帝都ピレリウム
僕はフェミアに案内されながら、帝都ピレリウムの大通りを歩いていた。
まるで古代エジプトを舞台にした映画そのもののように、どやどやと賑わう町並み。
通りを行き交うのは、きらびやかな服や装飾具を身にまとった高貴な美女達。
彼女達は市民階級、男性器をも備えたふたなりなのである。
「新鮮なスイカ、いりませんかー? 冷え冷えですよー!」
「お鍋の大安売りです。ぜひ、おひとつ!」
通りには露店なども数多く立ち並び、店員をやっているのは質素な服の綺麗な女性達。
彼女達は、明らかに奴隷階級の娘だろう。
奴隷という言葉から連想される悲壮感は全くなく、思うがままに商売を楽しんでいる様子だ。
「シャウペス様――」
「え――あ、僕ね」
フェミアが呼んだのは、この帝都で僕が名乗る名前。
ここに滞在する一週間は、この名前で暮らさなければならない――早く慣れなくては。
「この都市の成人した自由市民は、月に50万フェルが女王陛下によって支給されます。
客人の貴方もこの都市で一週間を過ごす以上、お金がなければ不便だろうとのこと」
フェミアは懐から、金貨の詰まった財布を取り出していた。
「屋敷に着けば、いくらでも自由に使えるお金があるのですが――
もし道すがら欲しい商品があれば、これをお使い下さい」
「あ、ありがとう……」
僕は、フェミアからずっしり重い財布を受け取っていた。
『1000』と刻まれたコインが数十枚は入っている――おそらく5万フェルはあるだろう。
「ソフトクリームいかがですかー? 150フェルですよー!」
「『月刊 触手の世界』本日発売、450フェルになります!」
露店の奴隷達は、様々な商品を売っている。
どうやら物品の値段を見るに、ちょうど1フェル=1円程度といったところか。
「ところでフェミアさん、滞在先の屋敷まではあとどのくらい?」
「歩いて十分ほどで到着しますが……馬車を使われますか?」
道路には当然ながら自動車など走っていない――その代わり、馬車が往復していた。
「いや、10分ぐらいなら歩けるよ」
「了解しました、では徒歩で行きましょう」
そんなやり取りを交わしていた時だった。
僕の視界に、路上の隅っこで机を構えて座っている少女が映る。
まるで街頭占い師か、靴磨きのよう――
その机の上には、洗面器やタオルが置いてあった。
「おちんちん洗いまーす! そこの方、どうですかー?」
高校生――僕と同い年ぐらいのあどけない少女は、道を行き交う人々に声を掛けていた。
「フェミアさん、あれは……?」
「街頭のペニス洗いサービスですね」
いかにも当たり前のように、フェミアは言った。
その口調からして、この都市ではなんら珍しいものではないのだろう。
「ペニス洗い……サービス?」
あんなに可愛い娘が、そんなことを……?
「人間界には、そのようなサービスはないのですね。よろしければ、利用してみますか?」
「え……? 僕が……?」
僕は、街頭で呼びかけを続ける少女に視線をやっていた。
あの少女の細くて柔らかそうな手で、肉棒を優しく洗ってもらえる――?
「そ、その……いいのかな?」
「それはもちろん、商売なのですから。お金さえ払えば、問題ありません」
「じゃ、じゃあ――」
僕は胸を高鳴らせながら、街頭ペニス洗いサービスの少女の机に近付いていった。
「あっ、お客さんですか……?」
少女は僕に、柔らかな笑みを向ける。
「あ、うん……お願いできるかな」
「3000フェルになりますが、よろしいですか?」
「……」
僕はフェミアから受け取った財布から金貨3枚を取り出し、少女に渡していた。
「まいどありー。では、おちんちんをお出し下さい」
「……」
僕は市民服のスカートをおずおずとまくり上げ、下半身を露出させていた。
下着は履いていないので、当然ながら路上の隅で肉棒をさらけ出すことになる。
しかし行き交う通行人は、全く気にしている様子はない――当たり前の光景なのだろう。
そして少女はソープを両掌にまぶし、にちゃにちゃと泡立てていた。
たちまちぶくぶくと白い泡が溢れ、彼女の掌は白いグローブをはめたかのようになる。
「では、失礼します……」
ぬるり……
泡にまみれた少女の両掌が、すでに大きくなっている僕のペニスを両側から挟み込んできた。
「あう……」
少女の体温が伝染し、泡までが非常に温かい。
そしてその両腕が、わしゃわしゃと激しく動く。
「あ、あ……!」
ペニスを中心にぶくぶくと泡立ち――
そして、肉棒全体が温かい泡に包まれてしまった。
「かゆいところはありませんか……?」
少女は快感に緩む僕の顔を見上げながら、そう尋ねてくる。
同時に、彼女のしなやかな手が幹の部分をわしゃわしゃと滑ってきた。
それは、泡を塗りつけて擦りたてる動き。
それでいて、快楽を呼び起こす愛撫そのもの――
少女の献身的な洗い方の前に、僕の腰に甘い痺れが広がっていく。
「あ、気持ちいい……」
悦びの声を漏らしてしまう僕を見上げ、少女はほがらかに微笑んだ。
「お客さん、敏感なんですね……」
わしゃわしゃわしゃ……
まるで根本からサオ中程を扱きあげるように、たっぷりと泡を塗り込まれ――
少女は左手でその動作を続行しながら、右手がゆっくりと幹を這い上がってきた。
そして亀頭部は、泡にまみれた右掌にぎゅっと包まれる。
性感帯の密集している箇所に、ぬるぬるの感触がまとわりつく――
その快感に、僕は思わず腰を引いてしまいそうになった。
「あっ……!」
少女は僕の股間を逃がすまいと手を伸ばし、ペニスを泡まみれの掌で包み続ける。
左手で、サオをぬちゅぬちゅと上下に優しくしごき――
そして右掌が亀頭部分を包み込んで、ぐにゅぐにゅと揉みたててきた。
「あぐ――!」
敏感な亀頭先端で受ける甘いマッサージに、僕は表情を歪めてしまう。
「先っちょ、ぴくぴくしてる……気持ちいいですか?」
少女はにっこりと笑みを浮かべ、右掌の形を変えた。
より深く亀頭が包み込めるような形にしながら、掌のへこんだ部分を亀頭に密着させてくる。
泡によるぬめりと温もり、そしてその密着感――まるで、柔らかい何かに挿入しているかのような感触。
「お、おお……」
呻く僕を見上げ、少女は両腕の動きをも変えてきた。
上下の刺激ではなく、左右にねじるような刺激を加えてきたのだ。
サオが、少女の左手でぬちゅぬちゅとドアノブのようにねじられる。
そのソフトな握りが、泡のぬめりを借りてにゅるにゅると幹の表面を滑る――
そして、亀頭を襲う右掌での刺激もそれと同期していた。
掌のくびれに亀頭先端を押し当て、亀頭全体を包み込んだままドアノブのようにひねってきたのだ。
泡のぬめりを存分に味あわせながら、柔らかい掌がぬるぬると亀頭粘膜を滑る。
その感触は、僕を極楽へと誘う快感そのものだった。
「き、気持ちいい……それ、すごく気持ちいい……」
それは、ペニスを包み込んで這い回るにゅるにゅるの天国。
この感触で射精してしまう――そう感じるのに十分な刺激。
洗ってもらっているのに、このままイってしまうなんて――
「どうぞ、我慢できなかったら出して下さいね」
恍惚に緩みきる僕の顔を見上げ、にこやかに告げる少女。
彼女からの許しが、僕の我慢の堤防を一気に決壊させていた。
腰が甘く痺れ、そして快楽が弾ける。
「あ、あああああぁぁぁ……」
どぷっ、どぷどぷどぷ……
少女の手の中で、僕は恍惚に包まれながら果てていた。
尿道から溢れ出た精液は、少女の右掌で受け止められる。
「いっぱい、出てます……」
射精中でもにゅるにゅると手を動かし、ペニスを刺激し続ける少女。
「あ、あ、あぁ……」
彼女の手の中で、尿道に残っている精液までが絞り出されてしまった。
丹念にペニスを洗ってもらい、泡まみれでイかされる――
そんな快楽を存分に味わい、僕は脱力感と恍惚感を味わったのだった。
「はい、終わりです。おちんちん、綺麗になりました」
泡を流し、タオルで拭き――そして少女は、にっこりと微笑んでいた。
それから数分後、僕とフェミアは何事もなかったかのように通りを歩いていた。
「ごめん、時間取っちゃって……」
僕がペニスを洗われていた間、暇を持て余していたであろうフェミア。
彼女に対し、僕は恐縮しきっていた――当のフェミアは、気にしている様子ではないが。
「いえ……せっかく帝都にいらっしゃったのですから、存分に楽しんで頂ければ幸いです」
そう言って、穏やかな笑みを見せるフェミア。
その一方で、通りのあちこちでは様々な痴態が展開されていた。
自由市民達が、奴隷の様々な性奉仕を受けているのだ。
「あ、あ、気持ちいい……もっと……」
「ん、ん、んん……」
「あ、出そう……イく……!」
手コキ、パイズリ、フェラ……そして、膣への挿入。
それが、街角で当たり前のように行われている風景。
そういうのを目の当たりにし、僕の股間はすっかり膨らんでしまっていた。
さっき、一度射精したにもかかわらず――
「あの、フェミアさん……屋敷への道って、複雑なの?」
「いえ、簡単です。ここをまっすぐ進んで数分で、左方に見えてきますが……なぜです?」
「じゃあ、フェミアさんは先に戻っててもらえないかな。僕は、のんびり町を観光したいから」
「はぁ、よろしいのですか……?」
フェミアは、きょとんとした表情を浮かべる。
こちらの意を掴みかねる、といった風だ。
「いや……そこら辺をうろうろしたいんだけど、フェミアさんをそれに付き合わせるのは心苦しいからね」
正直言うと、他の様々なサービスも味わってみたかった。
しかし、そんなのにフェミアを連れ回すのは心苦しいことこの上ない。
何より、気恥ずかしいというのもあるが。
「私は気に致しませんが、シャウペス様の方が気になさるというのであれば――」
フェミアは、僕の心情をある程度察してくれたようだ。
「……ここをまっすぐ5分ほど進み、左側に見えてくる大きな屋敷です。
類似の建物はありませんので、お間違えにはならないと思いますが――」
「うん、分かったよ。僕のことは気にしないで」
「では、一足先に屋敷でお待ちしています」
軽く一礼をして、フェミアは屋敷へと戻っていった。
さて、僕は――
「ありがとうございました〜」
お金を払う僕に対し、にこやかに告げる奴隷娘。
そして商品のアイスを受け取り、僕は公園のベンチに腰を下ろしていた。
アイスは人間界のものと全く変わらず、とても美味しい。
この緑に覆われた公園にも、人の姿はちらほら見えていた。
そして、ここにも奴隷のサービスが――
「そこの高貴な方、お口のサービスはいかがですか? きもちよ〜く精液吸い出しますよー」
「じゃあ、お願いしようかしら……?」
綺麗な女性――いや、正確に言えばふたなりの市民。しかし外見は女性そのもの。
そんな彼女は、奴隷階級の娘――あどけない顔のお姉さんに金貨を渡す。
「ありがとうございます……では」
お姉さんは微笑みを浮かべながら、市民女性の正面で身を屈めていた。
「ふふ、気持ちよくしてね……」
市民女性はゆっくりとスカートをまくりあげ、まだ勃起していないペニスを露出させる。
するとお姉さんは、女性のペニスにペロペロと舌を這わせ始めた。
そのピンクの舌が縦横無尽に這い、肉棒はみるみる膨張していく。
「あ、上手――そろそろ、お口の中に入れてちょうだい」
「はい、失礼します……気持ちよくなったら、そのまま口内にお出し下さい」
お姉さんはにっこりと微笑み、そして口の中にペニスを納めていた。
「あったかい……それに、よだれでヌルヌル……」
口内の感触を味わいながら、うっとりとした表情を浮かべる市民女性。
「ん、ん、ん……」
そして、お姉さんは肉棒の表面を滑るように口を上下させ始める。
まるで機械のようにリズミカルに――
みるみる、市民女性の表情に悦楽が浮き出てきた。
「あ、あなた……すごく上手……」
「ん、ん、んん……」
唇を幹に上下させながら、お姉さんは上目遣いで市民女性を見上げる――
「ひぁ……! し、舌が……!」
そして不意に、市民女性は表情を歪めていた。
「あ、絡めないで、そんな……ああああああ……ン」
「ん、ん、ん……」
じゅぶ、じゅぶ、じゅぶ、という淫らな音が周囲に響く。
市民女性の表情からは余裕がすっかり消え、甘い喘ぎ声を隠せなくなっていた。
「ああぁぁ、気持ちいいぃぃ……さ、先っちょ、そんなにぃぃぃ……」
じゅぷっ、じゅぷっ、じゅぷっ……
市民女性は悶え、全身をひくつかせる――
それでもお姉さんはフェラを止めようとはしなかった。
それどころか、両腕を市民女性の腰にしっかりと回してしまったのだ。
腰に抱き付かれ、しがみつかれた体勢――そしてお姉さんの目が、淫らに笑った。
「ひぁぁぁぁぁぁぁぁ……! ああああ、ああぁぁぁぁ……!!」
市民女性はもはや、もがいていたと言っていい。
肉棒を啜り嫐られ、必死で腰を引きながら両腕をバタつかせていた。
しかしどれだけ腰を引いて逃げようとしても、お姉さんはしがみついて離そうとしない。
「や、やめてぇ……もう……ああああぁぁぁ……」
泣き笑いのような表情を浮かべ、懇願さえする市民女性。
そんな彼女に対する、お姉さんの上目遣いの視線――それは、明らかに勝者のものだった。
それは決して、市民に奉仕する奴隷のものではない。
奴隷のお姉さんは、性的上位者としての優越を込めた視線を送っていたのだ。
「あひ、あひ……あはぁぁぁぁぁぁぁ……!」
息も絶え絶えの市民女性の顔が緩み、そしてビクビクと全身を痙攣させた。
射精した――それは、端から見ているだけの僕にもはっきりと分かる。
性的にどちらが上下なのかを散々に味あわされ、そして市民女性は強制的に屈服させられたのである。
お姉さんは倒れそうになる市民女性の体にしがみつき、じゅるじゅると精液を吸い上げていた。
「あ、は、ああぁぁ……」
強制的に射精に導かれ、精液を吸い出される――
そんな屈辱を受けた市民女性の顔は、歓喜に歪んでいたのだった。
そして名目上の奉仕は終わり、市民女性は放心してその場にしゃがみ込む。
数十秒ほどその場で呆けていた彼女は――
しばらくして奴隷のお姉さんに賛辞を述べ、その場からふらふらと去っていった。
「……」
そんな一部始終を眺めていた僕の肉棒は、すでに最大限にまで膨張している。
そして僕は、気付いた時にはお姉さんの前へと立っていた。
「あの、口で……お願いできますか?」
「はい、ありがとうございます。お代をお先に……」
財布から金貨を取り出して、お姉さんに渡す僕。
「毎度あり……では」
お姉さんはにっこりと微笑み、僕の前でしゃがみ込んでいた。
僕は期待に包まれながら、ゆっくりとスカートをまくり上げる。
勃起した肉棒が、お姉さんの前にさらされた。
「あ……もう大きくなってる。これだったらナメなくてもいいかな?」
冗談っぽく、そう言うお姉さん。
「うそうそ。ちゃんとナメますから、ご安心を……」
お姉さんはゆっくりとピンクの舌を伸ばし――
そして亀頭に、ぬるりと這った。
「あうっ……!」
その刺激に、僕の腰はびくんと震える。
「あはは、敏感なんですね。もっとナメナメしてあげます」
べろ、べろ、れろん……
お姉さんの舌は、肉棒のあちこちに這っていた。
まるでナメクジのように、唾液の糸を引きながら――
さっきペニス洗いサービスで射精していなければ、早くも限界を迎えていたかもしれない。
「……ぷはぁ。さっきの自由市民の方が、私のお口でいたぶられるの……ずっと見てましたよね?」
そう言ってお姉さんは僕を見上げ、そして目を細めた。
「あれを見ても、お客さんになってくれるって事は……あんな風にしてほしいんですよね?
おちんちんねろねろに弄ばれて、精液吸われたいんですよね?」
「……」
何もかもお見通しの様子のお姉さん。
僕は認め、頷くしかなかった。
「ふふっ……じゃあ、咥えます。思う存分、悶えて下さいね」
お姉さんの閉じた唇が、まるでキスをするように亀頭に触れる。
そのまま口が開き、僕の肉棒はぬるんと口内へと侵入していた。
唇の締め付けを受けながら、ねっとりと幹を滑る――その甘い感触。
そして口内は、ねっとりとした唾液でぬめっていた。
「あ……口の中、気持ちいい……」
ぬるぬるで温かい唾液に亀頭が浸され、サオ全体が濡らされる――
そのぬめった感触をペニス全体で味わい、僕は甘い痺れを感じていた。
このまま口の中で含まれているだけでも、しばらくしたら射精してしまいそうだ――
「ん、ん、ん……」
そしてお姉さんは、上下のピストンを始めていた。
口内がすぼまり、みっちりと肉棒全体に密着してくる――それは心地よい締め付けそのもの。
そして上下する口内粘膜が、カリを吸いすぼめながらいたぶってきた。
唾液でぬめる温かい粘膜が、亀頭のみではなくペニス全体をにゅるにゅると扱くように刺激する――
「あ、ああああぁぁぁぁ……」
それは、ねっとりとした唾液まみれの責め。
単調に口を上下されているだけにもかかわらず、その刺激には耐えられそうもない。
ちゅぽ、ちゅぽ、ちゅぽ……とリズミカルに口内で扱かれ、僕は1分も持ちそうになかったのだ。
「ん、ん……ふふ」
快楽に呻く僕を見上げながら、お姉さんは目を細めた――
それと同時に、口内で舌がぬるり……と蠢いた。
それは、まるでまとわりつくように亀頭を舐め回してきたのだ。
「はう――! ああああぁぁぁ!!」
不意打ちのような快感に、僕は腰を揺さぶっていた。
しかし、いつの間にか僕の腰にはお姉さんの両腕が回され、腰を引くこともできない。
「ん、ん、ん、ん……」
ちゅぽ、ちゅぽ、ちゅぽ、ちゅぽ……
れろ、れろ、にちゃ……ぬるる……
お姉さんは口内でのピストンを続行しつつ、亀頭へと執拗に舌を絡め続ける。
ぬめぬめと全体に這わせ、裏筋の部分をほじり、カリに妖しく巻き付け、尿道をつつき――
舌はまるで別個の意志を持つ軟体生物のように、先端部分にまとわりついていた。
この亀頭責めは、単調なピストンとは全く逆の刺激。
機械的な口内ピストンに対し、縦横無尽の生物的な責め――
「あひ――! あ、あああああぁぁぁぁぁ……!」
そのあまりの快感の前に、僕は全身をわななかせていた。
その場にへたばり込もうにも、お姉さんの両腕が腰をしっかりと支えている。
逃げることも倒れることもできない――僕に許されているのは、お姉さんの口内で果てることのみ。
これは、もはや強制射精以外の何物でもなかった。
口内粘膜によるピストン刺激と、軟体生物のように亀頭に絡む舌の刺激――
この相反する刺激は見事に一体化し、射精を強制しているのだ。
「ん、ん、んふ……」
僕を見上げていたお姉さんの目が、にぃ……と優越に歪む。
同時にねっとりと亀頭に舌が絡み――それがとどめとなって、僕は射精していた。
「あぐ、ああああぁぁぁぁ……」
どく、どく、どく……
僕はお姉さんの頭部を両腕で掴み、射精に伴う強烈な快感を甘受する。
彼女はペニスを含んだまま、ちゅぅぅぅぅと口内を吸い上げていた。
たちまち尿道から溢れた精液はバキュームのように喉奥へ吸われ、こくんこくんと嚥下される。
「あ、あぁ……吸われてるよぉ……」
お姉さんの頭部を掴みながら、精を吸い上げられる恍惚にひたる僕。
彼女の口技の前であっという間に果て、屈服の証を吸い出された――
そんな屈辱も、とてつもない快感と恍惚感の前に完全に吹き飛んでいたのだった。
「気持ちよかった? またしてあげるから、次もここに来てね」
ちゅぽん……と口を離し、にっこりと笑うお姉さん。
僕は脱力のあまり、彼女の前で腰を崩していた。
――時刻は、そろそろ夕方。
屋敷の場所は、すぐに分かった。
いかにも高級そうな、豪壮な邸宅である。
「ただいまー!」
その立派な扉を開けて、中に入る――と、玄関口にフェミアがいた。
彼女は僕の方にあらためて向き直り、深く礼をする。
「お帰りなさいませ。シャウペス様」
「ただいま……もしかして、ずっと玄関で待っててくれたの?」
「そういうわけではありませんが、気配がされたので――」
そこで言葉を切り、まっすぐに僕を見据えるフェミア。
「ところで、ネフェルシェプス様からご連絡がありました。
シャウペス様は帝都への滞在期間中、自由市民と同じ待遇を受けることとなっています」
「それは……どういうこと?」
「自由市民として、この帝都でのルールを守って頂きたいということです。
もっとも人間界の都市の方が何かと制約が多いというお話ですので、
そんな世界に生きてきた貴方様なら容易いことだと思いますが――」
「例えば、どんなことに注意すればいいの?」
他国の文化に合わせる――これは意外に大変だ。
常識そのものが通じないこともあり、なんでもない行為が愚弄や侮蔑と受け取られたりもする。
それに何よりも気遣うのは、旅人として当然のたしなみだろう。
「まず……道行く人間を、市民・奴隷の区別なく殺害・暴行してはいけません。
これらの暴力行為は、ネフェルシェプス様の最もお嫌いになるところ。
この法を破った者は、ただちに罪に問われるでしょう。いかに客人であろうとも、特別扱いはできないとのこと」
「……そんなことしないから大丈夫だよ。他には?」
「他には……奴隷から性的サービスを受ける場合、まれに相手を妊娠させてしまう場合があります。
その場合は、妊娠させた奴隷と生まれてくる子供の養育義務が生じます」
「なるほど――」
それは、気をつけないといけないな。
これまで二度の性的サービスを受けているが、膣内射精は一回もしていないはずだ。
納得する僕に対し、フェミアは軽く首をかしげていた。
「これも、人間界には似たような風習があるとか――結婚、と言うのですか?
もっとも、我々が子をなす可能性は人間界にいる純粋な人間よりもかなり低いというお話です。
百回ほど膣内射精を行い、そのうち一回が受精するかしないかの確率ですから。
人間界の人間が、どの程度の確率で受精するのかは寡聞にして存じませんが……」
「そうなのか……この世界の人間は、子供ができにくいんだな。それ以外に、何か帝都での注意点は?」
「他には、この都市では――」
彼女の説明する、帝都で禁じられている行為。それは、どれも常識的に考えてマズいことばかり。
さっきフェミアの言った通り、人間界の都市の方がよっぽど厳しいくらいだ。
「うん、それなら大丈夫だ」
「理解して頂けて幸いです。では、帝都の地図をお受け取り下さい」
フェミアは、僕に観光地図のようなものを差し出していた。
そこには、動物園や植物園、美術館や大浴場、コロシアム、病院、警察署など様々な施設の位置が記されている。
「当然ながら、滞在期間の外出は自由。帝都内の施設も見学・利用して下さって構いません」
それは、実にありがたい話。
まあ今日はもう夕暮れなので、外出するのは明日からになるだろうが。
「ところでフェミアさんは、一週間ずっとこの屋敷にいるんだよね」
「ええ、シャウペス様の身の回りのお世話をさせて頂きます。
私は王宮付きの奴隷、人間界で言うメイドに近い役割もこなせますので――」
「じゃあ、よろしく」
僕は、フェミアに対しあらためて言った。
それに対し、にっこりと笑いかけてくるフェミア。
「それにしても、他の市民達には僕が普通の市民にしか見えてないみたいだったね」
「そういう風に、ネフェルシェプス様が全住民に暗示を掛けましたので。
帝都の民は持っていない陰嚢なども、目に入ったとて知覚できないのです」
「そうか……凄いんだな」
なにせ女王は、この空間を創世したほどの存在。その程度は容易いのだろう。
「でも――なんで、宴の準備に一週間も掛かるんだろう」
僕は、それを疑問に思っていた。
わざわざ一週間も帝都に滞在させる――もしかしたら、何か企んでいるのではないだろうか。
「……人間界にも、芸術家なる方々がおられますよね。
そういう方々は作品を創り、次に何を欲するでしょうか?
丹精込めて完成した作品を、誰かに見てもらいたくなるのではないでしょうか……?」
「……?」
僕には、フェミアの言葉の意味が分からない。
「見ての通り、女王陛下は立派な帝都を築かれました。
こうして完成された女王陛下の作品を、誰かに見せたかったのではないでしょうか。
陛下の創造物ではない、外の世界から来られた方――例えば、貴方のような方に」
「……なるほど」
この都市は、女王ネフェルシェプスが何千年も掛けて築いた帝都。
人間界の都市に似せられつつ、独特のシステムが適用されている。
それを、人間界からの訪問者にぜひ見せたかった――
フェミアの推論は、決して的外れだとは思えない。
「なるほど……そうかもしれないね。だとしたら、女王は意外に孤独なのかもな――」
女王に仕える者達、そして帝都人民は全て女王による被造物。
いかに数万の民に囲まれ、崇められたとて、女王は孤独なのかもしれない。
「では、夕食に取りかかります。シャウペス様は、ご自分の家のようにおくつろぎ下さい」
「ああ、うん」
こうして、フェミアはキッチンへと消えていく。
日は沈み、彼女の作ってくれた夕食を食べ――
ここまでの疲れが蓄積していたこともあり、そのまま僕は入浴すらせずに就寝してしまった。
こうして、帝都での一日目は終わりを告げたのである。
To Be Continued...
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