鈴岡と親交のある桑田教授。
彼は個体群生態学において、国内有数の権威でもある。
「いきなりそう言われても、他の条件が絡みますからねぇ。
生物の個体数増殖は、dN/dt=rN(1-N/K)という数式で示されますが――」
「表に出る数字ではないので、概算で構いません。
さっきの条件で、いつデボラと人間の総数は逆転します……?」
桑田教授は少し沈黙し、そして計算を終えた。
「雑な計算で、諸々の条件を無視してだけど……
10ヶ月から1年、といったところですかねぇ」
「なるほど……お手を煩わせ、恐縮です」
短く礼を言い、鈴岡は電話を切る。
そして椅子へと腰掛け、深々と溜息を吐いた。
「須山博士、これが君の狙いだったのか……
何かを企んでいるとは、思っていたがね」
どん、どん……とドアを乱暴に叩く音がする。
デボラの群れは、もうすでに彼の立てこもった部屋まで押し寄せてきたようだ。
ドアの前に机や荷物を積み、臨時のバリケードとしているが――
デボラの力の前では、足止めにさえならないことは分かっていた。
『来週、面白い催しを開く。ぜひ楽しんでもらいたい――』
そんな須山からの誘いに乗り、鈴岡は研究所を訪れていた。
その矢先に、この派手な騒ぎだ。
所内に響き渡る『メサイア』を聴かなくても、誰の仕業か即座に思い至った。
「この演奏は、おそらく72年のリヒター盤か……
私としては、アーノンクール盤の方が好みだがね」
須山が、悪意をもって自分を葬ろうとしたとは考え難い。
おそらく、彼流のフレンドシップ。
メールの内容に、彼としては嘘も偽りもなかったのだ。
「まったく、須山博士とは気が合うはずだ……」
鈴岡の父も、彼自身と同じくエリート官僚だった。
優れた家庭環境、優れた教育下で、優れた成績を示し、首席で入省。
以降も出世街道をひた走り、今の立場に立った。
学生の頃から、敷かれたレールに対するありがちな反発はいっさいなかった。
自分がこの国の未来をしょって立つ、小さな頃からそう自負していたのだ。
健全なるエリート意識、と自分では思っていた。
弱き者の力となり、悪しき者を障む、公正な官僚となりたかった。
しかしその一方で、鈴岡は奇妙な性癖を抱え込んでいたのである――
小さな頃、羽虫を捕まえて蜘蛛の巣に放り込んだのがきっかけだった。
多くのわんぱく少年にとって、覚えがあるであろう残酷な悪戯だ。
しかし、蜘蛛が巣に掛かった羽虫を粘糸でぐるぐる巻きにする様――
それを見て、小学生だった私は下腹部に疼きを覚えたのだ。
あれは確かに、性的衝動の芽生えだった。
それ以来、鈴岡は生物が補食される様に興奮するようになった。
羽虫を見れば、蜘蛛の巣に放り込んだ。
アロワナを飼い、金魚を食べさせた。
ネット上で、様々な捕食動画をチェックした。
当然のように、それを見ながら自慰を覚えるようになった。
他の者が知れば、サディスティックな変態性欲者だと思うだろう。
しかし後者は否定しないが、前者はまるで逆だ。
鈴岡は常に、捕食される側に自身を投影していた。
蜘蛛に襲われ、粘糸に巻き上げられる――
蛇に巻き上げられ、丸呑みにされる――
そのような様を妄想し、性欲を満たしていたのだ。
デボラの出現は、そんな鈴岡に衝撃を与えた。
人間を犯し、捕食する存在――
彼にとって、デボラは人の上位に立つ絶対者のように思えた。
思ったからと言って、彼に出来ることなどなかった。
デボラに近付ける手立てはなかったし、官僚としての夢もある。
そこが、自分と須山博士の違いだったのだろう――
鈴岡は、彼の行動力を心より羨ましく思った。
背後から、ドアを打ち破る音がする。
無数の気配と足音、部屋に押し寄せる異形の妖女達。
悦んでご歓待に預かろう、須山博士。
さあ、どのデボラに貪ってもらおうか――
鈴岡の愉悦の声が、デボラの群れの中に消えていった。
うたたねから目がさめた。
なんだか、外がとてもうるさい。
この部屋は静かできらいじゃないけど、すこし散歩しよう。
わたしは、部屋の外に出た。
「こいつ……アンノウンだ!」
「撃て! 撃てー!!」
ニンゲンたちの、おおきな声。
鉄砲をばんばんと、わたしに撃ってくる。
いたくはないけど、ちょっとちくちくする。
わたしは、ニンゲンたちに手を伸ばし――
そして、引きちぎった。
ニンゲンたちは、すぐバラバラになった。
なんだか、すこし目がさめた。
もう少し、このかわった家を散歩しよう。
昔のことも、ちょっとだけおぼえてる。
私もむかしは、ニンゲンだった。
お金持ちの、女の子だった。
海のそばの、潮のにおいがするお屋敷に住んでいた。
わたしには、友達がいなかった。
わたしがお金持ちで、きらわれていたからだ。
だから、庭師の息子のボビーだけがわたしのともだちだった。
ボビーは、わたしに逆らえなかった。
ボビーのお父さんは、わたしの親にやとわれていたからだ。
「来るぞ……撃てっ!」
「ライフル弾じゃ無理だ! もっと火力を――」
ニンゲンは、いつもわたしを見ておおさわぎする。
ちくちくする鉄砲をうってくるニンゲンもいる。
わたしは、腹が立った。
だから、いっぱいの手を伸ばしてみんなつかまえた。
おなかがへったから、1人ずつ食べることにした。
最初のニンゲンは、イソギンチャクであたまからぱっくり。
次のニンゲンは、クラゲで包んでじゅるじゅる溶かす。
3番目のニンゲンは、タコの触手でぎゅうぎゅうしながらごっくん。
4番目のニンゲンは……
このニンゲンは、ちょっとボビーに似ていたから、食べるのをやめた。
「ひぃぃぃ……」
ボビーに似てるニンゲンのからだを、いっぱいの手でいじくり回す。
すると、おちんちんがむくむくと大きくなった。
ニンゲンがおちんちんを大きくするのは……なんでだっけ?
そうだ、思い出した。
わたしのイタズラで、ボビーが池に落ちたのだ。
しかたないから、バスルームでボビーのからだを洗ってあげた。
おちんちんも洗ってあげたら、むくむくと大きくなったのだ。
石けんをたっぷりつけて洗ってあげたら、白いオシッコをもらした。
わたしはおもしろくなって、もっともっとおちんちんにイタズラした。
ボビーは白いおしっこをいっぱいまきちらして、ぐったりした。
「はぅ……あぁぁぁ……!」
ニンゲンのおちんちんを、タコの手でいじくり回す。
ぐるぐる巻きにしたり、吸盤でちゅうちゅうしたり……
そうすると、ボビーみたいにすぐ白いオシッコをもらした。
「う……うぅぅぅ……」
わたしの手の中で、ニンゲンがびくびくふるえる。
おもしろいから、もっともっとおちんちんにイタズラした。
ボビーに似たニンゲンは白いおしっこをいっぱいまきちらして、ぐったりした。
おなかがへったから、そのニンゲンをおいしく食べた。
「く、来るなー!」
「援軍を、援軍を……! うわぁぁっ!」
ニンゲンをいっぱい食べていると、いろいろ思い出す。
バスルームでボビーのおちんちんにイタズラしたことを、グレッグが見ていた。
グレッグは、使用人の中でいちばん若い見習いだった。
高校にかよいながら働いていて、ほとんど大人だった。
そのグレッグが、わたしにおちんちんを洗ってほしいとたのんできたのだ。
おちんちんが汚れてるから、ボビーみたいにきれいにしてほしいって。
わたしは、グレッグのおちんちんも洗ってあげた。
すると、すぐに白いオシッコをもらした。
大人なのに、自分のおちんちんも洗えないなんて……
私はちょっと頭にきて、歯ブラシでグレッグのおちんちんをゴシゴシした。
グレッグは変なこえをだしながら、何回も白いオシッコをまきちらした。
「あぐ……う、うぁぁぁ……!!」
つかまえたニンゲンのおちんちんを、ごしごしと洗ってあげる。
グレッグのおちんちんみたいに、クラゲやイカの手でいっぱい洗う。
ニンゲンは変なこえをだしながら、何回も白いオシッコをまきちらした。
しばらくすると、どれだけ洗っても白いオシッコが出なくなった。
つまらなくなって、イソギンチャクにおちんちんを食べさせた。
ニンゲンが泣きわめいたので、うるさいから頭も食べた。
――あれから、何年かが過ぎた。
私は海岸を散歩していて、奇妙な生物を見つけた。
ヒルのような、イモムシのような――どう見てもヒワイな生き物。
私は、屋敷の小屋にその生き物を持ち帰った。
なぜって? 当然、オナニーのため。
そして、自分の女性器に這わせようとすると――
その生物は、なんと女性器に潜りこんでしまった。
当然、私は混乱し、慌てふためいた。
お腹が痛いとか理由をつけて、医者に行こう――そう思った時だった。
私と、膣内に潜り込んだ「それ」がひとつになるのを感じた。
その後、ボビーを小屋に誘って犯した。
精を搾り尽くしたあと、膣から丸呑みにした。
さらにその後、グレッグを小屋に誘って犯した。
精を搾り尽くしたあと、膣から丸呑みにした。
みんなみんな、犯した。
みんなみんな、丸呑みにした。
みんなみんな、みんなみんな。
みんなみんなみんなみんなみんなみんなみんなみんなみんなみんなみんなみんな――
「ひぃっ……! ば、化物……!」
「こんなの、無理だろ……うわぁぁっ!!」
もう、人間達に戦意はなかった。
だからといって、逃がす気などない。
私は触手を伸ばし、6人の人間を捕らえた。
そうだ。この6人で、ゲームをしよう。
私は触手で、6人の服を引き裂き丸裸にする。
そして、触手でみんなのおちんちんをいじくり回した。
6人とも、すぐにおちんちんを大きくさせてしまう――
「あ、あぅぅっ……!」
すると、人間の1人が射精してしまった。
私の触手を、どぷどぷと精液で汚す――
はい、フライング。このニンゲンはゲームオーバー。
オモラシをした人間の体を、7つに引き裂いた。
1人減ってしまって、残りは5人。
この5人で、我慢比べゲームをしよう。
彼らのおちんちんを、それぞれ別のお口で咥え込むのだ。
1人目は、イソギンチャクの口。
中がぐにょぐにょ動いて、じっくりとおちんちんを刺激する。
2人目は、クラゲの口。
傘全体がじゅぶじゅぶと動いて、おちんちんを気持ち良くする。
3人目は、タコの口。
ちゅうちゅうと吸い付いて、おちんちんから精液を吸い出す。
4人目は、ヒトデの口。
むぐむぐと咥え込んで、おちんちんを揉みしだく。
5人目は……ちょっとネタ切れかな、クリオネにしよう。
触手みたいな捕食器官で、おちんちんを包み込ませる。
6人目がいなくて、良かったかも。
それじゃあ、ゲーム開始。
おちんちんを咥え込んだお口を、じゅぶじゅぶ動かして刺激する。
5つのお口でしゃぶりついて、おちんちんがとっても気持ち良くなるように――
「あぅぅ……」
「う、あぁぁぁ……」
人間達は、情けない声を上げて悶え始めた。
さあ、最初にオモラシしちゃうのは誰かなー?
「はぅぅぅっ……!」
クラゲにおちんちんをじゅぶじゅぶされてた人間が、すぐに射精してしまった。
体をびくびくさせながら、クラゲにドクドク精液を出している――
気持ち良さそうな顔で、今から起きることも知らずに。
はい、この人間はゲームオーバー。
おちんちんを咥え込んでいたクラゲが膨らみ、一気に彼の体を呑み込んでいく。
あっという間に、半透明の傘の中に包み込まれてしまった。
「た、助け……あぁぁっ!!」
そして、じゅぶじゅぶと消化を始める。
みるみるうちに、彼の体はクラゲの中で溶けてしまった――
「そ、そんな……」
「うぅ……あぁぁっ……」
残りの4人は、おちんちんを気持ち良くされながら真っ青になる。
みんな察しがいい、ゲームのルールを理解したみたい。
オモラシしたらゲームオーバー、おいしく食べられてしまう。
だから、がんばって我慢しないと。
「う、うぅぅ……」
「なんで、こんな……あぁぁ……」
呻き声を上げながら、人間達は射精をこらえる。
だからみんな、ちょっとだけ刺激をきつくしてあげよう。
もっと気持ち良くなれるように、動きを早くして――
ヒダヒダを、おちんちんにたっぷり絡めて――
「う、あぁぁぁっ……!」
次にイったのは、クリオネにおちんちんをいじめられていた人間だった。
うねうね動く捕食器官に、たっぷり精液を出してしまう――
気持ち良かったみたいだね、それじゃあバイバイ。
「あぅぅぅぅ……!!」
クリオネの頭から這い出た捕食器官が肥大し、彼の体を包み込んでいく。
そのまま、じゅるりじゅるりと溶かされ――
あっという間に、クリオネの中に引きずり込まれていった。
これで、あと3人。
次にイっちゃうのは、誰かなー?
私は、お口の吸い付きを強めた。
おちんちんに粘り着き、じゅるじゅると吸いたてる。
とっても気持ち良くなるように、先っちょを柔らかくもぐもぐして――
キノコの傘みたいなところを、ぐにゅぐにゅと揉みしだいて――
「だ、だめだ……あぁぁっ……!」
ヒトデのお口に咥え込まれていた人間が、とうとう射精してしまった。
もぐもぐ蠢くお口の中に、気持ち良さそうに精液をびゅるびゅると漏らす。
はい、彼はこれで脱落――
「あぐ……うぁぁっ!!」
ヒトデの口から吐き出されたのは、反転胃。
獲物に押しつけ、溶かしてしまう――私のお気に入り。
彼はヒトデに押さえつけられ、反転胃が覆い被せられた。
そのままドロドロに溶け、ヒトデに消化されていく――
「う、ぐぅぅっ……」
「あぁ……あぁぁ……」
残ったのは、2人。
1人はイソギンチャク、1人はタコにおちんちんを貪られている。
くちゅくちゅ、うにゅうにゅと刺激を与え――
むぐむぐ、むぎゅっと中を締め付け――
「こ、こんな……あぅぅっ!」
イソギンチャクに咥え込まれていた人間が、とうとうイってしまった。
ぐねぐね動くお口の中に、ドクドクといっぱいオモラシしてしまう。
それから、ほんの3秒ほど遅れて――
「あ、あぁぁぁっ……!」
タコにおちんちんを吸われていた人間も、射精してしまった。
ほんのタッチの差だけど……イソギンチャクでイった人間の負け。
「い、イヤだぁ……あぁぁぁぁっ!!」
大きなイソギンチャクで、足からじわじわ飲み込んでいく。
でも、この人間は2番目に耐えたから大サービス。
まだ大きなままのおちんちんを、イソギンチャクの触手で絡め取る。
そのまま、触手でぐちゅぐちゅ揉みしだいてあげれば――
「はぅぅぅっ……!」
あっという間に、精液がびゅるびゅると漏れてしまう。
消化しながら、ずっとおちんちんをいじめてあげる。
最後まで気持ち良く、ドロドロに溶けちゃってね。
そして、最後に残った1人――優勝者は、大サービス。
24時間かけて、じっくり溶かしてあげる。
消化されるまでの間、たっぷり楽しませてあげるからね。
「ひぃぃっ……! やめろ……あぁぁっ!!」
私は大きく口を開け、タコの触手で彼の体を引きずり込んだ。
そのまま、むぐむぐと胃の中で舐めしゃぶる。
彼は快楽の悲鳴を上げながら、何度も何度も射精していた。
これから24時間、この人間は天国を味わい続けるんだ――
さあ、楽しいゲームもこれで終わり。
精も肉もたっぷり食べたし、散歩も飽きた。
人間を食べれば食べるほど、意識も明瞭になってきた気がする。
そろそろ、この建物から外に出よう――
「銃声が聞こえなくなったな……突入部隊が全滅したか」
私は自身の聖域――個人ラボから、所内の様子をモニターしていた。
多くの兵士達が捕食され、また多くが生きたまま捕獲された様子だ。
彼らの精液も搾り尽くされ、さらにデボラを増やす糧となる。
もはや、私が手を貸す必要もない。
後は全て、デボラが自分達で行っていくだろう――
もちろん人間側とて、次の手を打ってくる。
今回よりも、さらに大規模な攻撃が行われるはずだ。
前線でビジターと戦っている精鋭部隊が、制圧に乗り出すだろう。
しかしその頃には、こちらのデボラもさらに増殖している。
繁殖スピードでは、人間などまったくもって比較にならない。
次に、大規模な無差別爆撃。
しかしここは軍事施設、頑丈な地下壕も存在する。
バンカーバスターを使用しても、デボラ相手では大した効果はあるまい。
そして、生物兵器および化学兵器。
まったく論外、科学者である私が対策済みだ。
人間と大きく体の仕組みが異なる以上、大半の化学兵器は効力を発揮しない。
デボラほど多様性がある種ならば、細菌やウィルスでの一斉駆除も不可能である。
そして、熱核兵器だが――
さすがにデボラにも大きな被害は出るだろうが、根絶は到底不可能だ。
そして核汚染下でも生き抜けるように、デボラ達の遺伝子を調整してある。
そもそも人類が核など持ち出す頃には、デボラは関東一帯にまで広がっているはず。
関東全土を焦土に変える覚悟を、今の軍も政治家も持ち得ないだろう。
仮に関東を犠牲にするコンセンサスが得られたとして、その頃にはデボラは日本を席捲している。
どう足掻いても、人間側の意志決定よりもデボラの繁殖力の方が早いのだ。
これで、私の目的は成った。
日本はデボラのものとなり、そのまま世界にも広がっていく。
そしてこの星はデボラの支配下となり、人間はその下位となるのだ。
もちろん、デボラが人類を滅ぼし尽くすような心配はない。
我々が滅んでしまえば、生殖が不可能になったデボラも共倒れなのは分かっているはずだ。
彼女達は、すぐに人類を適切に管理するようになるだろう――
高らかに鳴り響く『メサイア』と共に、私の心も極限まで高揚していた。
モニターを切り替えると、所内のあちこちで交尾が始まっていた。
まさに、阿鼻叫喚の快楽の宴というわけだ。
生殖に適さないと判断された個体は、あらかた捕食され――
後は、デボラの未来を担うための繁殖行動が進められているのだ。
しかも相手は、対デボラ特殊部隊への在籍を許された、屈強で優秀な軍人達。
さぞかし良好な遺伝子が得られることだろう。
また交尾の相手にされているのは、軍人達ばかりではない。
この研究所に勤める所員達も、例外なくデボラの餌食だった。
私が言うのも何だが、ここには日本中から優れた知性の持ち主達が集まっている。
これまた、デボラに優れた遺伝子を提供してくれるはずだ。
そして兵隊ハチ達は男を捕らえ、女王の元に引き出していく。
女王に捧げられた男達は、当然ながらその交尾相手となる。
余談だが、セイヨウミツバチの女王は巣作り時に15体以上のオス蜂と交尾を行う。
オス蜂は女王との交尾の際に全ての精子を捧げ、交尾器が破れて死んでしまう。
今、女王に子種を搾り取られている人間達も、同じ道を辿るだろう。
なおセイヨウミツバチは、その生涯に生む子供の数は数万匹。
デボラ女王蜂は、さらにそれを上回るのだ。
また兵隊ハチ自体は、生殖能力を持たない不妊カーストである。
しかし女王蜂は、次期の女王となる娘蜂をすでに何体も生んでいた。
彼女達もここを巣立ち、世界中に生息域を広げていくだろう。
そして各地で、女王を中心としたコミュニティを築くはず。
他のデボラ達も繁殖を繰り返し、その多様性は無限に発展していくのだ。
監視カメラで研究所内を見回っていると――
馴染みの職員達の顔も、多く目に入った。
いずれもデボラと交わり、歓喜の表情で精を捧げ続けている。
仲原は「ウェストミンスターの聖女」に抱かれ、じっくりと消化されていた。
ヴァギナ・デンタータに精を貪られ、悶えているのは影原だ。
そして所長も、お気に入りのベイビーフェイスに尻尾で精を貪られていた。
彼らの表情は、いずれも甘い快楽にとろけきっている。
誰もがみんな、この上もなく幸福そうだ。
これが、デボラに管理される人類の未来の姿なのだ。
私はこれまで、デボラとの様々な楽しみを味わった。
こうした悦びは、皆が等しく享受すべきなのだ――
入り口の方から、複数の足音がする。
さらに、蛇体が床に這う時の独特の音も。
とうとう、私のいる実験室にもデボラ達が姿を見せたのだ。
ちょうど『メサイア』は、ハレルヤ連呼のフレーズへと至っている。
まさに絶頂、至福の時だ――
「ああ……ようやく、この時が……」
あれは、私が最も愛を注いだメリュジーヌ。
さらに蛇仙女、化蛙まで後ろに続いている。
彼女達は艶めかしい笑みを浮かべながら、私に迫ってきた。
「これで、やっと――」
ついに、この時が来たのだ。
為すべきことをなし終え、もはや心残りなどない。
さあ、心ゆくまでデボラに貪ってもらおう。
私を生かすも殺すも、彼女達の意志次第だ――
私のちっぽけな体は、押し寄せる女体に埋もれていった。
***西暦2048年8月1日
異星生物研究所から日本全土に広がった大規模バイオハザードに際して――
8月1日、国連軍は通常武力で沈静不可能と判断。
日本は隔離地域に指定され、事実上の国土放棄が決定される。
その後、熱核兵器を用いた焦土化が行われるも、強化型デボラの生存および繁殖を確認。
さらに対馬海峡および宗谷海峡を越え、強化型デボラが周辺国に拡散する可能性あり。
沿岸部での駆除作戦を、より徹底して行うよう関係国に通達される。
しかし多くの識者は、もはや強化型デボラの拡散は止められないと表明。
また通常のデボラも世界中で数を増し、その犠牲者数は増加の一途を辿っている。
その一方で、ビジターの円盤群は数を減らしつつあった。
彼らは徐々に地球を離れているようだが、その理由は依然として不明である。
いずれにせよ、デボラの脅威は人類を圧倒する一方。
人々は、いよいよこの星の未来を危ぶみつつあった――
***西暦2048年??月??日
「う、うぅ……」
薄暗い中で、私は目を覚ます――
ここは、見慣れた個人ラボのようだ。
どうやら、死んだわけではないらしい。
デボラは、どうして私を――
「メ、メリュジーヌ……か?」
寄り添っていたのは、蛇体の下半身に翼を備えたデボラ――
私が最も寵愛する、メリュジーヌだった。
彼女は私に艶めかしく笑いかけ、ゆっくりと蛇体を体に絡めてくる。
「な、何を……」
ずっしりとボリュームある蛇体が、私の体に巻き付いてくる――
しかし、そこに別の蛇体が割り込んできた。
あれは――蛇仙女。
彼女も蛇体を伸ばし、私の体に巻き付けてきたのだ。
蛇仙女の蛇体が、メリュジーヌのとぐろに割り込む。
そして、私の体をぎゅっと締め付けてきた――
「はぅぅっ……!」
するとメリュジーヌは、私を締め上げる蛇仙女のとぐろに自身の蛇体をねじ込む。
まるで、私の体を蛇仙女から奪おうとするかのように。
「な、何を……やめ――うぁっ!」
私の体に巻き付いた二体分の蛇体がうねり、争い合った。
ずっしり重い蛇体がぐねぐねと動き、体を締め、引っ張り合う。
まるで、オモチャを奪い合う子供のよう。
ただ問題は、そのオモチャが私であり――
奪い合う二体は、人間を軽く圧死させられる力を持っているということだ。
「や、やめ……うぐ、あぁぁっ……!」
二体分の蛇体で、全身がみっしりと締め上げられ――
その状態で、ぐいぐいと左右に引っ張られる。
だが、悪い状況はそれにとどまらなかった。
なんと、もう1体の蛇妖女が床を這ってきたのだ――
「そんな……メ、メデューサ……」
メデューサ――下半身ばかりか、その髪まで無数の蛇と化しているデボラだ。
彼女は、争い合うメリュジーヌと蛇仙女の間に身を滑らせた。
そのまま、緑色の蛇体を二体分のとぐろへとさらに割り込ませ――
さらに、私の顔面へと柔らかな胸を押しつけてきたのだ。
「う……むぐっ……!」
メデューサの得意な、乳房での窒息責め。
私は体を震わせ、天国と地獄を同時に味わってしまう。
顔面が胸の谷間で圧迫されているのみならず、全身が3体分の蛇体に巻かれているのだ。
どのデボラも、私を潰してしまわないよう注意を払っていたとは思うが――
それでも、その密着感と圧迫感は凄まじかった。
「う……ぐぅぅっ……!」
柔らかなメデューサの胸に頭をうずめ、私は苦悶する。
するとメリュジーヌは対抗するかのように、私の背後からしがみついてきた。
彼女の胸が、私の後頭部に押し当たる。
二人分の乳房で、前後から頭が挟み込まれてしまったのだ――
「ぐ……う、あぁぁ……!」
負けじと、蛇仙女まで身を寄せ――
私の頭は、3方向から6つの乳房でむぎゅむぎゅと押し潰される。
さらに3体分の蛇体が私の体を巻き上げ、手足に絡み付き、揉みくちゃにされた。
「うぐ……あ、あぁぁっ……!!」
まるで、蛇体の渦の中で溺れているかのようだ。
全身に蛇体が這い回り、巻き付かれ、締め付けられ、引っ張られる。
そして、大きくなってしまったペニスもたちまち彼女達の蛇体に狙われた。
メリュジーヌの蛇体が、私のモノに優しく巻き付く。
そのまま、優しくくにゅくにゅと揉み解し――
かと思えば、蛇仙女の蛇体がぐいっと亀頭に巻き付いてきた。
そのまま、蛇仙女はメリュジーヌからペニスを奪い取り――
まるで虐待するかのように、蛇体でぎゅっとペニスを締め付けてくる。
「うぁ……はぅぅっ……!」
複数の乳房に頭を埋めながら、私は股間に与えられる刺激に悶える。
さらにメデューサの蛇体が伸び、ペニスをぐいぐいと引っ張った。
メリュジーヌも黙っておらず、3体の尻尾がペニスを巻き込んで絡み合う。
蛇の尻尾同士が私のモノを奪い合い、締められ、引き回され――
「はぅぅっ……!」
たまらず私は、メリュジーヌの尻尾に精液を発射してしまった。
3体分の蛇体に埋もれて悶えながら、ドクドクと射精する――
そこからが、地獄だった。
3体の尻尾がペニスを3重に巻き上げ、締め付け、揉みくちゃにしてきたのだ。
蛇のデボラ達は争い合い、男性器を自分のものにしようとする。
「うぁ……あぁぁぁ〜〜!!」
私は悶絶し、そのまま精液を撒き散らしていた。
なおも3体は争うように蛇体をうねらせ、私の体を蹂躙する。
ペニスも3体分の尾にこね回され、締め付けられ――
「うぁ……あぁぁぁ〜〜!!」
私は悶えながら、何度も何度も精液を撒き散らした。
まさに、天国と地獄が交互に襲ってくるような感覚。
柔らかな6つの乳房の中で酸欠に陥りながら、快楽と苦悶にもがき――
「あ、あぅぅ……」
全身を何重にも巻き上げるとぐろの中で、ついに意識を失ってしまったのである。
***西暦2048年??月??日
「うぅ……」
それから、どれくらい経ったのだろうか。
やはり私は、いつもの研究ラボで目を覚ましていた。
どうやら、まだ命はあるらしい。
なぜ私は、デボラ達に貪り殺されないのだろうか。
彼女達に独占欲はあれど、それは獲物に対してのもの。
愛情や愛着といった感情は、これまでの研究において確認されていない。
それなのに、なぜ私は――
ふと見回すと、私の横には書類の束が投げ出されていた。
マウスやその他機器、実験器具も無造作に転がされている――
いや、研究所のあちこちから集められてきたように思える。
しかしいずれも壊れていて、役には立ちそうにない。
「これは、いったい……」
こんなもの、以前にはなかったはずだ。
デボラが何らかの意図をもって、私の側にガラクタを集めたのは確かである。
この奇妙な行動は、いったい何を示すのだろうか――
私の目覚めを察知したのか、暗闇から1体のデボラがにじり寄ってきた。
あれは、蛇仙女――彼女はまだ、実験ラボに残っていたのか。
蛇仙女は、私の顔を覗き込むと――
べろり、と頬に舌を這わせてきた。
「はぅぅっ……」
唾液がねっとりと乗った蛇舌が、頬に這うだけでも感じてしまう。
蛇仙女は艶めかしい笑みを浮かべ、さらにべろべろと顔面を舐め回してきた。
ちろちろとうねる蛇舌の感触と、甘い吐息や唾液の芳香が私を脱力させる――
「う、あぁぁ……」
相手の顔面をねっとりと舐め回し、唾液まみれにするのは蛇仙女の癖だ。
彼女の捕食をこれまで観察してきて、ずっと思っていたことがあった。
このねちっこい舌遣いで、股間をべろべろに舐め回されたい――
「ぐ、うぅっ……」
私は、なんとか体を起こし――
そして、蛇仙女の顔に勃起したペニスを近付けてみた。
彼女はすぐ私の望みを悟ったのか、にやりと艶めかしい笑みを浮かべ――
「あ、あぁぁ……!」
れろれろれろっ……と、その素早い舌がペニスへと這った。
唾液がべっとり滴る蛇舌が、亀頭をべろべろと舐め回す。
じゅるじゅる、れろれろと亀頭に唾液を塗りつけるような舌遣いだ。
「はぅ……うぅぅ……」
敏感な亀頭に、しゅるしゅるとまとわりつく唾液まみれの舌。
さらに蛇仙女は、多彩な舌遣いで私を悦ばせた。
ヌメヌメの舌が幹を這い降り、かと思えばカリに絡むように這い――
肉棒全体が長い舌で素早く舐め回され、時には巻き取られてぎゅっと締められ――
「あ、あぅぅぅっ……!」
ペニスを唾液でドロドロにされながら、私は腰をぶるぶると震わせてしまう。
くすぐったいような快感に、思わず腰を退こうとするが――
「はぅぅぅっ……!」
しかし蛇仙女は腰をしっかり抱き込み、逃げることを許さなかった。
亀頭にもカリにも、蛇舌が丹念かつ素早く這い回る。
ペニス全体にまとわりつくヌメヌメ感に、私はあえなく追い込まれ――
「はぅぅぅっ……!」
そして、びゅるびゅると精液を発射してしまった。
初めてペニスで味わう蛇仙女の舌遣いは、やはり最高だ。
メリュジーヌの口淫も素晴らしいが、同じくらい気持ちが良い――
ずるり、ずるり……と、背後から這い寄る音がした。
「メ……メリュジーヌ!?」
じっくりとにじり寄ってきたのは、頭に思い浮かべていたメリュジーヌ。
途端に蛇仙女は、威嚇するような態度を取る。
どうやらこの蛇系デボラ2体は、あまり仲が良くないようだ。
「な、何を……」
メリュジーヌは私の股間に顔を寄せ――そして、じゅるりと舌を伸ばした。
彼女の舌は、まるで蛇仙女からペニスを奪い取るように巻き上げていく。
「あぅぅっ……!」
メリュジーヌの舌遣いは、最初から激しかった。
普段ならゆっくりと巻き上げ、締め付け、這い回らせてくれるのに――
今回に限っては、じゅるじゅると先端から根元まで激しく舐め回してくる。
同時に、あの舌先での亀頭責めを繰り出した。
尿道口が、裏筋が、舌先でちろちろと素早く舐め擦られる。
これが始まれば、もう我慢することはできない――
「う、あぁぁぁ……!」
しかし不意に、蛇仙女が舌を割り込ませてきた。
しゅるしゅるしゅるっ……と、メリュジーヌの舌ごとペニスを巻き取る。
結果的に私のモノは、蛇仙女とメリュジーヌの2体の舌に巻き付かれた。
両者ともペニスから舌を離そうとせず、じゅるじゅると這い回らせる――
「こ、こんな……はぅぅぅっ……!」
ペニスを巻き込み、激しく争う2体の妖女の舌。
片方の舌が亀頭に巻き付けば、もう片方はサオへと巻き付く。
そのままぐいぐいと綱引きをされ、ペニス全体が激しく刺激され――
「うぅっ……あぁぁぁ〜!!」
そして、あっという間に精液をぶち撒けていた。
途端に2体の舌が亀頭に襲いかかり、猛烈に舐め回してくる。
亀頭で激しく渦を巻くような舌刺激に、私は声を上げて身悶えた。
精液はびゅるびゅると吹き出し、床にまで撒き散らされる。
すると妖女達は、こぼれた精液まで舐め取り始めた。
3枚の舌が、床にべろべろと這う――
「舌が……増えている!?」
なんと、いつの間にか化蛙までその場に姿を見せていた。
蛙のデボラはゲコゲコと喉を鳴らし、床の白濁を舐め取っていく。
そして3体の妖女は、再びペニスへと舌を伸ばしてきたのだ――
「う……あぁぁぁぁ〜〜!!」
私の股間にはデボラ3体分の舌が乱れ、うねり、這い回った。
まるで舌同士が、激しく争っているかのよう。
舌と唾液の渦の中にペニスが巻き込まれ、四方からじゅるじゅるに刺激される。
もはや私の股間は、3体分の唾液でドロドロだ。
そんな粘つく唾液の海の中を、舌で揉みくちゃにされ――
「うぁ、あぁぁぁぁ〜〜!!」
強烈な刺激に悶えながら、びゅるびゅると精液を撒き散らす。
そうすると、亀頭が3枚の舌で何重にもくるみ込まれ――
「うぁ……はぅぅぅぅっ!!」
先端が揉みくちゃにされ、溢れ出した精液があっという間に舐め取られる。
私は身をのけぞらせ、体をがくがくと痙攣させた。
「あぅ……あ、あぁぁぁ〜〜!!」
妖女達はペニスを奪い合い、絡めた舌でぎゅうぎゅう綱引きをする。
右から左に引き回され、亀頭やサオが別方向に引っ張られ――
「うぅ……あ、あぁぁぁぁ〜〜!!」
強烈な快感に、何度も何度も射精した。
ベタベタの唾液の中、男性器を舌の渦に巻き込まれ――
肉棒はのたうち回りながら、ありったけの精液を吐き散らしたのである。
「あ……あぁぁ……」
射精を繰り返しながら、みるみる意識が遠のいていった。
そして私は、またも意識を失ったのである――
***西暦2048年??月??日
「うぅ……」
目が覚めると、やはり研究ラボにいた。
私の身は無事であるどころか、どうやら栄養を与えられているらしい。
いったいなぜ、私は餌食にされないのか。
そこで、デボラの奇妙な行動が目に入った。
なんと彼女達は注射器を手に取り、自身で「ブレンド」を注射していたのだ。
しかし薬はすでに投与済みなので、何の効果ももたらさない。
その行動の意味を、私は悟った。
彼女達は、さらなる進化を求めているのだ――
「そうか……だから、私を……」
デボラ達にとって、私は進化をもたらす存在。
だからこそ、あえて命を奪ったりはしないのだ。
周囲に集められた意味の無い紙束や、壊れた実験機器もそのためか。
これを使って自分達を進化させろと、彼女達なりに私を促しているのだ。
「う……メリュジーヌか……」
ずるずると床を這いずる音で、誰か判別できるようになっていた。
私が目覚めたのを察知したメリュジーヌが、這い寄ってきたのだ。
彼女は、横たわった私に身を寄せた。
そして、その蛇体でゆっくりと体を巻き上げてくる――
それは、優しい抱擁そのものだった。
メリュジーヌのとぐろの中で、私のモノはみるみる大きくなっていく。
肉棒が彼女の下腹部に押し当たると、くすり……と笑い――
「あ……うぅっ……」
メリュジーヌは、肉棒を自身の肉壺へと導いてきた。
私のモノが、温かくとろけた柔肉に包まれる――
「はぅぅ……」
甘く優しい、膣内のうねり。
メリュジーヌの肉壺は、恍惚と安らぎを与えるような感触だった。
ペニスをじんわりと温め、ゆっくり丁寧に揉み――
乱暴に追い込んだりはせず、まったりと甘く導いていく。
「あぁぁ……気持ちいい……」
とろけた表情の私に、メリュジーヌはねっとりと唇を重ねてきた。
彼女のとぐろの中で、甘いキスを受けながら完全に身を任せる。
まさに、極上の快楽を与える至福の抱擁だった。
柔らかに、ゆっくりと、私のモノは柔肉で揉み解される。
彼女の中で、ペニスがとろけていく――
「う、あぁぁっ……」
私はそのまま、メリュジーヌの肉壺に精液を放出していた。
頭の中まで、甘くとろけてしまいそうなほどの射精――
彼女の舌と唇を味わいながら、温かい膣に精液を捧げていく。
そして、最後の一滴まで精液を出し終えた時だった。
「う……わっ!」
体中に、にゅるにゅると触手が絡み付いてきたかと思えば――
強い力で、私の体はメリュジーヌから引き剥がされていた。
「ス、スキュラ……?」
メリュジーヌを押しのけて、スキュラ――触手タイプのデボラがのしかかる。
彼女の触手が私の全身へと絡み、しっかりと抱き込まれた。
そして、肉棒に下腹部を近付けてくる――
「あ、あぁぁぁ……」
膣内から、にゅるにゅると這い出てくる蛸の触手。
それは獲物を捕らえるかのように、私のモノに絡み付いてくる。
この時点で、ペニスに与えられる快感は相当のものだった。
兵役忌避者を餌として与えた際は、これだけで射精した者も多かったほどだ。
「はぅ……あぅぅぅ……」
固さを確かめるかのように、肉棒に巻き付く触手。
そのまま、じゅるじゅると膣内へと引き込んでいく。
亀頭が、そしてサオがスキュラの肉壺に引きずり込まれ――
「はぅぅぅっ……!!」
熱く狭い膣内に、ペニスがみっちりと咥え込まれてしまった。
何度も体験した、無数の触手がうねる魅惑の肉壺。
艶めかしい触手がペニスに絡み、這い回り、そして締め付ける。
亀頭もカリも、サオから根元まで触手に嫐りたてられ、弄ばれた。
「はぅぅぅっ……!」
さっきメリュジーヌにイかされていなかったなら、確実にここで果てていただろう。
しかしスキュラの膣には、どんな男も即座にイかせてしまう得意技があるのだ――
「う、あ……あぁぁっ!!」
ついに、始まった。
膣奥で亀頭に無数の触手が密着、そのままぐちゅぐちゅに這い回られる――
触手がのたうち、うねり、絡みつき――
凄まじい快感に、腰がガクガクと震え――
「う、あぁぁぁっ……!」
あっという間に、スキュラの触手膣へと精を放っていた。
私を触手で抱きすくめながら、彼女は満足そうな笑みを浮かべる――
「うわっ……!」
そこに割り込んできたのは、また別の妖女――蛇仙女だった。
彼女は私をたちまち蛇体で巻き上げ、ぎゅうぎゅうと締め上げる。
そのまま、あっという間の早業でペニスを蛇体の肉壺へと迎え入れた――
「あ……うぅぅっ……!」
蛇仙女の肉壺は、すさまじく締まりがきつい。
それもそのはず、膣内には筋肉がリング状に並んで備わっているのだ。
その一つ一つを、蛇仙女は自分の意志で別個に動かせる。
入り口から奥まで、締め付けるのも緩めるのも自由自在なのだ――
「はぅ……あ、あぁぁっ!!」
リング状の筋肉を駆使し、蛇仙女は膣内のペニスを巧みに締め上げる。
時には緩め、内部を波打つように収縮させ、揉みしだくような刺激を与える。
かと思えばぎゅぅっと中を締め付け、強烈な圧迫感を与えてくる――
「う……あぅぅぅっ!!」
そのままぎゅうぎゅう締め上げられ、私はあえなく降参していた。
蛇仙女の肉壺へと、大量の精液を捧げてしまう――
「あ……あぁぁ……」
それぞれ別のデボラから三連続で犯され、意識が朦朧とする。
しかし、さらに多くのデボラが私に迫ってきた。
彼女達は繁殖欲のままに、私を輪姦する。
その生殖器にペニスを包み込み、極上の快感を与えて子種を搾り取る。
何度も何度も射精させられ、ペニスが萎えてしまうと――
「う、うぅっ……」
濃厚なキスにより、経口でデボラの唾液が与えられる。
フェロモンや催淫成分をふんだんに含んだ唾液を――
そうすると、たちまちペニスが元気を取り戻した。
そしてまた、私のモノはデボラ達の繁殖の餌食となるのである――
「クルスクの女王蜘蛛」は、糸つぼではなく交尾器を用いて私を犯した。
中はぐちゅぐちゅと別の生物のように収縮し、内奥では唇のような器官が亀頭を包んだ。
たまらず私は、大量の精液を女王蜘蛛へと捧げた。
「ベイビーフェイス」はにやにやと笑いながら、悶える私を尻尾で徹底的にいたぶった。
動きを封じられたまま、搾精腔にしゃぶりつかれて何度も何度も精液を吸い出される。
「メデューサ」は、大量の蛇がのたうつような肉壺で私のペニスを咥え込む。
さらに、膣内には無数の蛇舌が新たに発現したらしい。
ペニスは肉壺内でじゅるじゅるに絡まれ、舐め尽くされ――
私は歓喜の悲鳴を上げながら、どっぷりと精液を吐き出した。
「ヴェネツィアの庭師」は、股間に備わった花のような搾精器で私を誘った。
その中は蜜に濡れたヒダが密集し、甘く絡み付き――
とろけるような快感を味わいながら、ありったけの精液を吸い取られてしまった。
「化蛙」の卵には、何度も何度も精液を搾り出された。
また、その生殖器に直に挿入を許してくれたこともあった。
内部は奥までヌルヌルで、また内粘膜は激しくうねり、驚くほどの気持ち良さ。
私は上擦った声を上げながら、子宮の卵に届くほどに射精した。
そして、化蛙の娘達。
彼女達は私の全身を泡で包み込み、かつて実験時に見た産卵行動を行ってくれた。
泡の中で6体の化蛙が密着し、にゅるにゅると手足を動かしてくる。
まるで全身が洗い尽くされているような、恍惚の極み。
私はとろけながら、泡卵の中に何度も何度も精液を放出した――
彼女達はいずれも、凶悪な捕食個体でさえ、私に危害を加えようとはしなかった。
ただ私の子種を貪欲に求めるだけで、それ以上の苦痛を与えはしないのだ。
私は、彼女達に求められていることを理解した。
そして、求められるがままに行動した。
機器の大半は使えないが、放棄された薬品や組織サンプルは多い。
デボラ遺伝子の柔軟性があれば、それだけでもかなりのことが出来るだろう。
さらに、求められるがままに子種を提供した。
私はデボラ達に輪姦され、何度も何度も精液を搾り尽くされた。
目的を叶えたこの世界で、デボラと交わり続ける――
私の大望も、そしてささやかな夢もこうして果たされたのである。
***西暦----年--月--日
強化型デボラは、全世界へと拡散した。
地域によって、彼女達は独自の文明を築き始めている。
かって地球の支配者であったヒトは、デボラの支配下に甘んじるしかなかった。
人類の世紀は終わり、デボラの世紀が始まったのである。
そのきっかけが、たった1人の科学者の乱心であったことを知る者はいない――
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